09/07/20
朝日俳壇、歌壇のことなど
◆「ツアー登山」遭
難
北海道・大雪山系
のトムラウシ山で「ガイド付ツアー登山」の客らが遭難した事故は痛ましいことです。
高校生のころ山登りに熱中していて、山の仲間を遭難で亡くしたこともあります。登山の楽しさも厳しさも少しは分かっているつもりです。
「ツアー登山」というものは、ヒマラヤなどのトレッキングだけかと思っていたら国内の登山にもあることに驚きました。
金儲けのために企画・販売する人、自分たちだけでは行けないところに行きたい人、需給がマッチングして存在するのでしょう。
私の感覚では、知らない人と一緒に登山することに違和感があります。登山は信頼できる仲間とするか、すべてが自己責任となる単独行かしか考えられませ
ん。
15人の客に3人のガイドが付いていたそうです。
ガイドの数や同行したガイドがどのような資質を持っていたのか明らかにされていませんが、悪く考えれば「山好きの添乗員」でなかったのでしょうか?
報道されていると、パーティのメンバーが散り散りになってルート上に置いてけぼりされて亡くなっているような遭難の状況はとても「プロ」のガイドとは思
え
ません。
旅行社にも、参加者にも割り切れない思いが残った事故でした。
◆小選挙区制、誰が得を
自民党の騒動で、反執行部の議員が離党できないのは小選挙区制のためだと発言が自民党の中にも出ているそうです。
1970年代、田中角栄内閣の企んだ小選挙区制を「カクマンダー」と呼んで、社会党右派系であった私の所属する労働組合も反対運動をしていました。社会
的にも大きな運動として盛り上がっていました。
それが1994年、非自民、非共産の細川護熙内閣によって自民党も出来なかった小選挙区制が導入されてしまいました。
誰が得をしたのでしょうか?
※細川内閣与党:日本新党、日本社会党、新生党、公明党、新党さきがけ、
民社党、社会民主連合、民主改革連合
政権交代のドサクサに、慣れぬ政権運用のドサクサに、自民党政権の出来なかった「改憲」などあれよあれよという間に起こらないように監視せねばなりませ
ん。
◆民主党と公明党
今日の朝日新聞に小沢一郎・民主党代表代行の動向についての記事がありました。
小沢氏の出身選挙区は岩手4区なのですが、自公潰しのために公明党の太田代表の出身選挙区・東京12区から出馬するとの俗に「国替え」をするかどうかの
最終判断をしたとのニュースです。
東京12区から出ない理由を、@公明党との連携の可能性、A岩手4区に元秘書が自民党から出馬するからと書かれています。
「小沢氏、『国替え』見送り岩手4区から出馬へ」(朝日新聞 09/07/20)
前回の「残日録」で公明党が民主党の候補者
を支援する動きがあるとの報道を紹介しましたが朝日新聞の報道で、二股膏薬、権力擦り寄り、無節操な公明党の実態をさらけ出しています。
ついでに、民主党の無節操も指摘しておきます。
毎週、難しい句や歌ばかりが入選しています。
読んで「なるほど!」と共感、同感できるものと、「こういう表現もあるのか!」と脱帽するもの。難
しいものとは、前記以外のもの。何のことはない、私のような未熟な読者にも分かりやすいものがいいですね。
◆朝日俳壇
◇入道雲ただ酔いの僕父のしわ(神戸市・豊原清明:金子兜太選)
私の能力では、深い意味は読めません。選者は次のように評されていますが、評を読んでもよくわかりません。「中七は『た
だ』ではっきり切って読む。自嘲などと評しただけでは済まされない心奥。」
でも、なんか良いですね。「僕」との一人称は作者は若い方でしょうか?
◇身は老いて淋しくて雨儀宝珠咲く(座間市・岩永ふみ:金子兜太選)
老いることについて考えることが多くなってきました。
「身は老いて淋しくて雨」のフレーズがなんとも言えません。このフレーズだけでも句になるような。
儀宝珠(ぎぼうし)は日陰に咲く淋しい花、自分の淋しさを投影しているような花です。
こんな句が読めたらよいですね。
◇舟虫のごとき人間増えし世に(川崎市・池田功:金子兜太選)
海辺の湿っぽいところにいる舟虫でしょうか?あのゲジゲジのような周りから嫌われる人間が増えたという句でしょうか?
「舟虫のごとき人間」が十分に理解できません。
◇人徳の少しあるらし心天(東海市・後藤洋一:金子兜太選)
分からないのに一読で惹かれました。
心太(心天とも書くそうな)のわずかに残る弾力?硬さ?に人徳を感じられたのでしょうか?
◇黒枠の写真に今日の暑さ云ふ(岡山市・大本武千代:大串章選)
暑い日の告別式に参列し遺影に語り掛けているのでしょうか?
暑いに外出し汗を拭きつつ帰宅し、仏間の遺影に「今日は暑かったわ」と語りかけているのでしょうか?
語りかける相手は誰なのでしょう、、、読むものが色々と想像できる良い句です。
◆朝日歌壇
◇笑わない候補者だけがまっとうな人間らしく見えるポスター(東京都・福田豊:永田和宏選)
保守も革新も、政権党も野党も、金持党も労働者党も宗教党も、にやけた顔が鬱陶しいことです。
暑い日に、蝉だけでも喧しいのに公示前から街宣車のスピーカーは騒音を撒き散らしています。
笑顔のポスター、街宣車による連呼、、みんなと同じことをしないと不安なのでしょうか?
個性のないことです。当選しても個性的、独自的な行動は望めそうもありません。
◇逆上がり出来て一つの坂を越え逆さなる世を幼児は知る(高崎市・門倉まさる:佐佐木幸綱選)
逆上がりの出来る前と出来た後は一つの区切りであるような。
初めて逆上がりのできた、すうっと身体が回転するような感覚を50年後も覚えています。
初めて自転車に乗れたときの感覚も同じように覚えています。もう逆上がりは出来ませんが自転車は未だに乗ることができます。身体の細胞のひとつひとつが
覚えているのでしょうね。
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