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10/02/07 井上ひさし「ふふふふ」(再び)

 トヨタ車のリコー ル騒動はいずれ起こると思っていましたので「やっぱり」と思うだけです。
 「残日録」(06/03/26)に書きまし たが、娘一家が乗っているトヨタ車に不具合がありディーラーに持ち込んでも埒が明かず、トヨタ本社の「お客様」相談室に連絡しても「メーカーに責任はな い」とクレーマーに対するような対応だったようです。この件は結局ディーラーのホイール・アライメントの調整不良が原因だったそうですが、メーカーには製 造責任も、ディーラーの技術にも責任があるのではないかと思いました。
 客と労働者を無視し続けるトヨタは何様のつもりでしょうか?アメリカ市場で思い知らされることでしょう。因みに娘の家族はトヨタ車から他メーカーに乗り 換えました。


  今回もまた、 井上ひさしさんの「ふふふふ」の中から惹かれたところを紹介します。
 このサイトを読んでくださる方から前回の書き込みに対し次のようなお便りをいただきました。

 「人が人を大切にするって、話で読んでも心が温かくなりますね。これは何故でしょう。はっきりとした理由はわかりませんが、人間って捨てたものではない と思います」

◆マスコミ
 まず、引用します。
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 <・・・しかし、新聞や雑誌やラジオや講演会は、用い方いかんによっては、世論を正しく伝える代わりに、ありもしない世論をあるように作り上げたり、あ る一つの立場だけに有利なように世論を曲げて行ったりする非常に有力な手段となりうる。もしも、自分たちだけの利益を図り、社会の利益を省(かえり)みな い少数の人々が、巨額の金を投じて新聞や雑誌を買収し、一方的な意見や、ありもしない事実を書き立てさせるならば、国民大衆が実際には反対である事柄を、 あたかもそれを欲しているように見せかけることができる。そうして、国民の代表者(註・国会議員)がそれにだまされるだけでなく、国民自身すらもが、いつ のまにかそれをそうだと思い込んでしまうこともまれではない。人々は、その場合、「宣伝」に乗せられているのである。>
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 金持ちがマスコミを買収し、社会の利益よりも自分たちの利益のために、世論を曲げ、国民が欲してもいないものまで欲しているかのように「宣伝」して、国 民も国民の代 表までがだまされることへの警告が現実のものになっています。

 先の文章は「民主主義」(教育図書 1949年4月)という本ので戦後の社会科の教材として配られたものです。
 60数年前の警告どおり、わが国のマスコミは金持ちの持ち物となりました。

 井上ひさしさんは次のようにまとめておられます。
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 小泉構造改革を正しいと思いこまされたのは、大広告主に気兼ねしたマスコミの「宣伝」によるものだったかもしれない・・・
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 マスコミの報道を疑うことから真実を見る目が養われるような気がします。

◆憲法は変えられない
 日本国憲法の基本原理は、人権尊重、主権在民、国際平和 です。
 どの国の憲法にも国の基本原理は変えられないと書いているそうです。
 フランスの憲法にもイタリアの憲法にも「共和制は憲法改正の対象とすることができない」と書かれているそうです。

 日本の憲法前文には「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除す る」と書かれています。

 第96条に憲法改正の手続きが書かれていますが、各省が決める「省令」よりも、内閣命令の「政令」が偉い、その「政令」より国会で決める「法律」が偉 い、その「法律」より「憲法」が偉い(上位の規範)、そのように同じ憲法の条文でも基本原理を説いている条文と他の条文に違いがあると書かれています。
 つまり日本国憲法の基本的原理は変えることができないということです。

 <この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。>(第 98条)

 ならば日本国憲法の基本原理を変えるにはどうしたらよいのでしょう。
 国の基本的原理を変えるのは革命かクーデターしかありません。憲法(国)の基本原理を変えたいと思う人たちは是非とも「クーデターをして憲法をかえ る!」と叫んでもらいたい。

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