10/02/01
朝日俳壇、歌壇より
断酒を決意？して
から１週間、一日も酒を断つことができませんでした。
酒を断てない言い訳のひとつに、パートで働く職場で若干の変化があり、先週、今週と休まず、結構長時間働いていることがあります。疲れきった身体はアル
コールを入れずには帰れません。疲れもそろそろピークでしょうか。
さて、２月１日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になっ
た句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇マスクして眼の饒舌に付け睫毛（大阪市・西尾澄子：金子兜太選）
マスクの効用の欺瞞に気がつき始めたのか、一時ほどマスク姿の人を見かけなくなりました。マスクをかけた女性は心なしか眼がよく動くように思います。こ
んな句を詠んでみたいですね。
◇種袋振つて呼びだす春の神（高知市・田村七里：長谷川櫂選）
春撒き野菜の種を買って春を待っておられるのでしょうか。乾いたカサカサという音が聞こえてきそうです。私の小さい頃には野菜の種は何代も自家で種を
採って栽培したものですが、最近の種は一代限りしか育たないような種が売られていると聞いたことがあります。アメリカの種苗メーカーの戦略だとか。
◇凩や父の身体に父不在（栃木県・榎本全利：長谷川櫂選）
わからない句でした。父の身体にないものは精神でしょうか、人格でしょうか？
◇悴みし口は言葉を忘れたる（北九州市・斉藤牧女：長谷川櫂選）
寒い地域の言葉は短い音で表現するらしいですね。寒いと口をあけて話すことも面倒になるということでしょうか。
私は友人も知人も少なく会話の機会がなく普通の生活でも言葉を忘れそうです。
◆朝日歌壇
◇我が身より重症の人を見る吾が目なんて卑しいなんて哀しい（京都市・歌代房江：永田和宏選）
こんなことありますよね。自分より不幸な人を見て安心する。そのことが世の中の差別の根源のように思います。
私もおんなじです、卑しくて哀しい人間です。
◇裁判員の通知受けたる孫二十歳ああ「赤紙」でなくて良かった（横浜市・道蔦静枝：馬場あき子選）
誰にとっても国から呼び出されることなど気持ちの良いものではありません。二十歳の青年が裁判員になって死刑の判断をしなければならないかも知れませ
ん。戦争に狩り出されることと同様に裁判員制度を「平成の赤紙」と揶揄する人たちもいます。
私は裁判員には選ばれたくありません。人の罪を裁くことはできません。
◇ソプラノの笛吹ケトル叫びをり孤立無援の老老介護（岡山市・金光幸：永田和宏、高野公彦選）
「孤立無縁」が哀しいですね。この国は長く働いてきた老人に冷たい国です。生きているのは悪いことのように思わせる国、首相が所信表明で「命」、「命」
と連呼しても言葉だけが空しく響きます。
◇わが店に終日（ひもすがら）客の出入りする二カ月びるの年金需給日（秋田市・渡部栄子：佐佐木幸綱選）
毎月２５日過ぎと偶数月の１５日過ぎのスーパーは大量に食品を買い込む人が多くいます。みんな貧しいのです。私も支出に占める食費の割合（エンゲル係
数）の高い貧乏人です。
◇焼き尽くしひとひとひとひと焼き尽くしなおとどまれる基地というもの（高槻市・門田照子：高野公彦選）
沖縄は先の戦争末期に人諸とも焼き殺されました。その軍隊が「日本を守る」と六十余年も居座っています。日本に外国の軍隊は要らない。普天間だけでなく
すべての軍隊に帰ってもらいましょう。
◇また一人医師が去りゆく脳外科の診断を待つ寡黙な羊（福島県・開発廣和：高野公彦選）
医者不足といわれていますが、医師の総数は年々増加しています。楽に儲かるところに集中し、忙しく過酷なところに医者が行かないだけのことではないで
しょうか？
脳梗塞を患った私の主治医も昨年末に他の病院に移りました。また一からコミュニケーションを始めなければなりません。
◇食パンのいちばん安きスーパーをけふの散歩の折り返しとす（大阪市・末永純三：高野公彦選）
後期高齢者医療保険の保険料に二十数万円も銀行引き落としをされたという話を聞きました。民主党政権は後期高齢者医療制度の廃止、見直しに未だ手をつけ
ていません。
多くの若者も仕事がなくて貧しい、また多くの老人も年金を削られ高い保険料を天引きされて貧しい生活をしています。１円、２円安いスーパーを探して生活
をしているのです。施政者は民の苦しみがわかっているのでしょうか？億の単位の金ではないのです。
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