10/05/02 官房機密費という税金
前回の残日録に書いた「官房機密費が複数の評論家に渡さ
れていた」との元官房長官の発言には「やっぱり」という感じを拭えませんでした。この件でのマスコミのあまりにも鈍い反応には、新聞社出身の評論家にも
「金」が渡っているのではないかと勘ぐってしまいます。
その後、野中広務・元官房長官が記者会見で色々と語っています。そんなことだろうと思っていても当事者の発言は重いものです。
◇前の官房長官(村岡兼造)から引き継いだノートに、政治
評論家も含
め、ここにはこれだけ持って行けと書いてあった
◇毎月5000万円、最高で7000万円程度使っていた
◇首相には月1000万円、自民党国会対策委員長と参院幹事長にはそれぞれ月500万円を配っていた
◇政治家から評論家になった人が、「家を新築したから3千万円、祝いをくれ」と首相に電話してきた
◇野党議員から「北朝鮮に行くから官邸にあいさつにうかがいたい」と暗に機密費を要求された
「『北朝鮮に行く』野中氏に機密費要求」(読売新聞 10/05/01)
「野中広務氏『官房機密費、毎月5千万〜7千万円使った』」(朝日新聞 10/04/30)
「野中氏−毎月5千万円使った 機密費、評論家らに配る」(共同通信 10/05/01)
寄って集って政権の甘い汁に集まる輩がいます。もっとも許しがたいことは、その輩がいかにも正論のようにあるいは時の政権と対立しているかのような言質
を振りまいて国民をだましてきたことです。
一連の野中広務・元官房長官の官房機密費に関する発言を
社説に取り上げた新聞は私の知る限りでは琉球新報だけでした。
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世間の常識から懸け離れた額にも驚くが、評論家に配るこ
とと官房機密は一体どうつながるのか。理解に苦しむ。評論家に高額の現金を配ることで、政権に有利な発言を期待したのだろうか。
もし現金を受け取った評論家が、そのことで政府に有利な発言をしていたり、それまでの論調を変えたとしたら由々しき事態だ。民主主義を否定、破壊する行
為であると言わざるを得ない。
(中略)
民主党は01年、一定期間後に使途公開を義務付ける法案を提出した。そして今政権の座にいる。
鳩山首相は機密費を将来的に全面公開する方針を示したが、機密費を扱う当事者の平野博文官房長官は公開に慎重で腰が定まらない。
時の政権の都合のいいタイミングで、いかようにも使え、第三者機関のチェックすら働かない事態は解消すべきだ。
--------------------「官房機密費 使途と支出先の公開を」(琉球新報 10/04/29)
当たり前といえば当たり前のこと、なぜ全国紙は取り上げないのでしょうか?年間14億円以上の税金が使途も明らかにされないで政権の維持のために使われ
てい
る現実を忘れてはなりません。
政権交代時に2億5千万円もの官房機密費を持ち逃げした川村建夫・前官房長官は百歩譲っても公金横領の罪で裁かれねばならない。
鳩山内閣でも飛びぬけて阿呆な平野博文官房長官がこんな発言をしていたと報じられていました。
新党大地の鈴木宗男衆議院議員の政治資金パーティに出席した平野官房長官は、00年自民党総務局長だった鈴木氏から大阪府知事選挙に「5000万円なら
だそう」と持ちかけられたことを披露し「今思えば、その金は官房機密費から出ているんじゃないかな」と述べたと報じられています。平野官房長官は当時民主
党大阪府連幹事長、民主党は自民党、公明党、自由党とともに現職の太田房江候補を推していました。
「平野官房長官:『今思えば機密費かな』00年の大阪知事選、鈴木宗男氏が資金提供打診」(毎日新聞
10/04/23)
使途を問われない金があると疚しいことを考えるのがヒトではないでしょうか?
税金の使われ方は納税者に詳らかに明らかにされねばなり
ません。
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