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10/07/28 朝日俳壇、歌壇より

 頭髪がかなり薄く なったことと、ある事情から8年ほど前からスキンヘッドにしています。寒さが堪え昨冬からニット帽やキャップなどを被っています。今年の春からは帽子の種 類にハンチィングが加わりました。

 デパートの洋菓子売り場に行くと多くの洋菓子店が店員にハンチィングを被らせていることに気づきました。
 ハンチィングで思い出すのはサッコ・ヴァンゼッティ事件のイタリア移民で魚の行商人だったヴァンゼッティの被っていた姿です。もちろん映画(死刑台のメロディ)の中の こと、1920年代のアメリカの労働者の作業着のようなものだったのでしょう。
 もう一度観てみたい映画です。帽子の話からずれました。

◆辻元清美氏は議員辞職を
 社民党の辻元清美 衆議院議員が離党しました。
 なんとも言い訳がましい記者会見であったようです。あのような理由で有権者を納得(騙せる)と思っているとすれば大阪10区の選挙民をなめているとしか 思えません。ちなみに筆者は大阪10区の有権者です。

 辻元氏が今後どのような政治活動をしようが勝手だが、それには社民党公認で得た議席を使うべきではないだろう。まず、議員を辞職してから好き勝手にやれ ばいい。まず議員辞職だ。

◆沖縄県知事選挙
 共産党、社民党、沖縄大衆党が11月に行われる沖縄知事選挙の「基本姿勢」で合意したと報じられています。
 その「基本姿勢」は
、「普天間基地の早期閉鎖・返還、海兵隊撤退、県内移設断念、日米共同発表撤回を政府に求めます」な ど5項目で、県民の意思である「海兵隊撤退」が掲げられた合意です。沖縄知事選 海兵隊撤退を明記」(しんぶん赤旗 10/07/27)

 3党合意が発展し「アメリカの基地は要らない」という統 一候補が決まるように願います。

  26日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
 金子兜太さんの選は<転生の一度はかかる暴れ梅雨(前橋市・早川美ん和)>のように私には難しい句ばかりでした。

◇夕焼に心焼かれて帰りけり(大阪市・池田一男:長谷川櫂選)
 心まで焼かれてしまうほどの真っ赤な夕焼だったのでしょうね。
 選者は「夕焼けに心も染まるとはいうが、『
焼かれて』となると、激情がある。圧倒的な夕 焼けだったのだろう」と評されています。

◇すれ違ふ日傘見てゐる日傘かな(新潟市・岩田桂:大串章選)
 女性同士がすれ違いざまに相手を値踏みしている図かと思いましたが、岩田桂さんは歌壇でも<
領収書要らぬビールで乾杯す 昔愚痴った女将の店で>の歌で入選されたいる方と同一人であれば詠み手は男性のようです。
 男性が女性の気持ちを詠んだ句でしょうか?

◇雲の峰白の濃淡積み上げて(福岡市・松尾康乃:大串章選)
 入道雲は色々の色、形が組み合わされt作られています。白い雲といっても色々の白があり、濃淡もあれば光沢の違いなど微妙な色合いの違いがあります。
 入道雲のようにそそり立つような雲を雲の峰というそうです。言いえて妙な言い方です。

◇少しづつ旅の気分に冷房車(北海道鹿追町・高橋とも子:稲畑汀子選)
 旅の気分はどこから始まるかと言えば、私の場合は着替えなどのパッキングをしているところからでしょうか?
 汗を流して乗り込んだ列車のドアが閉まりしばらく走ると冷房が効きかけ汗がひいて旅の始まりを感じられたのでしょうか。どちらへの旅でしょうか?

◆朝日歌壇
◇少年は海獺(らっこ)のごとく背で泳ぎ日に仰け反りて喉仏見す(高石市・木本康雄:馬場あき子選)
 選者は「少年の背泳ぎ姿、『海獺』の比喩のためたちまち目に浮かび可愛らしい。『喉仏見す』まで結句まで動的な描写も有効」と評されています。
 少年から青年へと成長した少年と呼ぶには少し憚られるような妙な感じの年頃の「おとこ」ですね。

◇げた箱に入りきらない長靴が横向きで待つ下校の時刻(広島市・底押悦子:馬場あき子/佐佐木幸綱/永田和宏選)
 何気ない学校の風景もこんなきれいな歌になるのですね。
 ところで、げた箱っていう言葉も最近はあまり聞かなくなりました。「靴箱」というようです。下駄のある家庭が少ないからしようがないことなのかも知れま せん。ただ、学校ではげた箱って言っているのでしょうか?

◇田植機の後ろを母は早苗持ち足摺るやうに補ふてゆく(神戸市・小田玲子:佐佐木幸綱/高野公彦選)
 田植機も完璧には植え付けができず、歯の抜けたところは補植していく必要があるのですね。田植機で植えた苗はきれいにまっすぐに植えられていますが、子 どもの頃、不器用だった母の植えた後はジグザグと曲がっていたことを思い出しました。

◇真珠束ネルにくるみて彼(か)の広きテキサス巡りし日々もまぼろし(舞鶴市・吉富憲治:高野公彦選)
 選者の評に「真珠の束を大事にフランネルでくるみ、テキサスを車で走り回って売った日々を懐かしみ・・・」とありました。
 日本の真珠は品質が高く評判だったのでしょうね。アメリカまで行商をしていたとは知りませんでした。
 知り合いの華僑の真珠商に聞いた話では、神戸から宇高連絡船、松山を経て宇和島まで1昼夜かかって真珠の買い付けに行っていた、重い真珠の入った袋を 持って駅の跨線橋を何度も上り下りしたとも言っていました。

◇領収書要らぬビールで乾杯す昔愚痴った女将の店で(新潟市・岩田桂:永田和宏選)
 会社の接待費を少しは使える立場にもいましたが、小心者は飲み食いの代金を接待、交際費で落とすことはありませんでした。
 こんな歌を読むと自前のビールは旨いでしょうと言いたくなります。

◇子どもの歌
 高野公彦さんの選で下記の少女の歌が選ばれていました。

 ◇にわにあるばあばのはたけにきゅうりなりトゲトゲいたいだけどうれしい(福岡市・ながいまゆか)
 ◇糸の先にするめをつけてつったんだ大きいザリガニだこ れどうしよう(横浜市・高橋理沙子)

 ながいまゆかさんは7歳、高橋理沙子さんは小学一年生だそうです。二十歳代と思われる方の入選も多いですが、小学生以下の入選も多い朝日歌壇です。
 なぜか、幼少の出演者が合格することの多かった昔のテレビ番組「素人名人会」を思い出しました。 

◆中島誠之助さんの句集
 「いい仕事してますねえ」でテレビでも露出の多い古美術鑑定家・中島誠之助さんは中学生時代より俳句を詠まれるそうです。俳号は閑弟子(たんていし)。 古希を迎えられ1年間に詠んだ千句をまとめて「古希千句」として 発行されたと「風信」欄にありました。
 1年間に千句とはすごいですね。代表句として<湧き水に腰を洗いて座禅草>が紹介されていました。

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