10/06/27 映画「あの夏の子供たち」
サッカーのワール
ドカップ、相撲界の野球賭博騒動などでマスコミのはしゃぎぷりは異常ではないかと思います。参
議院議員選挙のことを国民が真剣に考えないようにしているのかと思うほどです。
27日付けのしんぶん赤旗の「きょうの潮流」というコラムに柳家小三治さんのことが書かれていました。
小三治さんはドキュメンタリー映画「小
三治」を観てから、舞台以外ではかなりストイックな人だなあと思っていました。
また、土茶という俳号で俳句も詠まれるとのこと、小沢昭
一さんの「句あれば楽あり」を紹介したとき(残日録
08/10/30)に下記の句を紹介していました。
吹く人の心うつして草の笛
こういう句は詠み人の人柄が偲ばれるよい句ですね。
さて、しんぶん赤旗のコラムですが、小三治さんが落語協会の新しい会長に選ばれたということ、小三治さんの人柄、落語論が紹介されています。
小三治さんによると雑誌などの落語評について「新しい演出や新しい下げ(=落ち)の工夫などをほめておけばいいという手
合いが大はやりのようだが、あれはほかにほめようを知らない者の仕業である」と斬られているそうです。
コラムは「なるほど。似た話は選挙でも思い当たります。あの『小泉劇場』
のように、物事の本筋を外し、一勢力のわざとらしい演出をはやし立て報じる手合いに、ご用心」としめています。
ご用心、ご用心です。
フランス映画
「あの夏の子供たち」を紹介します。
有能でやり手の映画プロデューサーとその家族の物語です。
パリで映画制作会社を経営する夫は、のべつまくなく携帯電話で話しているような猛烈な仕事人間ですが、週末はパリ郊外の別荘で妻と三人の娘との家庭を大
事にするよき父親でもありました。
しかし、経営する映画制作会社が経営に行き詰まり自殺してしまいます。残された妻は会社を再建し製作途中の映画を完成させられないかと試みますが。。
劇場で予告編を観て、また京都民報で
も紹介されていたこともあって見ましたがもう一つの印象でした。
映画制作会社の窮状はかなり詳細に描かれていましたが、それにしても父親の自殺は唐突な感じでした。
彼の実家は資産家であり最後には借金を頼めると言っていたようなのにどうしたのでしょう。死なないための努力が見えませんでした。自殺願望のある私が
言っても説得力はありませんが。
電車に乗ってどこかの町の街角で拳銃自殺をするのですが、その前に手紙様のものを燃やしたのは何だったのでしょう。隠し子など彼の秘密の何かだったので
しょうか。
父の死後、彼には結婚前の恋人との間に子どもがいたとの噂話を聞いた思春期の長女が、元恋人と異母兄を探すくだりがありましたが物語の展開上どんな意味
があるのかよくわかりませんでした。
ぼんやり観ていていくつかのキーワードを見逃したのかもわかりません。
経営の再建ができず、製作途中の映画の完成もさせられないまま母の故郷のイタリアに帰る母娘、明るい色調の場面とケ・セラ・セラの音楽が彼女らの未来を
予測しているようで安心して観られるエンディングでした。
脚本・監督はミア・ハンセン=ラブという1981年生れの若い女性です。映画プロデューサーが自殺するという同じような経験をされているそうです。長編
2作目とありました。
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