09/05/19
朝日俳壇、歌壇のことなど
18日付けの朝日
新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇蒲公英を摘む蒲公英のやうなひと(奈良市・杉田奈穂:大串章選)
蒲公英のような人とはどんな人でしょう?
作者は朝日歌壇でも入選されていた記憶があります。俳句と短歌、両刀使いの方もおられるのですね。
◇結局はけふも牡丹剪らざりし(大阪市・塙告冬:稲畑汀子選)
立派に咲いた牡丹を家に生けようと切り取ろうと思ったが今朝も切れなかった。
花を生けるセンスはありませんが、花好きの人の気持ちも分からなくはありません。
選者は牡丹を「花の王」と書かれています。
◇真夜の月眠るさくらを起こしけり(東京都・長谷川弥生:稲畑汀子選)
真夜中に月がねむっている桜を起こしている図、人や自然に対する月の影響は不思議なものです。母も種を蒔くのは満月とか新月とか言っていたのを思い出し
ます。
土肥あき子さんが新・増殖する俳句歳時記で、ある句(蝉の羽化はじまつてゐる月夜かな:大野崇文)の評の中で「タクシードライ
バーが持つ安全手帳には、満月の夜に注意することとして『不慮の事故』『怪我』『お
産』と書かれていると聞いたことがある。」と書かれていました。
◇なにもかも朧なるまま暮れてゆく(盛岡市・浅利清香:稲畑汀子選)
「なにもかも」そうですね。春の気候は何もかも朧のままにしておいてくれます。
はっきりさせたいことも朧なるまま、しっかりしなければ。
◆朝日歌壇
◇週二回時給八百円でも楽し子等より早く家を出る四月(横浜市・井上邦子:佐佐木幸綱選)
働くことは歓び、身体を動かすこと、社会と関わっていること、社会に(僅かでも)貢献できていること、そして自分の稼ぎで「食う」こと。
週二日でも八百円でも、子供より早い出勤であったも「楽し」いことです。
私も来週から、仕事に復帰しようと思っています。八百円でも、力仕事でも。
◇火葬炉の鉄の扉を突き破り内から出てくる頑固父親(おやじ)の幻想(狭山市・黒後輝夫:佐佐木幸綱選)
「頑固父親」を「おやじ」と読ませるって少し無理があるように思いました。
目で「頑固親父」を想像させ、耳で「おやじ」を思わせるテクニックでしょうか?
◇蜜蜂のいない桃畑、人の手で受粉せらるる花のゆううつ(福島市・美原凍子:高野公彦選)
人の手で受粉なんてうざったいこと、人工授粉なんてね、と花の憂鬱。
イチゴ農家は、受粉のために蜜蜂を買ってハウスの中に放していると聞いたことがありま
す。
蜜蜂不足は何が原因なのでしょう。
◇いまは未だ他人事のように聞いている介護疲れの自死のニュースを(高松市・桑内繭:永田和宏選)
この歌を他人事のようには読めません。
介護される側になることは間違いない身では、介護してくれる人のことを考えます。介護される側の自死も。
◇古巣へとむかう車窓にみえてきたなじみの地酒の野立看板(海老名市・玉川伴雄:永田和宏選)
古巣とは故郷でしょうか?
車窓は自動車の、列車の窓でしょうか?
故郷から取り寄せている?地酒の看板が見えてきた、故郷はもうすぐ郷愁が募ります。
◇新しき公園に子ら遊びだし新しき町は呼吸しだせり(沼津市・森田小夜子選)
近くに宅地造成の現場があります。宅地の区画は8分とおりの完成度ですが、小さな公園は既に出来上がっています。
先に公園を完成させて客に見せるという販売戦略でしょうか?
2軒。3軒と家が建てば子どもが遊びだし町として呼吸を始めることでしょう。
◇午後九時のデパート店員レジ台で古びた雛のやうにほほゑむ(東京都・嶋田恵一:馬場あき子選)
いつからこの国の百貨店は休みがなくなり、夜遅く営業するようになったのでしょう。
「古びた雛のような微笑み」を想像して、ニヤッとしてみたり、憂鬱になったり複雑な気持ちです。
◆
松本清張ドラマ
松本清張さん原作が盛んにドラマ化されています。
古くから清張さんを読み漁ったものには、若い配役のドラマは見る気が起こりません。
「マガジン9条」
に鈴木邦男さんがコラム(鈴木邦男の愛国問答)で「駅路」を取り上げておられました。
久しぶりに読み返してみようかなと思いました。
◆騒ぎ過ぎ
新型インフルエンザ騒動から、桝添厚生労働相が千載一遇のチャンスとばかりに張り切っています。
年金問題はどうなっているのでしょう。
私の住む地域では幼稚園、小学校、中学校、高等学校が1週間休みとなっています。子どもは外にも出してもらえず可愛そうなことです。
騒ぎ過ぎのように感じます。
◆新聞は半分以上広告
18日付け朝日新聞・朝刊の広告量は全32ページ中、全面広告12ページ、その他広告ざっと5ページ合わせて17ページでした。
53%超が広告です。多いと思いますか、少ないと思いますか?
また、最近、全面広告が多いと思います。
|
|