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10/01/18 朝日俳壇、歌壇より

 アルコールへの依 存が強くなっています。
 飲むと後悔、夕方になると飲みたくなりやっぱり飲んでしまう。そして、また後悔をする繰り返しです。
 身体にも、精神にも、勿論経済的にもよくない状況です。改善せねばなりません。しばらくは、せめて一週間は断酒することにしましょう。

 小沢一郎・民主党幹事長の政治資金の疑惑は、自民党政権から民主党政権への交代が自民党から自民党亜流への政権交代だったことが明らかになりつつありま す。今日から通常国会が開かれますが政局に影響することは避けられない様相です。
 検察の取調べ内容のリークなどの動きを批判的にとらえ小沢氏を擁護するような記事も見聞きしますが、その前にリーク情報を垂れ流すマスコミの報道を批判 すべきではないかと思います。

 18日付け朝日新 聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇少年の初恋らしき初詣(沼津市・羽田甲子雄:長谷川櫂選)
 初々しい少年少女の初詣姿は初恋を連想させます。けばけばしい若者が多い中こういう若者もいます。捨てたもんじゃないですね。

◇力ある言葉まつすぐ息白し(横浜市・犬山達四郎:長谷川櫂選)
 この頃、力ある言葉を聞きません。力強く発声しても空々しい空虚な言葉を並んでいるだけの政治家の演説はもう聞き飽きました。この句のようなまっすぐな 言葉で語る人は誰でしょうか?

◇風花や馬跳びしつつ子ら帰る(愛知県・北出風光:大串章選)
 足をまっすぐに伸ばし前屈して足首を掴んだ人の背を跳び箱のように跳ぶ遊び(馬跳び)は子どものころによくしたものです。
 何も使わず、あるいはその辺にある棒切れなどで上手に遊んだものです。今の時代に馬跳びをしつつ下校する子どもらも居るのですね。懐かしい遊びを思い出 しました。

◇行商のかの日の如く吹雪来し(群馬県・酒井大岳:稲畑汀子選)
 リアカーに魚を積んで売りに来る人や棒天振(ぼてふり)の泥鰌売りの人が田舎の集落にも来ていました。吹雪を見て行商時代の苦労を思われたのでしょう か?

◇如己堂(にょごどう)はやはり間白き寒のばら(長崎市・濱口星火:金子兜太選)
 
本人も被爆しながら永井隆さんが長崎で被爆者の治療をした建物を如己堂というそうです。 隣接地に長崎市永井隆記念館が建っているそうです。長崎には行ってみたいと思いつついまだに叶わないでいます。

◆朝日歌壇
◇どの市(まち)にも中心街は痩せてゆくシャッター前に猫は日向ぼこ(佐賀市・高橋正:佐佐木幸綱、馬場あき子選)
 
郊外のロードサイドには大型店舗がたち並んでいるのに、町も中心部は歌のように寂れて行 くばかりです。車を持たない人や老人は置いてけぼりです。

◇母逝きて育ちし家も壊されて日本は「帰る」から「行く」国になる(アメリカ・大竹幾久子:高野公彦、永田和宏選)
 月に一度は
実家に兄夫婦と暮らす90歳を超えた母の顔を見に行きますが、母がいて家が あっても「帰る」と言わなくなって久しくなります。二十数歳で出てから帰るべき故郷はなくなりました。

◇新湯(さらゆ)にして仕舞の湯なり柚子いくつ浮かべて浸る君なき冬を(福岡市・宮原ますみ:高野公彦選)
 独り居の風呂はさら湯にて仕舞風呂です。「君なき冬を」とは詠んでみたい情景です。

◇鞦韆(しゅうせん)の下ひとつづつ凹みあり人が履歴を抱くごとくに(岐阜市・後藤進:永田和宏選)
 鞦韆とは難しい漢字、ブランコのことだそうです。
 確かにブランコの下には凹みがあります。それを人の履歴との例えは「下句の比喩が秀逸。みんなそれぞれの時間を背負ってじっと耐えている」と選者が評さ れているようにうまいですね。
 雨上がりには凹みが水溜りになっているのも好きな光景です。

◇大公孫樹葉を落としをり本堂の大屋根修理続けられおり(熊谷市・内野修:永田和宏選)
 京都の繁華街・四条にでるのにJR京都駅から30分ほどの道のりを路地を縫って歩くのが好きです。
 よく立ち寄る東本願寺にも大公孫樹(いちょう)があります。新緑や黄葉の公孫樹もきれいですが裸木も中々良いものです。御影堂(ごえいどう)の修理が終 わって今は阿弥陀堂に仮屋根が掛けられ修理中です。

◇ぼんやりと生きてきたから気づかない「風がきれい」と盲 目の子言ふ(多摩市・橘かほる:馬場あき子選)
 ばんやりと生きてこなくても健常者には「風がきれい」とは中々気づかないものではないでしょうか?耳や肌の感覚を頼りに生きてきた少女だから言える言葉 のように思います。

◇美原凍子さん
 福島市の美原凍子さんは朝日歌壇の入選の常連の方です。今週も2首が入選していました。

▽アパートの三階という浮き島に居て仮の世の鐘を聴く除夜(佐佐木幸綱選)
▽私のりんかくぼやけゆくがまま風に抱かれていようふるさと(高野公彦選)

 この残日録でも下記の歌を紹介させていただいたことがあります。選者が偏ることなく入選されているのは実力があられるからでしょう。

▽「さよなら」と振るため「また」と握るため手はあるものか別れゆく道(夕張市・美原凍子:永田和宏選)08/08/04
▽蜜蜂のいない桃畑、人の手で受粉せらるる花のゆううつ(福島市・美原凍子:高野公彦選)09/05/18
▽桃の実に生まれてももにもなれない実摘果は黙々としてなされている(福島市・美原凍子:馬場あき子選)09/06/22
▽どんぐりをぷちぷち踏みてゆく途はくりもくるみも待っている径(福島市・美原凍子:高野公彦選)09/10/12

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