09/08/05 小選挙区制
昨日の「一票の理
由」で、「小選挙区制は二大政党以外の選択肢がないから、衆議院は完全比例代表制にしたら」という意見を紹介しました。
小選挙区制ほど有権者の意思を正しく反映しない選挙制度が存在しているのでしょう。
◆38%の得票で61%の議席
前回の総選挙(05年9月)の比例代表の政党別得票、得票率と小選挙区+比例代表の当選
者数は右表のとおりです。
自民党は38%の得票率で296(61%強)の議席を獲得しています。
小選挙区での無所属の候補の当選者は野田聖子などの郵政造反組で後に自民党に復党していますから、もっと不公平な議席配分となります。
※得票数は総務省の「平成17年9月11日執行 衆議院議員総選
挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調」によりました。
◆比例代表制
衆議院の選挙制度は、小選挙区制(300議席)と比例代表(180)を併用していても、これだけのアンバランスが生じています。民主党はこの比例代表分
を80減にしようとしています。
比例代表制で議席配分の不公平感をごまかしているのに、自分たちが勝ちそ
うだから土俵を自分たちに都合のよいように変えるなどという民主党は自民党と変わらないということの証でしょう。
◆完全比例代表制
先の総選挙の比例代表の党派別得票で480の議席を案分した当選者数の試算は右表の青い棒グラフのようになります。(赤は現選挙制度で掠め取られた議席
数)
自民党と公明党をあわせても247議席、この議席数では三分の一(320議席)には程遠く、参議院で否決された法案を衆議院で再可決して成立させるなど
の与党の暴挙はできなかったことになります。
テロ特措法の延長や海賊法など17法案がこの選挙制度のおかげで参議院で否決されたにも拘らず成立しています。
自民党が4年間も解散しなかった理由の一つです。
選挙制度を完全比例代表でなくても中選挙区制に戻すべきだし、そんな議論がおこることを期待しています。
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