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08/12/14 映画「夢のまにまに」
十三 の七藝で「夢のまにまに 」を、いつものように事前情報なしで観ました。
 今年90歳になられる木村威夫さんの初長編映画監督で自伝的な作品です。木村さんは「タンポポ」や「父と暮らせば」など多くの映画の美術監督をされてい たそうです。
 戦争、反戦、原爆、生と死、心の病い、青春、老い、恋愛、、、多くのテーマが詰め込まれていて煩雑に感じました。観るのに少し疲れるかも。

 映画の専門学校の校長となった木室(長門裕之)と、老いた妻・エミ子(有馬稲子)との生活、心を病んで退学した元生徒・村上(井上芳雄)との往復書簡が 軸となり、木室、エミ子の戦時、戦後の回想が続きます。
 村上は木室への手紙で「死んだように生きています」と書いてきました。中々実感のこもった言葉です。健全に生きるのか、病んで死に行くのか、正常か異常 かは紙一重のような気がします。

◆出演者
 公式ホームページのコピーに「豪華絢爛たる俳優陣とともに・・・」とありました。
 確かに、観世榮夫さん、鈴木清順さん、小倉一郎さん、桃井かおり、浅野忠信さんなど多彩な顔ぶれでしたが、ほとんどが一場面だけの出演でした。
 また、葛山信吾さん、南原健朗さん、エリカさん、天羽祐香さん、飯島大輔さん、亜湖さん、銀座吟八さん、城川祐貴さんなどはどなたかわかりませんでし た。
 木室の若いころを演じた永瀬正敏さん、敗戦後のバラックの飲み屋の女将と版画家を演じていた宮沢りえさんが好演でした。
 木室家のお手伝いの女性を演じていたのは誰でしょう?小太りの若い女優さんでしたが。

◆わからなかったこと
 出演者の名前と顔が一致しなかったこと意外にわからなかったこと。

◇木室夫婦には子供がいたのか?
 エミ子は思い出話の中で「初めての悪阻のとき・・」と言っていましたが。

◇エミ子が大事にしていた白い軍服(海軍?)を着た男性は誰だったのか?

◇プロローグとエピローグは満開の桜のシーンでしたが、季節の移ろいがよくわかりませんでした。
 元々のタイトルは「こぶ広場」だったそうで、古木にできた瘤を巡って話が展開するのですが、この木に葉がついていたりいなかったり、街路樹の葉が黄色 だったりと季節がわかりませんでした。

◆初めて知ったこと
◇鉄道司令部(RTO)
 回想シーンで上野駅のホームの壁に「RTO 占領軍鉄道事務室」と書かれていました。
 占領下、GHQの下に鉄道司令部という組織があり日本の鉄道は連合国(アメリカ)にコントロールされていたのです。
 1949(昭和24)年7月、下山貞則国鉄総裁(当時)が失踪、轢断死体で発見された下山事件の他殺説には下山総裁の遺体は進駐軍の専用貨物列車で運ば れたとの言われています。

◇無言館
(戦没画学生慰霊美術館)
 水上勉さんの子息・窪島誠一郎さんが設立された志半ばで戦死した画学生の作品などを展示している美術館だそうです。
 長野県上田市にあるそうです。出かけてみたい町がまた一つ増えました。

◆これから観たい映画
 予告編で紹介されて見たい映画がいくつもありました。
女工哀歌(エレ ジー) (12月20日〜)
 中国のジーンズ製造工場では、山村から出てきた働く若い女性が、1日18時間労働、時給7円で働いています。社会主義中国が市場開放を進めた結果、国民 は一握りの搾取する側と大多数のされる側に二極化しているようです。是非観てみたい映画です。

いのちの作法 (12月27日〜)
 岩手県旧沢内村(現西和賀町)の老人、子ども、障害者、住民の生命を守る行政(生命行政)を記録した映画です。予告編で観た老人、障害者の生き生きとし た笑顔が魅力的でした。

シロタ家の20世紀 (1月10日〜)
 日本国憲法草案に男女平等条項を盛り込むことに尽力したベアテ・シロタ・ゴードンさんでした。ノルマンディーで戦死したもの、アウシュビッツに送られた もの、政治犯として囚われ行方不明となっているものシロタ家の人々を描いたドキュメンタリーです。
 スペインに日本国憲法9条の碑があるそうです。カナリア諸島のテルデ市に96年に建てられたそうです。
 「ス ペインに9条の碑 」(しんぶん赤旗 09/01/15)
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