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10/05/31 朝日俳壇、歌壇より

 今日5月31日は 世界禁煙デー、日本の喫煙人口は日本たばこ産業(JT)の調査では09年には前年比マイナス79万人の2,601万人(推定、男:1,957万人、女: 644万人)だそうです。(2009年「全国たばこ喫煙者率調査」

 喫煙率は下図のように年々下がっていますが、未だ多くの人が喫煙をしています。

  ※出典:成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)厚生労働省の日本のたばこ事情より (青:男性、赤:女性、単位:%)

 民主党政権のやったことで評価できるのはタバコ税の増税でしょうか。増税とタバコ会社の値上げを併せて1箱(20本入り)100円程度の値上げとなるそ うです。
 タバコの価格と喫煙率の因果関係は明らかになっています。(残 日録08/12/17参照)特に若者にタバコを吸わせないためにはタバコの価格を上げることは有効な方法で す。

  今日の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇源流のゴクゴクゴクと夏来る(嘉麻市・松井春光:金子兜太選)
 最初はゴクゴクゴクと流れているのかと思いましたが、選者の評「夏がきて、水をごくごく飲むのは唯事だが、「源流」の水となるとがらりと変わる。作者、 大蛇(うわばみ)の如し」を読んで納得です。

◇自転車で無理なら歩く山滴る(秩父市・浅賀信太郎:金子兜太選)
 この句も自転車で行くのが無理なほどの遠い距離なら歩くとはなぜ?と思いましたが、読み返してみると自転車で登るのが無理な坂道を歩いて行くと湧き水が あるということなのでしょう。
 しっかり読まないといけませんね。

◇菖蒲湯に被爆の五尺沈めけり(向日市・松重幹雄:長谷川櫂選)
 暑い夏がやってきます。「五尺」が利いていますね。

◇女にも女の力柏餅(長野市・縣展子:長谷川櫂選)
 こんな句、なんとも言えずいいですね。
 「女にも女の力」言うことなしです。

◇草笛の吹けぬ童の遅れがち(八王子市・斎賀勇:大串章選)
 子どもたちが並んで田んぼ道をゆくのでしょうか。道端の草を採って上級生がうまく草笛を吹いている。真似をしようと下級生はうまく吹けずに列から離れて いくのでしょう。田んぼ道より土手の道があいそうでしょうか。

◇花著莪に山の朝日の届かざる(飯塚市・千代田景石:稲畑汀子選)
 
著莪(しゃが)は日陰に自生するもので日の当たらない沢筋などに群生しています。日が高くならないと日を浴びることはあ りません。こんな風に詠むのですね。

◆朝日歌壇
◇大き葉につつまれし母の朴葉餅匂ひくるやうな五月は来る(神奈川県・宮地英子:馬場あき子選)
 私の故郷では端午の節句にサルトリイバラの葉で包んだ餅を母が作っていました。もう母にそんな元気もなく今年は姉から草餅が届きました。それも和菓子屋 に作ってもらったものでした。そんな時代になってきたんですね。

◇千円を握り歌いに客はくるたまにゃ一杯年金酒場(奈良市・大森富士子:佐佐木幸綱選)
 「年金酒場」とは言い得て妙です。私の行く店も段々「年金酒場」風になっていきそうです。

◇煙草吸う教師が禁煙説く如く核持つ国が禁止説く(松戸市・小町谷郁子:
佐佐木幸綱、高野公彦選)
 NPT(核拡散防止条約)は、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国以外の核保有を禁止する条約、先ごろもアメリカで会議があったそうな。泥棒が 泥棒するなというようなこと。
 核兵器廃絶には唯一の被爆国日本の役目があるように思いますが、この国の政府はアメリカの言うなりでどうしようもありません。

◇夜の底を風に転げる空き缶の音がいつしか私となる(福島 市・美原凍子:高野公彦選)
 
歌の意は十分にわかりませんが、映画のワンシーンを見るような歌です。
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