10/09/22
朝日俳壇、歌壇のことなど
今夜は中秋の名
月、残念ながら当地では曇り空で月は望めません。
夏バテなのか、なれぬ仕事のせいなのか物を考える力がありません。
菅直人が民主党の代表に選ばれ、改造内閣が発足したこと、村木冤罪事件で検察官が証拠を改ざんしていたこと、尖閣諸島問題で中国が頑なな態度をとってい
ることなど、世の中は賑やかな様相ですが、頭がついていきません。
村木冤罪事件の検察の証拠を改ざんは何をいまさら騒いでいるのだろうと思います。警察、検察は今までも無実の人を罪に陥れるためにせっせと証拠を捏造し
てきた例には事欠きません。
さて、朝日新聞の俳壇、歌壇で入選された句や歌をを紹介するのも遅れがちです。
20日付の朝日俳壇、歌壇からいくつか紹介します。
◆朝日俳壇
俳句もどきの17音の短詩を作っていますが、絶不調で句作ができずにいます。気に入った句を列記しておきます。
◇脱糞の猫追へばある花茗荷(横浜市・本多豊明:金子兜太選)
◇小鳥来る杖がとれたと友がくる(熊本県菊陽町・渡邊佳代子:金子兜太選)
◇天高く選者の憎きかほ四つ(秦野市・熊坂淑:長谷川櫂選)
◇流れゆく飛蝗や水を蹴りつづけ(伊勢崎市・小暮駿一郎:
大串章選)
◇草刈られ風の道まで刈られけり(鹿児島市・青野迦葉:稲畑汀子選)
◆朝日歌壇
◇蟻地獄に蟻捕へては落としゐる夏もをはりの少女の遊び(笠間市・北沢錨:馬場あき子/永田和宏選)
この少女の遊びはよくわかります。幼いころ一人遊びの好きだったわたしも同様の遊びをしていました。
永田和宏さんは「新しい遊びに無心に興じる少女という一見和やかな景だが、『夏のをはり』の背にはどこか不吉な影が」と評されています。残酷で不吉な感
じですね。
◇降伏の白旗のごと洗濯物を軒端に下げて一日始まる(銚子市・小山年男:馬場あき子選)
女性の歌だと思いましたが男性の歌でした。「降伏の白旗」とは男性ならではの表現でしょうか。
老老介護をされているのか、独居なのか、私も予備軍ですがこんな家庭がどんどん増えていくのでしょう。
◇この日本に見えないけれど居るのだよ長寿と言われ永久(とわ)に彷徨(さまよ)う(大津市・山口マリ子:佐佐木幸綱選)
先日の敬老の日、テレビのニュースでは市長らしき男が無理やり(と思われる)に身奇麗にされた老人とツーショット写真に納まる絵が映されていました。虚
ろな老人の表情が印象的でした。
高齢者の所在不明が相次いでいるために行政が取った「祝い金手渡し」の一つの現れでした。
この歌のように、生死も知れず彷徨っている老人たちの怨霊は安らかに眠ることもできない。私は政治の所為、政治の責任と思いますが。
◇胸の上生まれたばかりの息子抱く命の重み3224(神戸
市・小島梢:高野公彦選)
女しか感じられない喜び、3224(グラム)がいいですね。
◇結局は怒りの父が残るだろう子の思い出に私が死ねば(東京都・無京水彦:永田和宏選)
私が死んだら子どもたちは何と思うでしょう。子どもにとって父親である私の印象は如何なものでしょう?
◆全国俳句大会の入選句から
俳人協会主催の第49回全国俳句大会が開催されたそうです。大会賞に選ばれた7句の中から気になった句を。
◇母と子の同じ命日原爆忌(愛知・都合ナルミ)
同じ命日、同じく原爆で死んだ親子、井上ひさしさんの「戦争や災害だと、たくさんの人が同じ死に方をしなきゃならないんだ。ひとりひとり違う死に方がで
きるというのは幸せなんだよ」という言葉を思い出しました。
|
|