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10/07/20 朝 日俳壇、歌壇より

 民主党政権は、北 朝鮮による日本人拉致事件が進展しない現状を糊塗するために、韓国の政治犯をチャーター機で超法規的に入国させ、拉致被害者の家族などと合わせています。
 前首相の別荘を使った演出は誰を利するのでしょうか?
 被害者は帰ってくるのでしょうか?
 拉致事件の根本的解決のための一歩なのでしょうか?

  昨日( 19日)付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇青春やキャベツばかりの八宝菜(福岡市・伊佐利子:金子兜太選)
 若い男性の句かと思いました。キャベツを炒めて甘酢あんをかけただけの質より量の男飯を想像しましたが、女性の句のようです。
 若いときには何を食べてもおいしいものです。

◇手を離れ恋の蛍となりゆけり(倉敷市・米元ひとみ:長谷川櫂選)
 蛍の発光は生殖と関係があるのでしょうか?手を離れた蛍が「恋の蛍」となって相手を見つけに行ったのでしょうか?
 蛍のロマンスが成就するとよいですね。

◇鉄を切る人に大きな扇風機(長崎市・濱口星火:長谷川櫂、大串章選)
 薄暗い建物の中から溶接の青い光、その光源には腰を屈めた男の姿、男の体から滴る汗、大型ファンが回っている。
 一篇の物語を自分で作ってしまいそう。

◇甘藍を育てて蝶も育てたり(日田市・原田夏子:長谷川櫂選)
 子どもの頃に畑で作っていたキャベツは「甘藍(かんらん)」と呼んでいました。懐かしい呼び名です。
 一人遊びが好きだった子どもは、畑の甘藍についた青虫をつかんで帰り菓子箱で飼って蝶に孵していたことを思い出しました。
 農薬を使わずに甘藍を育てることは蝶も育てることと同義なのです。

◆朝日歌壇
◇「ほろ酔い」は奥行き一間間口二間亜鉛鉄板(トタン)屋根に水無月の雨(小浜市・田所芳子:永田和宏選)
 居酒屋「ほろ酔い」の女将が詠んだような歌です。
 八代亜紀の歌の舞台のようです。間口二間、奥行き一間のカウンターだけの小さなお店、♪肴はあぶったイカでよい(舟唄)みたいなお店でしょう。こんなお 店で地の肴で一杯やりたいものです。

◇児ら泳ぐ速度に合わせ校長は炎天のプールサイドを歩く(前橋市・荻原葉月:永田和宏選)
 子どもらの泳力の昇級試験の風景でしょうか。私の子どもの頃の校長は偉くてプールサイドに出てこなかったような。
 泳ぐ子らを見る目の優しさを感じる歌でした。

◇ペンキはがれ朽木のごとき船体なりされど眠れぬ第五福竜丸(浜松市・松井恵:馬場あき子、高野公彦選)
 ヒロシマ、ナガサキにつぐ、3番目の原爆による被害は1954(昭和29)年3月1日のアメリカの核実験により被爆した第五福竜丸でした。
 ノーベル平和賞受賞者の大統領のプラハ演説が白々しく感じられる毎日です。
 先ごろ、第五福竜丸は
1947(昭和22)年、和歌山県串本町で第 七事代丸(ことしろまる)として建造されていて串本町では書くの恐ろしさとして語り継がれていると報じられていました。「第五福竜丸:核の恐ろしさ知って 建造の地、串本町主催で来月平和展」(毎日新聞 10/07/07)

◇生きるメド死ぬるメドも立たずして右マヒのわれ梅雨空をあおぐ(加古川市・田中喜久子:馬場あき子選)
 
田中喜久子産の歌は「三秒だけ待って下さい履けるのです飛んできて靴を履かせないで」のように、病んだものでしか詠えな い歌を詠まれています。
 哀しいけれど、生きている強さを感じます。

◇穴掘りて牛埋められし 人もまたアウシュビッツでカチン の森で(嘉麻市・野見山弘子:高野公彦選)
 口蹄疫の流行で殺処分、埋処分された牛に独裁者に殺された人々を重ね合わせて暗い気持ちになります。しかし物事の本質は大きく違います。家畜と人間。

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