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10/04/19 映画「いのちの山河」

◆共産党を除くオー ル与党体制
 11日投開票の京都府知事選挙は民主、自民、公明、社民の相乗り候補が共産党の推薦する候補を破って当選しています。その結果について各党のコメントが 紹介されていました。相乗りの言い訳などなかなか興味深い内容でしたので紹介します。「京都府知事選受け各党コメント 相乗り批判、投票率など言及」(京都新聞 10/04/12)

◇民主党京都府連
 政権与党になって初の大型選挙で、責任の重さを自覚し、かつてない選挙を繰り広げた。投票率が低いなど課題も残ったが、所期の目的をほぼ達成して勝利す ることができた。山田知事とともに府民の生活と命を守るため全力を挙げて取り組むことを誓う。
 →民主党本部は知事選での相乗りを禁止しているとか、そんなことはどこ吹く風のようなコメントです。

◇自民党京都府連
 政党の足並みがそろわず低調な選挙だったが、大差の勝利にほっとした。出口調査などの結果を見れば自民党の踏ん張りが大きいことは明白で、地力も見せら れた。今後の首長選も(民主党と)相乗りがあるだろうが、主導権を握られることはないだろう。
 →今後の民主党との相乗りはあるけど主導権は渡さないと「強い」意志の表明。実態は自民党も民主党も大した変わりがないということ。

◇公明党京都府本部
 一定の相乗り批判票などが相手に流れたが、これだけの票差がつき、府政を共産党に戻す意思が府民に全くないことが明らかになった。民主党本部の相乗り禁 止論理に山田さんも自民、民主両党府連も振り回されたが、公明党は支持者をまとめ貢献できた。
 →民主党を批判しながらも与党での存在感をアッピールしています。与党でいることが大事な党です。

社民党京都府連
 投票率が低かったことは残念だが、大差での勝利は2期8年の実績が評価されたということだろう。不況や高齢化など課題は多いが、府民は変革ではなく、安 定を求めている。雇用や少子高齢化対策など、府全体の底上げを図る政策を期待したい。
 →社民党も共産党憎しの与党病のようです。

◇共産党京都府委員会
 「府政転換」に寄せられた府民の願いにこたえられず、極めて残念だ。「京都から政治を変えよう」と訴え、前回よりも得票数と得票率は前進したが、全府民 的規模に広げるにはわたしたちの力と運動が不足した。門氏が掲げた公約実現に力をつくす。
 →たまには首長選で勝って欲しいものです。

◆労働者派遣法
 労働者派遣法は廃止すべきだと思います。
 派遣法があると経営者は、労働者を「欲しいときに欲しいだけ」使えるもの、トヨタのカンバン方式の部品みたいに人間をモノと同じように扱えるものと思っ ています。
 2、3月と数日の休日しかなかった私の労働条件も、勤務時間が1日3、4時間、週に3日ほどの不定期な勤務状態となりました。前日にしか翌日の勤務時間 がわからない、当日にならないと終業時刻もわからないワンコールワーカーのような働き方です。こんな労働形態が許されるのも派遣法があるからです。

  豪雪、貧困、多病と三つの抱える村が、50年も前に日本で始めて老人と乳児の医療費を無料化し、日本で始めて乳児死亡率ゼロを達成した岩手県和賀郡沢内村 (現西和賀町)の深澤晟雄(ふかざわ・まさお)元村長の生命の行政を映画化した「い のちの山河」を観てきました。

 沢内村の医療、福祉村政はドキュメンタリー映画「いのちの作法」にもなっています。「残日録.08/12/29」で紹介しています。
 「いのちの作法」は深沢村長らの意志をついでいる村の人たちを生き生きと描いていましたが、「いのちの山河」は
深澤晟雄 さんが長崎の造船所を退職して帰郷するところから、夜間中学の教師、村の教育長、助役、村長として三つの困難を解決して行く姿が描かれています。

 村の女性を説得し組織することから始め、保健婦を採用し、乳児の訪問検診を実施していく様はなるほどと納得できる描き方でした。
 老人医療費を無料化しようとすると岩手県(厚生省)から「医療を自由に選べなくなる」?から国民健康保険法違反であるとのクレームがつきます。そのとき
深 澤晟雄さんは「国民健康保険法には違反するかもしれないが、憲法25条には違反しない」と役人の前で25条の条文を読み上げます。

 他にも下記のようなことをいわれていました。
 後期高齢者医療制度をそのままにしている現政権に聞かせてやりたい言葉ばかりです。

◇広報活動は村づくりのビタミン剤であり、民主主義の栄養剤である
◇人を殺して得られる幸せなど断じてない
◇本来は国民の生命を守るのは国の責任、国がやらないのなら村がやる
◇お年寄りを生産能力がないといって粗末にする、そういう姥捨て山のような考え方では社会の秩序は保たれない
◇人命の格差は絶対に許せない

 出演者で印象に残ったのは
深澤晟雄の母親を演じていた女優さんの年のとり方が自然でよ かった。また、保健婦として採用され期待に応え乳児死亡率ゼロ達成のために努力する姿を演じていた女優さんも存在感がありました。

 この映画は是非多くの人に観て欲しいと思いました。
 全国各地で公民館などで順次上映中です。上映予定はこちらを参考にしてください。

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