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10/03/09 朝 日俳壇、歌壇より

 過重労働気味で、 疲労がピークにあるようです。
 60歳を超えて始めた肉体労働、未だ週に1日の休みも設定されない、毎日5、6時間の勤務体制が続いています。非力な私には過度の負担となっていま す。仕事が終わると安酒場で時給2時間分ほどを飲み、ほろ酔い気分で帰宅しすぐに眠るという生活です。
 アメリカ軍は日本を守らない、基地問題の根本は日米安保条約、何故マスコミや「文化人」はこのことを言わないのか、貧困と肥満、「貧困」と「貧乏」言葉 の違い、消費税、派遣法「改正」、労働組合と政治
等々それに 読んだ本のことなど、書きたいことはあるのに、書き込む心身の余裕もないこの頃です。

  さて、昨日の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆ 朝日俳壇
◇八十路なる妻の雀斑(かすも)に雪降れり(山形県・粕倉ただを:金子兜太選)
 難しい言葉があるものです。雀斑はじゃくはん、そばかすとも読むそうでいわゆるそばかすのことだそうです。

◇我が母の朧に住みて清らなる(三郷市・岡崎正宏:金子兜太選)
 朧に住むと言われる人は幸せなのでしょうか?

◇野を焼いて戻る空母の重さ負ひ(周南市・藤井浅夫:金子 兜太選)
◇野焼きして戦火知る人佇めり(高崎市・野尻ようこ:大串 章選)
 野焼きの火は激しいものです。その激しい「火」を見て戦火に結びつくものです。
 上の句は日本の基地に帰還したアメリカ軍の空母でしょうか、野だけでなく人の住む家も学校も病院も焼いてきたのかも知れません。


◆朝日歌壇
◇遺骨なき戦死者の墓にその妻が百歳まで生きて納骨せらる(三原市・岡田独甫:馬場あき子、高野公彦選)
 その妻は敗戦時には40歳代の人生の盛りであったでしょう。長かった後半生に思いを馳せてしまいます。

◇与左衛門・与次兵衛・与右衛門・与三右衛門安政三年与の付く四軒(岸和田市・南与三:馬場あき子選)
 よざえもん、よじべえ、ようえもん、よざえもんと読むの でしょうか?
 安政3(1856)年に何があったのでしょう?作者も与の付く名前です。

◇蒲団屋が掃除屋になり掃除屋が便利屋になりセールスに来る(本宮市・廣川秋男:馬場あき子選)
 蒲団屋も掃除屋も儲からなかったのでしょうか?みんな車に乗って各家庭を回る商売、若干胡散臭さを感じるのは私だけでしょうか。

◇あからひく朝の路上に甘き香の近江屋洋菓子店のトラック(東京都・白石瑞紀:佐佐木幸綱、永田和宏選)
 「あからひく」は朝や日にかかる枕詞だそうです。
 早朝に洋菓子屋のトラックが甘い匂いを残して走り去ったのでしょう。

◇黒い髪・青い眼・白い肌の娘(こ)が青リンゴかじる夜の教室(浜松市・本目亜古:佐佐木幸綱選)
 外国からきて働く人の多い地域が全国に点在します。そんな地域では母国語を教える学校や日本語を教える学校があります。
 そんな学校に若い人が通っている。この歌も他民族の住む国への道程でしょうか。

◇はなれてるから美しくはなれてるからなつかしいとおきも のたち(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 遠き者たちは離れているからよいのでしょう。リズムのよい歌です。

◇寒ければ糖度を上げて身を守るほうれん草のやさしいちぢみ(綾瀬市・高松紗都子:高野公彦選)

 生物は生存の危機を感じると生命を維持するための資源を蓄積するそうで す。ほうれん草も糖分を蓄えるのですね。
 人間は脂肪を蓄えるようです。だから貧乏人に肥満が多いのだそうです。この件は別の機会に。

◇バレンタインのチョコの香りに霞たる旗一つ無き建国記念日(名古屋市・木村久子:高野公彦選)
 建国記念日がバレンタインのチョコの香りに負けるのですね。でも油断してはなりません。神話を信じている人たちが密かによからぬことを企んでいるかも知 れません。

◇死刑廃止論に与せし信念の揺らがむとする悲しき世なり(熊本市・高添美津雄:高野公彦選)
 私も死刑廃止論に与していますが、世の中の言いようもない悲惨な事件を見聞きしても信念が揺らぐことはありません。
 まだまだ本当の覚悟ができていないのでしょうか。

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