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10/11/02 朝日俳壇、歌壇より

 テレビは中継しま せんでしたが、プロ野球日本シリーズはドラゴンズがマリンズとの対戦成績を1対1に戻して、今日からは千葉マリンスタジアムで3連戦、第2戦の大勝ちが裏 目に出ませんようにがんばってほしい。

◆しんぶん赤旗と読売新聞
 ソフトウエア販売会社を経営されているビル・トッテンさんは自身のコラム(Our World)で、同じ出来事を共産党の機関紙と対照的な報道をするのが読売新聞だから、部下には読売新聞と赤旗の両方を読むようにと言っておられるそうで す。読売新聞よりは赤旗の主張に近いビル・トッテンさんに読売新聞から意見を求められることはないと書いておられます。(「米国標準が世界を不幸に」 08/10/03)

 その読売新聞が共産党の元議長・不破哲三さんの連載が始まったそうです。「『読売』連載に不破氏登場」(しんぶん赤旗 10/10/25)
 世の中は、川の流れのように淀んでいると見えても流れているのですね。

◆死刑判決
 裁判員制度に反対する理由の一つが死刑判決に関与しなければならないことです。人を殺めた人間でもその人を殺す死刑の判決に自分が加わらなくてはならな いことは一般市民が負うべき義務や責任の範疇を超えていると思います。

 
検察が死刑を求刑をしいた俗に「耳かき殺人事件」と言われている裁判で無期懲役の判決が 下されました。
 死刑が回避されたことに何故かホッとしました。この結果 に至るまで裁判員の苦悩はいかばかりだったでしょうか?

 この判決に関して信濃毎日新聞は、「裁判員は有権者から無作為に選ばれた市民である。望んで参加しているとは限らない。そうした人たちに、死刑判断の義 務まで負わせるのは適切なのか。精神的な負担の重さもかんがみたうえで、今後の裁判員制度の見直しのなかで検討されるべき課題である」
裁判員裁判 『死刑回避』判断の重さ」(信濃毎日新聞 10/11/02)と 書いていますが、もっともなことです。と同時に死刑制度の廃止も是非実現して欲しいものです。

◆男は孤独
 色々なラジオ番組をPodcastで聴いています。
 文化放送の大竹まことの「ゴールデンラジオ」という番組に作家の渡辺淳一さんが出演されていました。

 老年の男性の病気の原因は、世間がもう必要としていないとの思い込み?から、
生きがいを持てなくなり虚しさや孤独にある と言われていました。
 会社を
辞めた男には友だちがいない、会社のときの「友だち」は真の友だちではありえな い。

 うまく要約できませんが、女性の場合は誰とでも気さくに話すけれど、男性は非社交的で唯一のコミュニティである会社を辞めると一人ぼっちになってしまい ます。
 身に沁みることです。何を生きがいに生きていきましょう?


  1日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇牧水の歌口ずさむ秋の夜(国分寺市・森田進:大串章選)
 夜が冷えてくるこの頃の気候になると、牧水の<白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり>を思い出します。
 平明で分かりやすい句でした。

◇短日を何かせねばと昏れにけり(奈良市・田村英一:稲畑汀子選)
 休みの日には前夜からあれもこれもと思うだけで、そのうちの一つでもできれば良しとしなければ良いと思うようになってきました、できなかったことを悔い るよりは良いでしょう。

◇少年よ昔林檎は籾の中(秋田市・中村榮一:長谷川櫂選)
 昔はリンゴ箱という物があり、土間に横向けに置いて下駄箱になったり、子どもの勉強机になったりしました。リンゴはそのリンゴ箱の中に緩衝材の籾殻に埋 もれていました。空いた菓子箱に卵
を入れるときも籾殻が敷かれていました。
 懐かしいことを思い出した句でした。

◇細ぼそと首つながつて夜業人(大仙市・藤井紀子:長谷川櫂選)
 窓から灯りがもれ、中に働く人が垣間見えたのでしょうか?
 残業があってしんどいけど、仕事があるだけましとみんなが思うことは経営者の思う壺ではないでしょうか。世の中に低賃金、悪条件で働く人が増えている、 一般化しているような。

◆朝日歌壇
◇生きてゆく多くはいらぬ去りゆくにひとひらのはなあればうれしい(高槻市・門田照子:高野公彦選)
 生きていくのに最低限必要な金と、毎日の晩酌の酒があればとささやかに思うのですが、今の世の中では贅沢なのでしょうか?
 私と違って作者は、自分が去りゆくときに一片の花が手向けられればそれでよいと上品に詠っておられます。

◇優しきひと神は選みて障害児授け給ふと医師は語れり(東大阪市・大川純子:高野公彦選)
 「障害を持った子は優しい人の下に授けられる」と言う人もいるようですが、とてもそんな風に私は思えません。

◇とくとくと備前の徳利音のよしままかり酢漬けありてなほよし(岡山市・光畑勝弘:高野公彦選)
 備前の徳利、あてはままかり、良いですね。
 贅沢は言いません。毎夜2合ばかりのコップ酒と漬物でもあればそれでいい。

◇ヘアピンのカーブミラーの足元に馬頭観音苔むして立つ(常滑市・中野幸治:永田和宏選)
 山道を登って行くと急なカーブの頂点付近に石積みを見つけることがあります。確か宝塚から有馬温泉への七曲で「ここで息子と孫が転落して亡くなりまし た」ような看板をみたことがあります。
 この歌も昔の難所で忘れられたような苔むす石仏を見つけられたのでしょう。

◇他人との比較やめよと諭す本鎮痛剤のようにまた読む(和泉市・長尾幹也:馬場あき子選)
 「他人との比較はやめよ」などという人は宗教家でしょうか。「お前の下にも未だ人がいる。お前が最下層ではない」と同じように胡散臭く思います。

◇ひとたびは車道拡げし工事ありこのたびは歩道拡げる工事(長野県・沓掛喜久男:馬場あき子選)
 車道を広げると不法駐車する車が増え、歩道を広げると商店が看板や商品を歩道に広げます。工事をすることが目的のようなこの国の土木事業です。

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