Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back  Haiku  Home Mail Archives Twitter  Next→

08/12/17 タバコ増税見送り
 先日、タバコ税の引き上げが見送られたとの報道がありま した。
 「たばこ税増税反対事務局」 のキャンペーンの成果でしょうか、何もできない政府はタバコ増税も見送りま した。
 タバコ税の増税を含みタバコの価格はもっと高くてよいと思っています。

◆タバコの価格と喫煙率
 統計データにより、タバコの価格が低い国ほど喫煙率が高いことは証明されています。
 タバコの価格の高い国順に並べその国の喫煙率をプロットします。そして、タバコの価格と喫煙率を対数曲線で見ると因果関係が明らかになります。
 日本のタバコ価格は273円とノルウェー(948円)の三分の一以下、男性の喫煙率は52.8%、女性は13.4%と後進国並みです。

 下図の棒グラフは紙巻タバコ20本当たりの価格(02年)、折線グラフは男性の喫煙率(02年)です。
 それぞれ値を近似対数曲線で表しています。
 
 ※タバコの価格は「社会実情データ 図録」に、喫煙率は厚生労働省の「最新たばこ情報」に拠りました。

◆喫煙による経済的損失
 タバコを製造、販売し喫煙することにより、タバコ農家、製造会社、流通小売業者などの利益と税収と、喫煙による健康被害や労働力の損失を比べてみた場 合、喫煙することによる損失の方がはるかに多きことも各種のデータで証明されています。
 タバコに関わる国の利益はおよそ3兆円、対して損失はおよそ7兆円、差引き4兆円もの損失を生じています。

 喫煙に関する経済比較したデータは色々とありますが、どのデータも喫煙による経済損失は数兆円と推計しています。

 ※「国益.com」に拠りました。

◆日本のタバコは安い
 タバコとコーヒーの価格を比較したデータがありました。(戦後昭和史
 1960(昭和35)年、ハイライトが1箱(20本)70円で売り出された時にコーヒー1杯が60円だったそうです。
 1960年にはほぼ同じ価格だった両者は、33年後の1993(平成5)年には、ハイライトが220円、コーヒーが397円へと大きく水があけられまし た。
 他の物価とも比べてみたいと思います。
 
 ※棒グラフはハイライト(20本)の価格、丸分布はコーヒー1杯の価格。

◆タバコは未来のある?
 タバコ税増税反対を叫んでいた団 体(たばこ税増税反対事務局) は日本たばこ産業とタバコ農家(全国たばこ耕作組合中央会) とタバコ屋さん(全国たばこ販売協同組合連合会)で構成されています。
 国内の葉タバコの生産量は05年(46,828トン)には90年の58%まで少なくなっています。(全国たばこ耕作組合中央会「葉たばこ販売実 績推移」)
 海外からの葉たばこの輸入は国内産以上だとの統計もあります。
 国内生産68,503トン(97年)、国内生産に対する輸入の割合は154.5%だそうです。(厚生労働省「最新たばこ情報」)

 タバコの販売量も年々下降しています。
 タバコ関連の産業に未来があるとは思えません。
 
 ※日本たばこ協会の「たばこ統計情報」 に拠りました。
inserted by FC2 system