09/09/15
朝日俳壇、歌壇より
夕食時にウィス
キーか焼酎のロックを2、3杯を飲み、インターネットラジオ(OTTAVA:オッターヴァ)を聞いているうちに眠りに就くという幸せな?暮らしです。21時か22時ころに
眠り、夜半に起きだして幾つかのWebサイトやブログやメールチェックしたり、
「17音の短詩」を
書いた
り、このサイトを更新したりパソコンで遊んでいると、朝方に睡魔に襲われて再び眠るというような不規則な生活をしています。夏
の疲れが中々取れません。
今日あたり、酒を飲みに出かけて気分直しをしましょう。
昨日は、反戦川柳作家・鶴彬の忌日でした。
鶴彬は1937(昭和12)年12月3日治安維持法違反容疑で特高警察に検挙され野方署に留置され、署内で赤痢に罹かり豊多摩病院で翌38年9月14
日、29歳の若さで死去。自らの節を曲げなかったために赤痢に罹っても釈放されることもなかった。
国に殺されたと言っても良いのではないかと思っています。古本屋で買った「鶴彬全集(たいま
つ社刊)」も未だ読了できていません。
鶴彬の生誕100年事業として作られたドキュメンタリー映画「鶴彬−こころの軌跡−」を見たいと思っていましたが、大阪十三の第七藝術劇場で10月
24日から公開されることが決まったそうです。
空家がありあまるといふのにペンチペンチの野宿 鶴彬
昨日(14日)の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇古きこと程よく忘れ夜長し(川崎市・渡辺玄舟:稲畑汀子選)
私は最近のことから忘れていくような気がします。
「程よくわすれ」がいいですね。
◇秋扇閉ぢて言はねばならぬこと(大牟田市・介弘浩司:稲畑汀子選)
「言わねばならぬこと」とは何でしょうか?気になります。
◇鬼やんま目前にきて上昇す(ひたちなか市・永田昇:金子兜太選)
先日、北アルプス奥穂高でヘリコプターの事故がありましたが、トンボの飛び方を見ていると空中で停まったり、水平飛行よ
り垂直飛行へ難なく移行するなどヘリコプターを連想します。
動物の動きを真似て製品を開発する手法があると聞いたことがあります。ヘリコプターがトンボがモデル?
◇先生の髪の短き休暇明け(大阪市・竹内宗一郎:長谷川櫂選)
夏休み明けでしょうか、休暇中に裾を短く散髪して出勤した先生の気持ち改まる決意のようなものを感じました。私は男の先生と感じましたが、女性の場合な
らもう少し複雑な意味合いも出てきそうですね。
◇天高し遠出の鞄軽くせり(熊本市・永野由美子:大串章選)
秋の旅はいいですね。
私の旅鞄はいつも軽めです。行きたいところばかりです。後は少しのお金があれば良いだけ。
◆朝日歌壇
◇医師の手に身はゆだねつつ見つめゐき白衣の中のネクタイピンク(横浜市・笠松一恵:永田和宏選)
医師の白衣の下のネクタイの色を見つめている、女性ならではですね。下衆な私などは看護士のペデキュアなどに目がいってしまいます。
◇大方は立ち読みだけの客なれど下校の生徒どっと入りくる(長野県・沓掛喜久男:永田和宏選)
詠み人の経営される本屋に行ってみたいですね。
「どっと入りくる」生徒に万引きを警戒するようなこともなく見る目が優しくあたたかい。
◇サラリーマンの昼食シーンはいつも蕎麦キリギリスには胡瓜って感じ(和泉市・長尾幹也:馬場あき子選)
この「蕎麦」は立ち食いでしょうか?どんな風景でしょうか?
私も蕎麦好きで3食蕎麦でも良いほうですが、ざる一枚が800円とか1000円とか蕎麦屋のボッタクリの値段には毎日はいけません。
◇わが村の美田を潰す減反に悲しく残る開田の碑が(岩手県・佐々木正躬:馬場あき子選)
水田は食も国土も守る大切なもの。
減反は国滅ぼす愚策です。荒れた田の中に先人が苦労して開田した石碑が残る悲しい風景です。
◇わが畑のすでに荒れ地となりたるを猪は山より下りて穴掘る(群馬県・眞庭義夫:佐佐木幸綱選)
人手がないからか、既に荒れ地となった畑に猪は食べ物を探しにくる。
昔に栽培されていた野菜の根っこでも漁っているのでしょうか?
◇かつてそこに自販機ありて夏の日は一畳ほどの影をつくりき(仙台市・千賀啓市:佐佐木幸綱選)
自販機が撤去される場所とはどういうところでしょう?山の中の小さな空き地にも飲み物の自販機が置いてありますが。
次の歌のような限界集落でしょうか?いやいやタバコの自販機かも、タスポの導入で自販機の改造費用を負担できないタバコ屋の自販機は撤去されることもな
く放置されてままになっています。
◇谺して候補の連呼ほしいまま 放置田草生(む)す限界集落(茨城県・渡辺劼:高野公彦選)
限界集落まで候補者が乗った選挙カーが来るとは「立派」な候補者です。
マスコミを始め世間が選挙、選挙と騒いでいても山間部の集落まで選挙カーは中々登って来ないと聞いたことがあります。
◆山崎方代
同じ紙面に「うたをよむ」という囲み記事に「あなたの隣人 山崎方代」と題した田澤拓也さんの山崎方代(やまざき・ほうだい)さんという歌人のことにつ
いて書いた記事がありました。
「方代は『放浪』や『孤高』の歌人ではない。気づくといつも私やあなたのそばにいる『無用の達人』なのだと私は思う。」(引用)
方代さんの歌をひとつ紹介します。
◇わたしの六十年の年月を撫でまわしたが何もなかった
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