09/08/24
朝日俳壇、歌壇より
24日付け朝日新
聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇語部に老い迫り来し原爆忌(鎌倉市・片岡苗子:金子兜太選)
原爆で多くの人が殺されてから64年、地獄を経験された人は70歳以上、先日お話をお聞きした梶本淑子さんは高等女学校の生徒であった時に被爆されてい
て現在78歳だそうです。老いと被爆による病気とで被爆体験を語ってくださる方も少なくなっているとのことでした。
◇広島忌古き市電の床匂ふ(広島市・佐保光俊:金子兜太選)
今年の8月6日にも元京都市電として走っていた広島電鉄の車両に乗りまし
た。
排気ガスも出ない、使いまわして使う、こういうのをエコといってほしいものです。
◇一本の鉛筆削る敗戦忌(さくら市・村上恒子:大串章選)
35年前に広島平和音楽祭で美空ひばりさんが歌った歌が「一本の鉛筆」です。
♪ 一本の鉛筆があれば 私はあなたへの 愛を書く
♪ 一本の鉛筆があれば 戦争はいやだと 私は書く
今はいろんな方が歌い継がれています。私はクミコさんの歌をよく聴いています。
◇片陰のなき大橋を風と行く(福山市・広川良子:稲畑汀子選)
映画「マジソン郡の橋」のよう
に屋根付の橋でない限り橋の上には日陰がありません。
その橋を風を感じながら渡って行かれる光景、海を渡る橋でしょうか?川を渡る橋でしょうか?
◆朝日歌壇
◇駐在所に赤ちやん生まれ老人多きこの街なごみ来につる(多摩市・手塚主馬:馬場あき子選)
村も町も、農協も合併し、郵便局も減らされ、田舎で働く場所は極端に少なくなっています。若い人は駐在さんの家族だけのような街で駐在さん夫婦に赤ちゃ
んが生まれた。「なごみ来につる」ことでありましょう。
◇普段には撞くことのなき刻限に寺の鐘撞く八月六日(三原市・岡田独甫:佐佐木幸綱選)
◇式典で「平和の鐘」の撞かるると同じ時刻に釣鐘を撞く(三原市・岡田独甫:高野公彦選)
同じ方の入選歌です。
広島県三原市では原爆忌に寺院も釣鐘を撞くのですね。良いことではないでしょうか。
多くの市町で敗戦の日の正午にサイレンを吹奏していますが、ヒロシマ、ナガサキの日にも、この日を忘れないために全国で鐘を鳴らすようになればいいです
ね。
◇わが名前「平田」の「平」はトンボの字風に吹かれて青田を帰る(山口市・平田敬子:佐佐木幸綱選)
名前に「平」のある人は、皆さん「平」は「トンボの字」と思われているのでしょうか?初めて聞きましたが、そういえば確かにそのとおりですね。
風に吹かれて帰るのは、私でしょうか?トンボでしょうか?
◇聞き流すことの上手な家人いて荒れず淀まず日々が流れる(行橋市・木村葉子:永田和宏選)
こういうお家に憧れます。
我が家とは大違い、我が家では人の話の小さいことを聞き咎めてことを荒立てる傾向があります。
ひとえに私の性格の故でしょう。今は子どもも嫁して静かな家です。
◇ロシア兵に手綱渡してわが馬と別れし斉斉哈爾(チチハル)武装解除に(春日市・岡林勝芳:永田和宏選)
この方は軍人、ロシア軍に武装解除されその後はどうされたのでしょう。シベリアに抑留された方が多かったと聞きます。
抑留生活の序章でしょうか?
広島の語り部・梶本淑子さんの話によると、軍都広島には軍馬もたくさん飼われていたそうです。その馬も原爆の犠牲になっ
て川の中を人と一緒に死体となって流されていったそうです。
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