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10/06/08 朝 日俳壇、歌壇より

 昨日は前首相の退 任の表向きの理由の一つ「普天間問題」について、「戦犯」で構成される内閣では解決できないだろうと書きました。
 もう一つの表向きの理由「政治とカネ」の問題について、民主党新執行部発 足初日から否定的な意見が出てきました。
 枝野幸男幹事長は小沢一郎前幹事長の政治倫理審査会への出席について以下のように発言したそうです。

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−−小沢氏の証人喚問や政治倫理審査会への出席について。
枝野幹事長
私自身、前幹事長に政治的な説明をお願いしてきた。ただ今回、一定の政治的なけじめをつけられたなかで、検察審査会で議論されている。法的責任には防御権 その他がある。そのことは一定の配慮をしなければいけない。
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 幹事長を退任したことで「ミソギ」が終わったと言うことでしょうか?
 検察審査会で議論中だから影響を与えることはできないということでしょうか?

 検察審査会は国家(検察)が不起訴の判断が正しいかどうかを国民が判断するところです。当然、一般国民は国会の動きも偏った報道も含めて影響されるで しょう。それが検察審査会制度なのです。国会に証人喚問されるとか政治倫理審査会とかの場で明らかにすることも国民の判断の一つになるのですから、潔白を 信じるなら国会の場で明らかにすべきでしょう。


  一昨日(6日)付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇

 先週の俳壇に<草笛の吹けぬ童の遅れがち 斎賀勇>とい う句が入選されていました。
 今週も「草笛」を詠んだ次の句が入選していました。

◇草笛に良き葉探して殿(しんがり)に(神戸市・玉手のり 子:長谷川櫂選)
 草笛にできそうな葉っぱを捜しているうちにみんなから送れていく様子、私もキョロキョロと草や木を触っていていつも遅れがちに後を突いていく子どもでし た。

◇少年の草笛を聞きながら牛(養父市・足立威宏:金子兜太選)
 足立さんは入選の常連で牧歌的な句が多い方です。
 選者は「『聞きながら』が言えそうで言えない。土の温とさ」と評されています。

◇草笛の音の青さに驚きぬ(東京都・趙栄順:金子兜太選)
 風や音など見えないもの具象的に表現するのは難しいことです。こんな風に草笛の音は青とはうまいですね。


 民主党政権は、普天間基地は国外、少なくとも県外という政権公約を反故にして辺野古の海をアメリカに売り渡しました。党首(首相)の顔を変えて民の目め くらましで済まそうとする政権党に沖縄の怒りは収まりません。

◇沖縄の夏は怒りにあふれけり(川崎市・池田功:長谷川櫂選)

◇沖縄の拳のごとき夏の雲(栃木県壬生町・あらゐひとし:大串章選)


◇蛇過る長き一瞬ありにけり(大牟田市・鹿子生憲二:稲畑汀子選)
 私にも苦手なものがあります。その中でもっとも嫌いなものが蛇です。裏山を歩いていると登山道をのたりと横切る大きな蛇に出会います。電車の通過を待つ 踏み切りのように。「長き一瞬」そんな、長い時間です。

◇五頭目の鹿と衝突蝮草(熊谷市・内野修:金子兜太選)
 私には理解できない難しい句です。
 選者は「際どい句だが不気味で美しい。この草の茎の紋様など蝮を思わせ、それに鹿とは心憎い。それも五頭目とは」と評されていますが、評を読んでもまだ 理解できません。

 <老いてなほ望みもちたし桐の咲く ヨシ子>
 これはエッセイスト嵐山光三郎さんの「おはよう!ヨシ子さん」に載っている嵐山光三郎さんの母上・ヨシ子さんの句だそうです。こういう句がいいです ね。

◆朝日歌壇
◇読めませんとは決して言わないスキャナーがこれでどうだと文字ぶつけ来る(町田市・大西亞進:佐佐木幸綱選)
 選者は「最近は手書き文字もかなり正確に読み取るスキャナーができた。お互いに張り合っている感じが可笑しい」と評されていますが、スキャナーとは「画 像」をデジタル信号にして読み取るもの、文字を読み取る(認識)するのはOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)装置です。

◇コンビニのおにぎりコーナー早々と売切れとなる田植えの季節(神戸市・内藤三男:高野公彦、永田和宏選)
 選者の永田和宏さんは「弁当など作っていられない田植え期の繁忙。しかし他ならぬ農家がお握りを買って済ますという現代風景に違和感を感じたのか」と評 されています。
 米を作る作業の食事がコンビニのお握りとは皮肉なことです。きっとペットボトルのお茶などもよく売れているのでしょう。
 私の子どものころは、祖母が食事の用意をし薬缶に入ったお茶とともに田んぼに届けるのは子どもの仕事でした。家に帰って食事をする時間も惜しく働いてい たのです。

◇山越えの補助機関車の基地ありし町を燕ら風に乗りゆく(広島市・和田紀元:永田和宏選)
 鉄っちゃんではありませんが、鉄道やダム、工場などの人工物も好きです。
 昔の機関車はパワーがなくて急な上り坂は補助機関車で後押する方式や歯車を使って登るアプト式、
ジグザグに登るスイッチ バック方式、上り用に緩やかな斜面に線路を敷くとか、ループ状に線路を敷設したりする方法があります。そんな現場に行って 観ることは旅の楽しみの一つでもあります。

◇わがマヒがもしも元に戻ったら野を駆け山行き信州に飛ぶ(加古川市・田中喜久子:馬場あき子線)
 昨春、脳梗塞を発症して身体の不自由を経験してから麻痺がまた出るのではないかとの怖れを常に感じています。
 この歌のように”野を駆け空を飛んで”信州に行って見たいという思いは切なことでしょう。私もマヒの来ないうちに行けるところに行っておきたいもので す。

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