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09/12/28 朝日俳壇、歌壇より

 昨夜はテレビ朝日 系の洋画劇場で山田洋次監督の「武士の一分」を観ま した。藤沢周平さんの作品の映像化に食傷気味で劇場では観なかった作品です。
 まあ、足を使って金を使ってまで劇場で観なくてよかったというのが素直な感想です。演技力もない美男美女のカップルが出て予定調和なストーリーではいた し方ないことでしょう。

 大阪では、チンピラ芸人が飲み屋で暴力事件を起こしたそうです。
 ちょっと口が立つからとテレビのバラエティ番組で一人前にコメントなどをしゃべらせて逆上せ上がらせたテレビ局にも責任があると思います。暴力、薬物な どメディアの露出の多い人たちの犯罪はこれからも後を立たないことでしょう。
 年末年始のテレビ番組は、馬鹿面の総動員です。ゆっくり溜まった本でも読むことにしましょう。

  今週の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。最近、俳句より短歌に気になるものが多くなってきました。

◆朝日俳壇
◇女性歌手礼せぬ矜持年の暮(船橋市・斉木直哉:大串章選)
 歌い終わった後に礼をしない歌手なのでしょうか?礼をしない態度に女性歌手の矜持を見たということなのでしょうか?
 意味もわからずに気になりました。それにしてもそんなにプライドの高い女性歌手とはどなたでしょうか?

◇鮟鱇のコートの如く吊るされて(川崎市・藤田恭:大串章選)
 鮟鱇の吊るし切りを現場で見たことはありませんが、コートというより着ぐるみの抜け殻のように見えます。
 鮟鱇鍋でもいただきたい寒さになってきました。

◇電車待つ下着のようなマスクして(東京都・矢野美与子:金子兜太、長谷川櫂選)
 
豚(新型)インフルエンザ騒動は、前から書いているように厚生労働省と製薬会社の陰謀だ と思っていますから、マスクをした人を町で見かけるとつい笑ってしまいます。素焼きの焼き物の壁面でも通す菌を繊維でできたマスクで防げるとは思えませ ん。
 「下着のような」とはきつい皮肉ですね。

◆朝日歌壇
◇幾人が原発の村思わんや電飾美しと見上ぐる人ら(鳥取県・中村麗子:高野公彦選)
 原子力発電はCO2を出さない発電だと電力会社はアピー ルしていますが、使用済み燃料の処理、災害時の放射能漏れなどを換算すれば決して安くて安全な電力ではありません。
 また、発光ダイオードを使うから電力消費量が少ないとエネルギー消費が少 ないことを謳った電飾ショーが行政主導でクリスマスから新年にかけてあちこちで行われています。発光ダイオードを作るためのエネルギーは勘定に入れない能 天気ないい口です。
 原電立地の地元ではいつも放射能漏れの不安を抱えておられることでしょう。まずは、そんなことに思いを馳せて見ましょう。

◇いつからか誰も気にせずおだやかに過ぎてゆくなり十二月八日(大阪市・関満恒子:永田和宏選)
 日本人として忘れてはならない日がいくつかあります。1941年12月8日もその一つです。
 個人の生活でも忘れてしまっていいものと、忘れてはならないものがあります。いくつかの忘れてはならないものを大事にして生きて生きたいものです。

◇「人並みの苦労」と書いて手を止めた「人並み」の文字ぼんやりとして(盛岡市・白浜綾子:永田和宏選)
 父が自分史を書こうと聞き取りをしていたとき、幼くして父を亡くし、大病を煩い九死に一生を得て極貧の生活を経験している父に「苦労したね」と問うと 「人並みのこと」と答えていました。私の父のことはこ ちら少し書いてあります。
 「人並みの苦労」といえる人は「人並み以上」の苦労をされているのですね。

◇リストラを怒っていません私は怒らぬ自分に怒っています(福岡県・末松博明:永田和宏選)
 首を斬られても泣き寝入りしてしまう。怒りが生まれてもどこにぶつけたらいいのか分からない。
この歌のように、首を斬ら れても怒りを歯がゆい自分にぶつけるしかない。
 労働運動はアカ、労働組合はアカという長い間の教育が功を奏して、多くの労働者が
労働者の権利も知らず(知らされず)に 悪条件で働かされ、使い捨てられています。

◇鬼はなぜ退治されるの疑問でて拍手すくなし今日の紙芝居(スウェーデン・マドセン泰子:佐佐木幸綱選)
 うまく書けませんが「鬼は悪」という論理は誰が作り出したのでしょうか?施政者は自分の思いどおりにならぬものを「悪」と決め付けて「退治」しようとし ます。ブッシュ前アメリカ大統領が声高に叫んだ「悪の枢軸」発言のように。
 「テロ」という言葉も気をつけて使わねばなりません。誰にとっての抵抗勢力なのか、誰にとっての正義なのかをよく見る必要があります。
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