09/11/30
朝日俳壇、歌壇より
酒量の増えるこの
頃です。酒に対する依存度が増すばかりで酒は抜けそうにありません。
先日、天王山の山
道を散歩をしていたらエンジン付の送風機(ブロワ)で山道の落ち葉を谷側に吹き飛ばして掃除している人がいました。土木作業などで竣工現場の写真を撮るた
めの黒板がありましたので自治体が業者に委託しているのでしょうか?山道には山道の風情というものがあります。無
粋なことをするものです。
少し腹を立てながら歩いていたら手塚英孝さんの「落葉をまく庭」を思い出しました。
確か、年老いた父か母が皇居の勤労奉仕団として上京し皇居の庭を掃除するのですが、掃除の仕上げに落葉を撒きなおすという話だったような、プロレタリア
作家の手塚英孝さんの作品ですから天皇制を批判的に書かれていたのでしょうが。
皇居の奉仕作業など遠い昔の話かと思っていましたが今でもあるようです。http://www.kunaicho.go.jp/event/kinrohoshi.html
昔、私が働いていた会社が架空取引を繰り返して粉飾決算をしていました。いろいろとあってその会社を辞めたのですが、その後社長らが逮捕されていました
が社長への証券取引法(現・金融商品取引法)違反罪の判決がでました。
社長が架空取引を主体的に指示していたことが立証できず懲役4年、罰金1000万円の求刑に対し懲
役3年、執行猶予5年、罰金800万円だったそうです。
誰が指示もされないのに実体のない売り上げを繰り返すでしょうか?社長は何回かに分けて株を売った金を手に入れていたはずです。それがたった800万円
の罰金で済むならやったものがちです。
大阪地検と裁判所に失望しました。
朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇人の世の居場所は狭し日向ぼこ(三鷹市・川原瀞秋:大串章選)
私は世間を狭く生きていますか居場所の狭いのですが、選者は「だからといって立ち去るわけにはいかない。いかに広くするかが生きがいというもの」と言わ
れています。
私は、人それぞれに居場所のサイズがあるように思いますが。
◇熱燗や正論ときに誤解生み(東京都・吉田柳哲:大串章選)
酒を飲んでの議論もほどほどにしなければなりません。飲むにつれ酔うにつれ自分は正しいと思い込みがちです。そして正論がいつも多数派になるとは限りま
せん。
◇大嫌いな太宰治よ冬来る(千葉市・愛川弘文:金子兜太選)
私も太宰はキライ。嫌いな人を詠む俳句もあるのですね。
◆朝日歌壇
◇生き死にを人間たちに握らると辺野古(へのこ)の沖の儒艮(じゅごん)は知らず(嘉麻市・野見山弘子:高野公彦選)
確かにジュゴンの生殺与奪の権は人間どもが握っています。アメリカ政府と日本政府が。
◇軒並みに電飾せよとお触れあり今や街とは呼べぬ通りに(長野県・沓掛喜久男:高野公彦選)
都会も地方都市も、大型ショッピングセンタも商店街も、個人のお宅まで電飾花盛りです。いかに省電力の電球を使っているとはいえ電気代も馬鹿にならない
でしょう。
温暖化ガスの25%削減などできるのでしょうか?テレビの深夜放送もやめたらどうでしょう?
◇蘇陽峡(そようきょう)歩いたあとは山菜のランチバイキングだご汁煮しめ(熊本市・徳丸征子:高野公彦選)
蘇陽峡とは高千穂渓谷の上流にある景勝地だそうです。山菜バイキングとはどんなものなのでしょう?だご汁に煮しめ美味しそうです。句や歌を読んで旅した
い土地がまた増えました。
◇風邪のわれ気づかう母のそばにいて電話に出ない父というもの(相模原市・岩元秀人:永田和宏選)
父とはそういうものですね。わが父もそうでした。父を詠んだ歌がもう一首入選していました。
◇自覚なき僕は自分を「パパ」と言い子らは大きな「父」を求めたり(三田市・森本耕史:馬場あき子選)
こちらは若い父の歌です。大きな父を求める子ら、幸せそうな父です。
◇タキソールまどろみながら落としつつしあわせばかり思い出される(横浜市・溝上朝美:永田和宏選)
タキソールは天然由来の抗ガン剤だそうです。点滴に混ぜて身体にいれるのでしょうか?点滴の落ちるのを見て幸せだったことばかり思い出すとは幸せな人生
を生きてこられたのでしょう?私などは裏切られたことなどネガティブなことばかりが走馬灯のように駆け巡ります。
◇染めるのを辞めただけです有難う肩たたかれて席ゆずられる(横浜市・宮本真基子:馬場あき子選)
白髪を見て席を譲られたとのこと。「そんな年寄りでもありません」との心意気でしょうか?
◇居酒屋のあるじ描ける壁の絵が鯥(むつ)にかわりて燗酒よろし(ひたちなか市・篠原克彦:馬場あき子、佐佐木幸綱選)
私の行く居酒屋にははがき大の紙に季節の絵と句が添えられたものが小さな額に飾られています。飾られた絵が季節ごとに変
えられるような居酒屋の肴は期待できそうです。
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