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10/02/25 マ スコミに「マスコミの劣化」をいう資格はない

 異常なほどの暖か い日差しです。日差しに誘われて久しぶりに自転車で通勤しました。体力は加齢とともに衰えていることを実感しながら、初夏のような爽やかな風を受けて往復 30kmの運動でした。
 常態化している帰宅途中の飲酒もやめられ一石二鳥です。天気のよい日、気分のよい日だけでも続けてみようかなと思いつつ。


  「憲法9条。知ってる人も、知らない人も。」というキャッチコピーのマガジン9条は毎週 水曜日の更新ごとに読んでいます。また、このサイトでも度々引用させてもらっています。そのマガジン9条に「柴田鉄治の メディア時評」という不定期連載のコラムがあります。筆者の柴田鉄治さんは元朝日新聞の記者(論説委員)だそうです。昨日(24日)更新の記事に 「普天間、日 本のマスコミの『劣化』はここまで」というのがありました。

 柴田さんはジャーナリストと呼ばれている方だそうですが、読んでみてがっくりでした。
 「
日本のメディアはいつから、こんなにも米国一辺倒になったのか。いかに日米同盟が大事だといっても、日本は米国の属国 ではなく、立派な独立 国であり、世界の独立国で外国の軍隊を常時これほど駐留させている国はそうはないのである。しかも、占領下そのままといってもいい沖縄県民の過大な負担を ほんの少し減らそうというだけのことなのである。日本のメディアが米軍の立場より沖縄県民のことを重視することは、そんなにもいけないことなのか」 と言われています。

 昨日取り上げたビル・トッテンさんの認識 と、日本を代表する新聞社にいたことを未だに経歴としジャーナリストを標榜する人の認識が違うことに改めて驚きました。
 「日本は米国の属国ではな」いといわれていますが、日本 は真の独立国でしょうか?また、日本のマスコミは戦後60余年、政権与党とアメリカには追従してきたのではないでしょうか。

 このコラムで一番がっくりしたのは、昨年12月21日に藤崎一郎駐米大使がクリントン国務長官から呼び出されて「普天間以外の新たな移転先を探す鳩山政 権の動きに不快感を示した」という報道に関しての部分です。(残日録 09/12/26もご覧ください)

 「メディア展望」の2月1日号の藤田博司氏の論文を引いて次のように書かれています。

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 その藤田氏が「普天間をめぐる日本のメディアの報道は公 正でなく、正確でもない」と厳しく指摘しているのである。藤田氏の取り上げた記事 は昨年12月22日付けの夕刊各紙に載ったもので、クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼んで普天間基地の「新たな移転先を探す鳩山政権の動きに不快感を 表明し、現行計画の早期履行を改めて求めた」(朝日新聞)というものだ。
(中略)
 ところが、それがまったく事実と違うのだ。藤田氏によると、藤崎・クリントン会談の翌日、国務省での記者会見でクローリー国務次官補は、大使は「呼ばれ た」のではなく「大使のほうから会いにきてクリントン長官のもとに立ち寄ったものだ」と説明し、会談の中身についても「大使は基地問題でもう少し時間が必 要との意を伝えた。われわれは現行計画が最善だと思うが、日本政府とこの問題で協議を続けていくつもりだ」と繰り返し語ったというのである。
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 藤田論文などを引かなくても翌12月22日にはクローリー国務次官補が「呼んだのではなく藤崎大使から立ち寄った」と記者会見で述べています。
 このことは毎日新聞や日刊ゲンダイ、しんぶん赤旗が報道したことです。

 (藤田論文では)「
次官補の発言は共同通信、読売新聞、日経新聞がごく短く伝えた。」となっていますが正確ではありませ ん。

 柴田氏のアホさ加減は次の一言に尽きると思います。
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 私自身も、この事実を知って、「米国も米国だ」と不快に 思っていた印象を根底から改めた。「目からうろこが落ちた」その目で日本のメディアの普天間報道をあらためて見ていくと、報道の「歪み」はあちこちにある ようである。
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 これが「ジャーナリスト」を標榜する人の感覚なのでしょうか?マガジン9条への寄稿に執筆料が支払われるかどうか不明ですが、こんな記事を今頃出してく るとは「物書き」とは楽な商売ですね。

 ウソつきの藤崎一郎駐米大使は更迭もされず今も特命全権大使の座にあります。この男のウソを検証するマスコミも未だ現れません。このことの方が憂うべき ことではないでしょうか。
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