09/06/12
馬鹿馬鹿しい世襲論議
自民党の国会議員の凡そ40%が世襲議員、民主党では凡そ10%が世襲議員だそうです。
麻生内閣では現閣僚17人中14人が世襲議員です。80%強が世襲です。
世襲の国会議員の中で、より選ばれた議員がお大臣になっている漫画的な面白い図です。世襲の「純度」が益々高くなっています。
右の表は麻生内閣の現閣僚の世襲/非世襲の表です。改めて見るとあきれます。「家業は政治屋」というような人ばかりが内閣を構成しているのです。
※鳩山総務相が辞任しましたので最新ではありません。
自民党と民主党は国会議員の世襲を制限するなどいうことを、選挙向けに議論しているよう
です。
私にはそのような議論は馬鹿馬鹿しいもののようにみえます。
政治家を世襲するというのは、政治家の家族に政治家になりやすい環境があるからではないでしょうか?
政治家 → 儲かる → 教育に投資できる → 子どもが高学歴 → 世襲政治家
こんなに単純ではないでしょうが、富の連鎖が世襲を生んでいるのではないでしょうか?
偏った富の連鎖を断ち切らない限り「職業選択の自由」などと唱えて世襲するための抜け道を作って世襲政治家になるでしょう。
日本の富の分配の不公平は年々拡大しています。
所得分配の不公平さを表すジニ係数の経年変化が表しています。(Wikipediaのジニ係数をご覧ください)
※ジニ係数は1が格差のない平等な状態です。
格差のない社会を実現することこそが政治のやるべきことです。格差を拡大する諸費税の増税などもっての外です。
政治家を含め富が平等に分配される世の中になれば、世襲など云々するまでもないことになるでしょう。
小手先の「制限」などチャンチャラおかしいことです。
■補足
選挙目当てで世襲を制限しようとする動きに、「職業選択の自由の制限だ」「憲法違反だ」という主張をする世襲議員がいます。
そんな憲法の問題に伊藤真さんが、「実在する多様な民意を忠実に国会に反映させるために世襲制限をすることは、憲法の精神にむしろ合致するといえるので
す。」と明快に解説されています。
マガジン9条の「教えて塾長」とい
う連載に「国会議
員の世襲制限について」とQ&A形式で解説されていますのでご覧ください。
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おざなりな「謝罪」
足利事件について最高検のナンバー2が「謝罪」したのに続いて栃木県警の石川正一郎本部
長は次のような「謝罪」コメントを出しました。
「真犯人とは思われない
方が、長期間にわたり刑に服されることとなったことについて、誠に遺憾であり、申し訳ない」
自らが記者会見等で謝罪するのではなく、高
田健治刑事部長にコメントを代読させたとのこと。
栃木県警・足利署は任意同行で連れて行った逮捕前の男性に「髪の毛を引っ張ったり、足をけられたり。『白状しろ、早くしゃべって楽になれ』」(6月4
日、会見での本人の証言)と自白を強要しました。こんな行為は取り調べの可視化以前に特別公務員暴行凌辱の罪に問われるべき行為です。
今日(12日)になって、佐藤勉国家公安委員長も「私も同様に大変遺憾に思う。厳粛に重く受け止めており、大変申し訳ないことと考えている」「このよう
な事案をしっかりと検証し、二度と起こらないようにしなければいけないと考えており、警察を指導してまいりたい」と「謝罪」した。
最高検の「謝罪」に右に倣えの文言です。社会的な対面が何よりも大事な人たちのわかり易い行動パターンでした。
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