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09/10/26 朝日俳壇、歌壇より

  神奈川県、静岡県選挙区の参議院議員補欠選挙で民主党候補が当選しました。
 自民党の凋落に歯止めがかからないようです。自民党候補の得票は当選した民主党候補の7割程度の得票しかありませんでした。
 投票率も35.64%(静岡)、28.67%(神奈川)と低く、総裁が「無党派層は寝ていてくれればいい」というほど低投票率は自民党に有利といわれて いたのにこの結果です。
 鳩山首相の所信表明演説を聞いている自民党議員の冴えない表情が凋落の自民党を如実に現しているように思いました。

  さて、26日付の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
 相変わらずというか、読み手の力量がないからか、読み手に感性がないからか共感する句が少ない俳壇でした。

◇山頭火ただ歩くのみ仕事なし(長崎市・松尾信太郎:金子兜太選)
 山頭火は歩くことが行、生業であったような人。10月11日は山頭火の忌日でした。
 選者は「放浪者には仕事は無縁だが、定住の自分はそうはいかない。辛い。」と評されています。

◇満月や瞼無きとはかのやうな(野洲市・鈴木幸江:金子兜太選)
 満月を瞼のない目のようにみるということを初めて知りました。「大きく見開かれた瞼のない眼の不気味な美」と兜太さんは評されています。満月は不気味な 感じがするものです。

◆朝日歌壇
◇青潮の播磨灘ゆく船見せてわが立つ山に萩みだれ咲く(相生市・後藤政基:佐佐木幸綱選)
 兵庫県旧三津町の通称七曲(R250)を相生に向かって走る
高台のコースは、播磨灘がき れいに見渡せて好きなサイクリングコースの一つです。
 詠まれた景色が眼に浮かびます。

◇デイサービスでトランプしつつ息絶えた友をみんなが羨ましがる(福岡県・北代充明:高野公彦選)
 「ころり往生」を望んでいた山頭火も長患いなく死にいたりました。歌のようにコロリ往生がしたいものです。

◇「善意」ある古着の寄付がアフリカの繊維産業を苦しめており(名古屋市・諏訪兼位:高野公彦選)
 自然災害があると衣類を送ることが恒例化しているような、送られた被災地では処分に困っていると聞いたことがあります。送った人は自己満足しているので しょうが。
 まして、国内の産業を圧迫しているとなると別の問題です。世の中には独りよがりの「善意」が溢れています。

◇とりどりの裂(き)れ結ばれし有刺鉄線張られおりたりキャンプ・シュワブ(あわら市・北條顯英:永田和宏選)
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「ずいぶん長い間我慢してきたけど、おたくのファミリーが立てる騒音や乗り物の危険や犯罪は、もはや我慢の限界です。それに、土地代だって家賃だって、お たくが自腹で払っているわけじゃないでしょ。もう出て行ってくださいよ。自分のところには広い土地もあるし、近くに島だって持っているじゃないですか。ケ ンカ相手だと警戒していたCさんやRさんも、いまではすっかりあなたと仲良しです。もう、ここで見張りをしている必要もないでしょ。ここに居座る理由はも うないはずです。おたくにウチが大借金でもしているならともかく、おたくの債権を買っておたくの赤字家計を援けてあげているのはウチじゃないですか。その わりには、おたくの態度、デカ過ぎやしません? 自分ちの事情ばかりじゃなく、少しはこちらの迷惑も考えてくださいよ」
---------------------(マガジン9条より)

 何様のつもりできれいな砂浜を引き裂いているのでしょうか?
 軍事同盟(日米安保)を破棄しなければ基本的な解決はありません。

◇叔父眠る読谷村の洞窟は米軍用地となりて遥けし(船橋市・佐々木美彌子:永田和宏選)
 沖縄のアメリカ軍基地を詠んだ歌が続きます。
 ガマといわれる洞窟がアメリカ軍のために差し出されているのですね。多くの沖縄の人を殺したアメリカ軍が血の染み込んだ恨みの土地に居座っているのです ね。

◇人生はやはり勝たねば駄目なのか首相の眼ぢから日毎に強し(枚方市・福永康子:永田和宏選)
 鳩山首相の表情は野党の時とずいぶん変わってきました。自信でしょうか?
 「人生はやはり勝たねば」とは悲しいですね。

◇解雇ののちに離婚されにし同僚の髪まっしろに山羊のごと老ゆ(和泉市・長尾幹也:馬場あき子選)
 「勝てなかった」人を詠んだ哀しい歌です。
 解雇、病気、離婚、自殺、、、と負の連鎖の言葉が次々と思い浮かびます。「勝てなかった」人に日が当たる政治をしてほしい。

◇癌告知され母はゆっくり頷きぬ十月二日雨の降る午後(横浜市・滝妙子:馬場あき子選)

 私なら癌を告知されて平静でいられる自信がありません。見苦しくうろたえてしまうことでしょう。

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