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10/08/12 茜雲忌

◆盗人猛々しい
 日韓併合百周年にあたり菅首相は談話を発表しました。(全文は時事通信のWebサイトに)
 その中にこんな一節がありました。

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日本が統治していた期間に朝鮮総督府を経由してもたらされ、日本政府が保管している朝鮮王朝儀軌等の朝鮮半島由来の貴重な図書について、韓国の人々の期待 に応えて近くこれらをお渡ししたいと思います
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 侵略して略奪してきたことを「もたらされ」たと言い、略奪した物
(朝鮮王朝儀軌(ぎき))を 自分の手元に置くことを「保管」と言い、侵略した物を返すのではなく「渡」すというのですね。

 盗人猛々しいとはこのようなことを言うのでしょう。
 この「挑戦王朝
儀軌」はユネスコから世界遺産に登録されているほどの貴重な文化、歴史資料だそうです。

 随分と上から目線であることです。


◆幼児扱い
 清水哲男さんの「新・増殖する俳句歳時記」というWebサイトでは、一日一句が解説つきで紹介されています。そして清水 さんのスナップ写真に日常の一言が添えられています。
 今日(12日)は
下記のように書いておられます。

 「女性看護師やヘルパーが老人を幼児扱いするのは見てい て不愉快也」

 清水さんの父上は数日前に危篤状態に陥られていると書かれていましたので、その病院での一こまでしょう。
 看護師や介護職の人たちはなぜ子ども言葉(幼児語もどき)を使ったり、幼児のように扱うのでしょうか?
 今は老い、あるいは病の床にあっても、一人の人間として人生を歩んできた人には、人間の尊厳を冒すような接し方はいかがかと思いました。

  8月とは鎮魂しなければならないことが多過ぎます。
 1985(昭和60)年8月12日、日本航空羽田発大阪行き乗員乗客524人乗りのジャンボ機が群馬県の山中に墜落して520人の命が奪われました。

 この事故の遺族の文集の名前から8月12日を茜雲忌と呼ぶそうです。未だ歳時記には載せられていません。

◆JALは安全なのか?
 四半世紀経って日本航空の安全性は高まっているのでしょうか?

 経済評論家の森永卓郎さんによれば、国土交通省が作った日航の再建計画の骨子は下記のようなものだといわれています。
理想と現実のど ちらを優先すべきか」(マガジン9条 森永卓郎の戦争と平和講座)

@2年間で国際線28路線、国内線50路線を撤退する。
A国際線の事業規模を4割減、国内線3割減とする。
B1万6千人の大規模リストラをする。
Cパイロットは年収3割カット、客室乗務員は25%カット、地上職員は20%カットという大幅賃下げする。
D株主には100%減資を求めた。多くの個人株主には株主優待の権利もなくなることになる。

 要するにコストをカットして収支を改善しようということ のようです。
 私は安全とコストはある程度比例するものだと思っています。逆にコストの削減は安全を脅かす要素であると思います。

 TBSテレビのNewsi「日航機墜落事故25年、整備の現場は」
(11日18:14)と いう番組の中で「この半年に6000人いた整備士のうち、ベテランを中心におよそ1000人が職場を去りました」と報じていました。現在YouTubeに動画が アップされています。
 安全とコストカットは同時には成立しないものです。

◆事故の真相
 当時の航空事故調査委員会は、「機体後部の圧力隔壁が破損したために墜落した」と結論付けましたが、この事故の真相は未だ明らかにされていないと思いま す。
 事故原因の真相が明らかになるときはくるのでしょうか?

 日本航空機長組合は「日航123便事故 25年目にあたって」(10/08/12)の中で、事故調査委員会の調査報告書の結論には 矛盾があると指摘し再調査を求めています。

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それ(
日航123便事故調査報告書)によれば、ボーイング社による過去の修理ミスが後部圧 力隔壁に亀裂を生じさせ、急減圧が起こり、その結果垂直尾翼の破壊、油圧系統の喪失による操縦不能が、事故の原因だとしています。しかし、私たちが把握で きる数少ない証拠品だけから推論しても、この「報告書」には矛盾点がいくつも存在し、納得のいくものではありません。生存者の証言や後年になって入手した ボイスレコーダからは、「報告書」が推定した急減圧が発生したとは考えられない状況が再現されています。
 機長組合は、「報告書」発表当時から、123便事故の再調査を求めています。再調査によって、事故の真実が明らかにされるばかりでなく、事故に至った背 景が浮き彫りになると信じるからです。そうすることが事故の再発防止には欠くことのできないものと考えるからです。また、当時の事故調査技術では解明でき なかったことも、25年経った今では調査することが可能になった分野もあると考えます。
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 日本航空乗務員組合も事故調の 報告書の矛盾を指摘しています。

 事故調査委員会の報告書の矛盾を指摘しているのは労使協調ではない労働組合ばかりです。労使協調とは誤りも見て見ぬ振りをしなければ生きていけない魂ま でも売るような人間になるのでしょうか。

 また
安部譲二さんが日本怪死人列伝」で書いておられるように日本航空外からも事故調査委員会の報告書の誤りを指摘する意見は多い のです。以前に「残日録 07/12/31」で紹介しています。

 安部譲二さんは 日本航空の客室乗務員をされていたこともあり、機体破損後の操縦手法や、世論をミスリードして墜落現場を翌日まで国民に知らせなかったなど、 中々面白い推理をされています。安部さんの推理は、事故調査委員会が発表した「機体後部の圧力隔壁が破損したため」の墜落ではなく、自衛隊がミサイル発射 訓練の標的機としていた「ファイアビー」が衝突 し、垂直尾翼を破壊したとの作家の吉原公三郎さんの推論を推されています。

 一日も早く事故の真相が明らかすることが、亡くなられた520人に報いることだと思います。

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