09/02/07
9条が危機なら運動に軸足を置く
「本当に9条が危ないという政治状況になれば軸足を
研究から運動の
方に移す」と話されているのはノーベル物理学賞をされた益川敏英さんです。
すごいですね。ノーベル賞受賞者がはっきりと「軸足を9条を守る運動に移す」と言われています。
益川さんはストックホルムでの受賞講演でも自分の経験した名古屋空襲のことなど戦争体験を話されていたそうです。益川さんの「ノーベル賞の益川教授、平和への思い語る」と題したインタビュー記事が1月31日付の朝日新聞(夕刊)に掲載されていました。引用を中心に紹介します。
1940
年生まれの益川さんは、5歳の時に名古屋空襲にあい、たまたま焼夷弾が不発であったために助かられたそうです。
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「焼夷(しょうい)弾が自宅の瓦屋根を突き破って、地面にごろりと転がる。家財道具を積んだリヤカーに乗せられ、おやじやお袋と逃げまどう。そんな場面
を断片的に覚えている。焼夷弾は不発で、近所でうちだけが焼けなかった。あとから思い返して、発火していれば死んでいたか、大やけどを負っていたと恐怖が
わいた。こんな経験は子や孫に絶対させたくない。戦争体験はぼくの人生の一部であり、講演では自然と言葉が出た」
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「家業の砂糖商を継ぐことを願っていた父に、1回だけの条件で受験を許してもらった。その坂田先生は『素粒子論の研究も平和運動も同じレベルで大事だ』
と語り、反核平和運動に熱心に取り組んでいた。科学そのものは中立でも、物理学の支えなしに核兵器開発ができないように、政治が悪ければ研究成果は人々を
殺傷することに利用される。「科学的な成果は平和に貢献しなければならず、原水爆はあるべきでない」と熱っぽく語られた。私たち学生も全国の科学者に反核
を訴える声明文や手紙を出すお手伝いをした」
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坂田先生は湯川秀樹さんのお弟子さんだそうです。
ベトナム反戦デモに参加したり、市民集会では講師も勤められたそうです。
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「とにかく戦争で殺されるのも殺す側にな
るのも嫌だという思いだった。ぼくのやるべき仕事は物理学や素粒子論の発展で、平和運動の先頭に立って旗振りを
することじゃない。でも研究者であると同時に一市民であり、運動の末席に身を置きたいと考えていた」
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そして、「『九条の会』アピールを広げる・科学者・研究者の会」設立呼びかけ人にもなっておられます。
強い信念を持っておられる人の多くは楽観論者が多いように思います。
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「ぼくは物理屋でいるときは悲観論者だが、人間の歴史については楽観的。人間はとんでもない過ちを犯すが、最後は理性的で100年単位で見れば進歩して
きたと信じている。その原動力は、いま起きている不都合なこと、悪いことをみんなで認識しあうことだ。いまの米国がそう。黒人差別が当然とされてきた国
で、黒人のオバマ大統領が誕生するなんて誰が信じただろう。能天気だと言われるかもしれないが、戦争だってあと200年くらいでなくせる」
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このインタビュー記事はマガジン9条の
「週間つぶ
やき日記」でも紹介されていました。
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どうです、嬉しくなったでしょ?
益川さんは「九条の会」の設立に賛同して、05年3月に「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」が発足したときには、呼びかけ人のおひと
りになったといいます。
意志の固さはそうとうなものです。だって、ノーベル賞という世界最高の学術的名誉を受けた学者が、
「もし9条が危なくなったら、研究を捨てて平和運動をやる」と、はっきり宣言なさっているのですよ。
「研究こそ私の命です」なんてことを言う学者は多いけれど、そんな人たちよりも、「研究よりも平和が大事」と言い切った益川さんの決意のほうが、本物の
学問とは何かを教えてくれているような気がするのです。
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◆キャリーバック
キャリーバックをゴロゴロと引っ張る人たちのマナーの悪さを以前より指摘していましたが、鉄道会社がやっと注意を喚起しだしたようです。
JR東海の京都駅の発車時刻を表示する表示板に「最近、キャリーバッグによる接触事故が発生しております……」と電光文字で案内されていました。
長い引き手を引っ張っていると本人とバックの間に二人ほどの人間が入るくらいの隙間ができます。その間を横切ってひっかる人など予想できないのでしょう
か?また、混んだ車内でディバックを背負ったままの人も迷惑なものです。
注意されないと守れないマナーとは情けないことです。
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