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10/10/21 朝日俳壇、歌壇より

 ラジオでセントラ ルリーグのクライマックスシリーズのドラゴンズVSジャイアンツを聞いています。
 2回裏、2アウト1、2塁で投手の吉見がタイムリーで1対0と先制しています。昨日の1勝に続き幸先のよいことです。

 11月10日告示の沖縄知事選に自主投票と情けない結論を出しつつある政権党の民主党ですが、民主党沖縄県連会長で前参議院議員の喜納昌吉氏の出馬が噂 されています。
 喜納昌吉氏が出馬する意味は何でしょう。喜納昌吉氏が歌のように沖縄を愛するのなら出馬しないで伊波洋一さんの支援すべきでしょう。

  18日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇秋の蛇父はゆれゆれ兵ならず(神戸市・豊原清明:金子兜太選)
 選者の金子兜太さんは「秋、これから穴に入る蛇と同じように、揺れて頼りなげな父がいる。戦時を民間人として生きてきた父」と評されていますが、秋の蛇 とゆれゆれがよくわかりませんでした。
 兵ならずが戦時に兵隊に取られなかったという意味であれば、私の父も大病をし身体に障害が残ったので兵隊には取られませんでした。母一人子一人の母子家 庭では息子が兵隊に取られなかったという安堵と同時に、戦争へ戦争へとすべてが傾斜していく世の中では肩身の狭い生活だったろうと思います。

◇大根に横たわる裸婦紛れおり(新庄市・畠腹吉子:金子兜太選)
 八百屋の店先に並べられた大根でしょうか、畑から収穫され水洗いされたばかりの大根でしょうか、いずれにしても真白な大根は寝そべりポーズをとる裸婦の ように見えます。
 出来損ないの二股に割れた大根など裸婦そのものです。

◇私にどかんと老いの来る秋暑(小金井市・浮海早苗:長谷 川櫂選)
 残暑も厳しい年でした。
 秋になってこの句のように「どかん」と老いがきたような秋バテを経験しました。

◇未来未定ハンカチの花真白なり(東京都・佐瀬はま代:長谷川櫂選)
 ハンカチの木というものがあり、白いハンカチ状の花を咲かせると地方紙に掲載されていた記事を思い出しました。
 未来が未定なのは、これから何色にも変われる若さの特権です。

◇刈り終へし田に労ひの雨となる(筑紫野市・多田蒼生:稲 畑汀子選)
 母一人で耕し、収穫をしていた三反百姓の子倅だったわたしは、雨が降ると母の身体が休まることがうれしかった。また、水にも困る土地柄なので雨は文字通 り慈雨でもありました。刈入れが終わったタイミングを見計らったような雨、労いの雨です。


◆朝日歌壇
◇我らには子なし時たま戯れに夫を「父さん」と呼んでみたりす(横浜市・中川節子:馬場あき子選)
 曲がりなりにも子を得てる身からすれば、子に恵まれなかった人たちの気持ちは十分に分かることはできませんが、この歌のように「父さん」と呼べることは また違った幸せでしょう。

◇どんぐりと我にあだ名を付けし娘(こ)のメールの署名に子どんぐりとあり(東京都・海老根清:佐佐木幸綱/高野公彦選)
 娘にどんぐりとあだ名を付けられた作者は女性だと思っていましたら男性のようです。メールの中身もさぞ温かなことでしょう。父と娘のよい関係が羨ましい ことです。

◇蝦夷鹿の牝から間引くと聞かされて急にざわめく子宮の周辺(あたり)(恵庭市・五十嵐容子:高野公彦選)

 すごい感受性豊かな歌だと思います。
 牡鹿から間引かれるとしても男性はどこもざわめかないことでしょう。

◇幡ヶ谷の青信号を自転車がとんぼが風がわたしが渡る(調布市・水上香葉:高野公彦/永田和宏選)
 リズムのよい歌です。
 選者の永田和宏さんは「初句の固有名詞がいい。以下、青信号を渡る四つの具体が初秋の爽やかさを生き生きと伝える」と評されています。
 ああ、爽やかな秋です。

◇秋風の吹く夜であったかもしれぬあなたを連れて帰らない風(高槻市・門田照子:永田和宏選)
 難しい歌です。秋風の吹く夜に秋風に連れられて逝ってしまった人のことを詠んでいるのでしょうか?
 選者は「挽歌だろう。不思議な雰囲気の中に悲しみがにじむ」と評されていました。

◇弱点と思える君のやさしさは君を愛するためのやさしさ (ひたちなか市・猪狩亜紀子:永田和宏選)
 恋愛における男のやさしさは、優柔不断さに繋がるものだと私は思いますが、この歌も自分自身を愛するためのやさしさではないかと問うているのでしょう か?

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