09/01/14 夜回り先生
私の母は
1918(大正7)年生まれの90歳になり、耳は少し遠くなりましたが雪のない日には毎日散歩も欠かさず大きな病に得ず兄
夫婦と穏やかに過ごしています。
母は夜回り先生と呼ばれている水谷修さんのファンで、一度は一緒に講演会を聞きにも行きました。また、水谷さんの新刊が出ると買って読んでいます。
私も帰省の折には中日新聞に連載されている「夜回り先生のエッセー」をWebサイトからプリントして持っていっています。
プリントしたものを私が読んで気になった記事を紹介します。
◆識字教室
日本の識字率(15歳以上の人口に占める簡単な読み書き
ができる(識字)人の割合)は、UNESCOの07年の調査によると識字率は99.8%だそうです。
今でも、0.2%の人たちや外国からきた人たちが、ボランティアの人たちによる「識字教室」で勉強をされています。
水谷さんが中学生のころ、教師であったお母さんの活動を手伝って、貧困や差別で字を書くことができない人たちへの「識字教室」の先生をされていたそうで
す。
そんな教室でのエピソードが語られています。
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「先生、これで読めますか」。そして、私に封筒の住所を書いてくれるように頼みました。私が「ひらがなでいいから、自分で書いたら」というと、「先生、
それはだめだよ。息子が、娘が恥ずかしい思いをする。できるだけ立派な字で書いて」。そう答えが返ってきました。私は、とびっきりのきれいな字で書きまし
た。
その年のちょうど今ごろ、秋でした。漢字を少しずつ教えていたとき、1人のおばあちゃんが、突然手をあげました。「先生」。私が「どうしたの」と彼女の
そばに行くと、おばあちゃんは、私の手を握りながら、「先生、字ってすごいよ。命が入ってる。この『母』っていう字を書くと、亡くなった母の思い出がいっ
ぱい出てくる。『山』っていう字を書くと、ふるさとの山が見えてくる。『子』っていう字を書くと、戦争でなくしたあの子のことが」。泣きながら話してくれ
ました。私も、泣きました。
-------------------(引用)
宛名の代筆を頼んだ母親の繊細な気持ちよくわかります。
字や言葉には命があります。私もそう思います。
言葉は大事にしなければなりません。正しく使わなければならないと思います。
アナウンサーも含めてテレビの出演者の無神経な言葉使いには辟易です。
警察発表情報を「今日、○○だったことが分かりました」は、「今日警察が発表した情報によると○○だったそうです」といわねばなりません。
麻生総理大臣の識字能力はかなり怪しいものです。
彼は学習院大学の卒業生だそうですが、大学も他の卒業生も恥ずかしくないのでしょうか?
入学も卒業も彼には別の門があったのでしょうか?
「字には命がある 優しいことば配ろう」(08/11/24)
◆物の価格
同じテレビが10万円と1万円で売っていたら、どちらのテレビを買うか?
1万円のテレビを買うことは誰かを殺している殺人行為ではないかと言われています。
商品の価格は安ければよいとは思っていません。
商品の価格(価値)は、適正な価格で調達した部品と、労働者に適正な賃金を払って作られ、適正な利益によって決められなければなりません。
下請けを泣かし、労働者を低賃金で働かせて作られた「低価格」商品は要りません。
水谷さんの意見と私の考えは少し違います。
同じテレビを10万円で買っても、1万円テレビで買ってもよいと思います。そのテレビは1万円でもしっかり儲かる仕組みになっているです。簡単にモデル
化すると、テレビを100台作り、90台を10万円で売り、残った10台を1万円で売っているようなものだと思います。100台を910万円で売ったこと
になります。
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子どもたち、今私たちの社会は狂っています。多くの人が、少しでも安い商
品を手にしようと、駆け回っています。でも、商品にはそれぞれ正当な価格があります。それより、商品を安く買うということは、それを作っている人の収入を
奪うことになります。ましてや、異常に安い商品には、それを手塩にかけて作った人たちの涙がこもっています。君たちは、誰かを泣かせてまで、そんな商品を
欲しいと思いますか。
-------------------(引用)
私の「なるべく」している買い物心得です。
◇今、必要でないものは買わない
◇国内産、近隣産のものを買う
◇シンプルが一番、不要な機能付きは買わない
◇少々高くても長く使える商品を選ぶ
といいつつも、現在無職で買い物はほとんどしていません。
「商品を買う “正当な価格”がある」(08/12/1)
◆季節の野菜を食べよう
四季のある日本では、季節の野菜を食べることが食育上も、地球環境を守る上でも大事ではないかといわれています。
季節外れの野菜を食べることは、温室の暖房にたくさんの石油を使っています。
外国や遠くの産地の野菜を食べることは、輸送にたくさんの石油を使っています。
有限の化石燃料である石油に頼る生活をやめましょう。
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子どもたち、四季を感じませんか。冬は寒いから冬です。それを受け入れ
る。夏は暑いから夏なのです。子どもたち、特に食生活で、四季をきちんと、こころとからだに刻み込みませんか。その季節に、君たちの地元で取れた野菜を、
ふんだんにきちんと食べること。これが、君たちのこころやからだ、そして私たちの地球を守ります。
-------------------(引用)
「四季失った食物 こころも地球も壊す」(08/12/8)
◆
夜回り先生と政治
自宅付近の街角のあちこちに右のようなポスターが貼られています。
自民党議員と肩を組んで「子供たちの明日のために」と書かれています。
水谷さんの活動と自民党とがなんともなじめないポスターでした。
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