10/06/19 映
画二題
スポーツのこと。
サッカーのワールドカップの熱狂振りはいかがなものでしょう。一緒に応援の輪に入らないと非国民のように言われかねないナショナリズムには付いていけま
せん。
大相撲が財団法人であること、国技を名乗っていることなど不思議なことです。
相撲取りが野球賭博の客となったことをネタに脅されていたとのこと、野球賭博の客はまだまだいるとのことです。
野球賭博の胴元はヤクザですから、客の相撲取りに八百長相撲を仕掛けたことも考えられます。何度も何度も噂されながら実態が掴めなかった八百長相撲にま
で発展しないとはいえません。
相撲協会は解体して出直すべきでしょう。
◆ひとりひとりが違う死に方は幸せ
井上ひさしさんの言葉から。
「文藝春秋」7月号に井上ひさしさんの絶筆となった闘病記と妻のユリさんの手記が掲載されていました。
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入院中に、ひさしさんと交わした会話をふと思い出します。いろいろな人の闘病について話していた時、「病気の進み方も痛み方もみんなそれぞれ違うのだか
ら、比べようもないし・・・」と言う私に、ひさしさんはこう答えたのです。「戦争や災害だと、たくさんの人が同じ死に方をしなきゃならないんだ。ひとりひ
とり違う死に方ができるとは幸せなんだよ」
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映画の話題を二つ、一つはドキュメンタリー映画「ビルマVJ」、もう一つは恋愛映画「クレージー・ハート」で
す。
◆「ビルマVJ」
軍事独裁政権下にあるビルマ(ミャンマー)では外国のジャーナリストの入国も制限されるなど、厳しい情報統制がされている。ビルマ国内で何が起こってい
るのかを知ることは難しい閉ざされた国です。
そんなビルまで若者が家庭用と同様のハンディビデオで隠し撮りをし、インターネットや通信衛星を利用してノルウェーのオスロに本拠を置く地下放送局「民
主ビルマの声(DBV Democratic Voice of Burmaor)」からビルマ国内を含む世界に向けて放送されています。
題名の「VJ」はそれらの素材を取材するビデオ‐ジャーナリスト(Video Journalist)のことです。
07年8月に政府が燃料の500%も値上げしたことに端を発した反政府デモは政治運動をしないといわていた僧侶を中心に40日以上も続き、民主革命を予
感させるものでしたが、当局の武力介入によって100人余の死者、行方不明者を出して制圧され間で続きました。映画はこの事件のニュース映像を再構成した
ものです。
当局に目を付けられたVJがタイのチェンマイに逃れ国内のVJたちの報告を聞いたり指示をしたりする部分だけが再現映像のようです。
日本人ジャーナリスト長井健司さんが武装した兵士に背後から頭を撃たれるシーンが圧巻でした。
長井さんが持っていたビデオカメラもテープも当局から未だに返されていません。
アウンサンスーチーさんは1989年から軟禁、開放を繰り返しながら今も軟禁されたままです。1990年の総選挙ではアウンサンスーチーさん率いる国民
民主同盟が485議席中392議席を得ていますが、軍事政権はこの選挙結果を認めず政権の座に居座っています。
今年は総選挙が行われるそうです。是非、選挙が民主的に行われ選挙結果が尊重されることを望みます。
YouTubeに「ビルマVJ」を紹介したニュース映像がありました。「長井
さん射殺を報道のDVB(ビルマ民主の声) 映画完成」(TBSニュースバード 09/10/09)
◆「クレージー・ハート」
一世を風靡した中年(57歳の設定、初老?)のシンガー(バッド・ブレイク:ジェフ・ブリッジス)は酒びたりで新曲を書くこともできず、弟子ともいえる
若者(トミー・スウィート:コリン・ファレル)は人気者になっているのを横目に見ながらすさんだ生活をしている。
そんな男が旅公演先の田舎町でシングルマザーの雑誌記者(ジーン・クラドック:マギー・ギレンホール)と恋に落ちます。
ゆったりと時間の流れる家庭生活が訪れそうな矢先にバッドは飲酒が元で取り返しのつかない失敗をします。このことでジーンとの関係は破局してしまいま
す。
失意のバッドは断酒会に参加し生活を立て直し新曲の作曲に打ち込みます。新曲の評判もよくトミーとの関係も修復もできたのですが。。。
ほろ苦い結末を清々しい思いで見ました。
主演のジェフ・ブリッジスはアカデミー賞主演男優賞を取っていますが、初めて見る俳優でした。シングルマザーを演じてい
たマギー・ギレンホールは美人ではないだけに演技が光っていました。
主役がカントリーミュージックの歌手との設定ですから音楽も楽しめました。サンウンドトラック(クレイジー・ハート~オリジナル・サウンドトラック)が発売されるとのこと、ゆっくり聞いて見たいです。
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