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09/12/01 ビラ配りが罪になる?!

 昨夜、ニッポン放 送の「オールナイトニッポンGOLD」を聞いていました。
 出演者は吉田拓郎さんと坂崎幸之助さんでした。その中で吉田拓郎さんが言っていた自分の体験談を話されていました。気になったので紹介します。

 数年前、九州での仕事の打ち上げ後、もう一杯と入った店で店主に「あんた吉田拓郎さんだろ、俺あんた嫌いなんだ」と言われたそうです。気まずく「じゃ あ、一杯だけ」と一杯だけとなったそうです。
 拓郎さんは自分がみんなから好かれていると思っていたそうでショックだったそうです。それ以来人ごみに出るのが怖いとも言われていました。

 芸能人が不祥事を起こしたり問題行動をとる度に彼らが間違った選民意識をもっているのではないかと思っていました。自分を熱狂的に支持してくれる人たち もいるが、自分のことを積極的に嫌う人たちのいることに気がつきそのことを話されている吉田拓郎さんに好感を持ちました。

  共産党の区議団便りなどのビラをマンションのドアポストに配ったこと男性が住居侵入の罪に問われた事件では一審で無罪、二審の東京高裁で逆転有罪、被告側 が上告してしていましたが、最高裁は上告を棄却し有罪が確定しました。

 最高裁判所は憲法の番人と言われています。(憲法に保障された)
「表現の自由の行使のためでも、マンションの管理組合の 意思に反して立ち入ることは、生活の平穏を侵害する」ことが罪になる根拠だそうです。ビラ配りを罪に問うことは憲法違反にはあたらないというのが最高裁の 憲法観です。ビラ配布 有罪確定へ 『表現の自由に限度』」(毎日新聞 09/11/30)

 各紙の社説はこの判決をどうとらえているのでしょうか。Webで検索してみましたが全国紙1紙、地方紙3紙だけが取り上げていました。

◆朝日新聞「ビラ配り有罪―合点いかぬ最高裁判決」(09/12/01)
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 宅配ピザなど、商用チラシの同じような配布は珍しくない。判決は政治ビラに的を絞った強引な摘発を追認したといわれても仕方がない。
 表現の自由は政治的立場の違いを超えて、民主主義の根幹である。警察や検察の取り締まりは、極めて抑制的であるべきだ。
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 我が家のポストも不動産、ピザ屋、その他サービス業などのビラで溢れています。政治的な主張だけが取り締まられているのは恣意的だと思います。

◆中日新聞「ビラ配布有罪 表現の自由が縮こまる」(09/12/01)
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 政党ビラを配布し、住居侵入罪に問われた僧侶に有罪が確定する。いわゆる左翼や政府批判の言論が取り締まりを受けている印象がぬぐえない。モノを言う自 由が縮こまらないか懸念する。
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 このような判決が繰り返されると私たちの心の中に知らず知らずのうちに、物を言うことへの抵抗感が積み重なっていくことが怖いですね。

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 さらにこの事件は、議会報告というビラの内容を考えると、言論の自由に影を落としてもいよう。これまで、「イラク派遣反対」のビラ配布で市民団体の有罪 が確定しているし、社会保険庁や厚生労働省の職員が共産党機関紙を配布したとして、国家公務員法違反で有罪判決が言い渡されている。
 まるで、「左翼」と呼ばれる人々らが、警察当局に“狙い撃ち”されている印象さえある。
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 特に共産党が狙われています。スパイ組織である公安調査庁は未だに共産党を調査対象としているそうですから微罪でも徹底的に罪に落とそうとしているので しょう。
 これは共産党のことと思っていると知らない間に「モノ言えぬ時代」になるとも限りません。

◆北海道新聞
ビラ配布有罪 表現の自由脅かす判決」(09/12/01)
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 被告の僧侶が立ち入った時間は昼間のわずか10分足らず。マンション内を騒がせたとはいえない。判決は住居侵入罪の要件を形式的に当てはめただけ、との 指摘もある。
 東京都立川市の自衛隊宿舎で自衛隊のイラク派遣に反対するビラを新聞受けに入れ、住居侵入罪に問われた市民運動家3人も、昨年4月の最高裁判決で上告を 棄却され、逆転有罪が確定している。
 政府に批判的な政治ビラなどを集合住宅のポストに入れた活動家らが住居侵入罪などで逮捕、起訴される。そうした事件が2004年以降、合わせて4件起き ている。
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 一審無罪、二審逆転有罪、最高裁上告棄却という流れができているようです。東京高裁に人権意識が欠落しているのではと思えます。

◆信濃毎日新聞「ビラ配り有罪 表現活動が萎縮する」(09/12/01)
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 違和感をぬぐえない。僧侶が立ち入ったのは、オートロックのないマンションに昼間、10分ほど。共産党の「区議団だより」などを、各戸のドアポストに入 れただけだ。「住民生活の平穏」を損なうととらえ、犯罪とみなす論理に人々の共感が得られるだろうか。
 警察による政治活動の取り締まりは、必要最小限でなくてはならない。にもかかわらず、僧侶は現行犯逮捕され、3週間以上も身柄を拘束されていた。捜査の あり方にも疑問が残る。
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 この種の事件は捜査段階から「異常」なことが多いです。
 立川の反戦ビラ事件では、ビラを配布したメンバーの所属する団体の事務所や自宅など6ヶ所が、住居進入の疑いで家宅捜査されてパソコンなどを押収し逮捕 されています。そして逮捕された人たちは75日も拘留されたそうです。
 単なる住居侵入とは思えません。

 金持ちは新聞広告や、テレビCMを使うこともできますが、ビラ配りは金のないものの表現方法のひとつです。それが罪になるとは国家による弱い苛めです。

 当事者?の共産党の市田忠義初期局長の
30日の国会内での記者会見での発言を引いておき ます。

 「憲法の精神に照らして許されない、きわめて反動的な判 決だ」
 「マンションの廊下や階段を通ることが生活の平穏を侵害する犯罪でないことは誰の目にも明らかだ。国民の常識に反した今回の判決は、自由と民 主主義、人権の点から厳しく批判されなければならない」
 「マンションの管理組合がビラ配布の禁止を決めた事実はないし、そもそも憲法が保障する表 現の自由を管理組合が禁止できるという考え方が誤っている」
 「政治的立場を問わず、こういうことが許されていいのかと警鐘乱打し、世論を広げたい」

 「きわめて反動的な判決 葛飾ビラ配布弾圧で市田氏」(しんぶん赤旗 09/12/01)
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