Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back  Haiku  Photo Mail Archives Twitter  Next→

10/08/23 朝日俳壇、歌壇より
  今日は二十四節季の一つ処暑、地蔵盆でもあります。もうそろそろ涼しくなっても良かろうにと貧乏人は切に思います。

◆官房機密費
 西日本新聞の20日付けの社説(
官房機 密費 隠して守る国益とは何か)に下記のようなことが書かれていました。

-------------------
 機密費という性格上、すべてを即刻明かせない事情もあるだろうが、一切の情報公開を拒むのは納得できない。また、機密費といえども、元をたどれば私たち 国民が支払った血税だ。納税者には、税金の使途を知る権利がある。公開が原則でありながら、公開できないというのなら、その理由を説明するのが筋だ。原則 と例外をはき違えては本末転倒である。
------------------(引用)

 そのとおりです。使途を明らかにできない場合は例外なのです。
 官房機密費とは領収書提出の義務がないそうですが、金を受け取った人(情報提供者への報償なのか、飲食代なのか)は所得や売り上げを隠しているというこ とにならないのでしょうか?

◆格安航空会社
 通常の航空運賃の数分の一というような運賃で運行する格安航空会社をLCC(Low Cost Carrier)と呼ぶそうで、マスコミは盛んに取り上げていますがその安全は大丈夫なのでしょうか?

 日本経済新聞の記事(「格安航空、大手運賃の2〜6割安  無料の機内サービスは限定的」10/08/14)は、下記のよ うなコスト削減策をとることにより低価格運賃を可能にしているとして上で、安全については「LCCは監督する各国の航空当局から大手航空会社と同様に厳し い安全基準を適用されている。運賃が安いからといって大手航空会社と比べて安全面で劣るとはいえない」(引用)と書いています。
 本当でしょうか?既存の航空会社が暴利を貪っているのでしょうか?安全にはコストが掛かることを認識しておきましょう。

 コスト削減の例
◇機内外のサービスの簡素化あるいは有料化
◇使用する飛行機の機種を限定することによる整備コスト、教育コストの抑制
◇稼働率向上のため空港での滞在時間を短くしている 等


  23日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇空蝉や歩みて来る高さあり(藤沢市・寺田篤弘:金子兜太選)
 自宅近くにある欅の木には蝉の抜け殻が2mほどの高さの位置に大量についています。また、草丈10cmほどの草の葉についている場合があります。どうい う加減で蝉は脱皮の場所を選ぶのでしょう?
 句の意味はよくわかりませんが、そんなことを考えました。

◇甚平の出てきて話こじれけり(横浜市・橋本博之:長谷川櫂選)
 甚平を着ているのはこの家の頑固親父でしょうか?丁度、話がまとまりかけているところに人が入って拗れてしまうことはよくあります。
 「甚平が出てきて」で雰囲気が伝わります。

◇二人ともはみ出して ゐる日傘かな(流山市・荒井久雄:大 串章選)
 話をしながら歩いている二人、お互いに話し良いように日傘をちょっと外に傾けている。そんな風情でしょうか。
 佳人ならそばに寄って二人の話を聞いてみたいです。

◇丘はいま家並に埋まる炎暑かな(東京都・望月清彦:大串章選)
 我が家は天王山の麓の集合住宅、淀川を挟んで向こうに見えるのは男山、その南斜面は住宅で埋め尽くされています。
 山を削って作られた住宅地、その上に立てられた家々、さぞ暑いことでしょう?
 あまりの暑さに、淀川の土手を走る京阪電車や自動車が揺 れて見えます。

◆ 朝日歌壇
◇父が仕掛けし塩卵呑み青大将見事果ており鶏小屋に(浜松市・仲村正男:馬場あき子選)
 昔、裏庭に数羽の鶏を飼っていました。鶏が産む一日数個の卵は私たち子どもの栄養源でした。その上前を撥ねる泥棒蛇には困ったものでした。
 塩卵とはどういうものでしょう?塩卵を飲み込むと消化できずに蛇を死ぬのでしょうね。

◇無残なり緑滴る里山の茶色く焼けたカシナガ被害(春日井市・綿谷博昭:佐佐木幸綱選)
 キシナガとはカシノナガキクイムシのことのようで、今年は奈良の春日山、屋久島などでも被害がでたと報じられています。
 近くの山にもポツンポツンと赤茶けた木が斑点のように枯れています。山中では枯れた木をビニールで包んで燻蒸処理しています。

◇生の果て険しき人は穏やかに、優しき人は夜叉になるとい ふ(徳島市・上田由美子:高野公彦選)
 生前に険しかった人は穏やかに、優しかった人は夜叉にあの世ではなるということでしょうか?
 真面目だった人、頑固だった人が老いると呆け易くなると聞いたことがあります。ちょっと頑固な私はあの世のことより終末のことが気になります。

◇いつまでも二人でゐられるものでなし雨はあがれどあめの匂いす(名古屋市・伊東美子:永田和宏選)
 選者の永田和宏さんは妻の河野裕子さんを先ごろ亡くされています。そのことと考え合わせるとこの歌は意味深い。
 「生者必滅会者定離」、会うは別れの初めとか、会ったものが別れることは必然ということでしょう。

◇「いい人ですね」云われる少しの快感が僕にもう一つの嘘 をつかせる(熊本市・近藤光弘:永田和宏選)
 「いい人」と言われ、そのように見られていると思うと「いい人」を演じてしまうってことあります。嗚呼そうして嘘を繰り返してきたのかも。

◇死ぬために生きてるようなものなんだ声出してみる人の居ぬとき(岡山市・小林道夫:永田和宏選)
 生きるとは死ぬまでの時間潰しともいいますね。声出してみるのはどんな言葉でしょうか?

◆原爆忌俳句大会
 8月8日、原爆忌東京俳句大会が開かれたと俳壇、歌壇の紙面に載っていました。
なぜか東京大会だそうです。広 島、長崎でも行われるのでしょうか?

◇皺の手で皺の手握る原爆忌(石田かずみ)
 東京都知事賞だそうです。

◇祈るとは立ちつくすこと白芙蓉(東金夢明)
 こちらは現代俳句協会賞の一句です。

inserted by FC2 system