10/12/24
ビルマ取材報告会
16日に決定された政府の11年度税制改正大綱をマスコミは概ね次のように伝えています。
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今回の目玉は「法人税率の5%引き下げ」で、約1兆5000億円規模の減税となる。その一方で、富裕層を対象に、所得税・相続税計5500億円の増税が決
まった。政府は、企業への大規模減税で「デフレ脱却」を、富裕層への大型増税で「格差是正」を打ち出している。
--------------------「気になる“一言”でみる税制改正大綱」(日本テレビ 10/12/21)
貧乏人が聞けば「ヘェー、私らには関係ないわ」と思える報道です。しかし、経済評論家の森永卓郎さんはラジオ番組(文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」10/12/20)で「それには大きなからくりがある」と言っています。
概ね、下記のように発言しておられます。正しくは上のリ
ンクからポッドキャストでお聞きください。
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政府は法人税を下げないと企業が海外に出て行くといっているが、経済産業
省の08年の調査では海外進出の理由の1位は現地の需要が見込め
ること(80%)、2位は良質で安価な労働力が確保できること(26.5%)となっていて、税制優遇措置などを理由とするものは7位(8%)でしかなかっ
た。
給与所得控除は、年収1500万円以上では控除が頭打ちになり増税となり、年収600万
円以上では成年扶養控除の縮小になるなど給与所得者に増税となるようにみえるが大きな罠がある。一般的に金持ちと言われる
人は企業の役員か経営者であり、自分の給与を少なくし、減税される企業の所得のままにして使えばよい。会社の金で生活すればよい。
また、株の配当金への課税は現在の10%から20%に増税すると言っていたのが据え置かれている。
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いつものことですが、政党がだれのための政治をするかは彼らの政治資金の出元をみれば分かることです。
法人税減税を発表した時の経団連会長の笑顔は忘れられません。
昨23日、京都で開催されたAPF通信社の
「プロジェクトBurma取材報告会」を聴きに行ってきました。
何も知らずに会場に行ったのですが、玄関先には報道の人たちが大勢詰め掛けていて物々しい気配です。あとで分かったことですがAPFの代表で当日の発言
者である山路徹さんの女性スキャンダルがテレビで報じられていたためのようです。
細身で長身の中年男は持てるだろうなと思わせますが脇が甘いようです。
予約をしておいたのですが会場前では予約を確認することもなく、会費を払う受け付けもな
くそのままパイプ椅子に座ります。6、70人は入っていたように思います。
タナカさんという若い女性が狭い席の間を会費を徴収しポケットに現金をねじ込んで回っています。その姿は村芝居のお茶子のようです。同時に配られたのは
資料はA4のレジュメ2枚だけ。
はじめに08年にラングーン(ヤンゴン)で治安当局に射殺された長井健司さんの撮られた映像がプロジェクタに映し出されます。映画「ビルマVJ消された革命」で見た射殺の状況が
改めて思い出されました。
長井さんの遺体引取りに行くために外務省と交渉しているときに、外務省の職員から「これから飲み会だから・・・」と扱われました。長井さんが撃たれて倒
れても離さなかったビデオカメラは未だに返ってこないままです。
人を介して民主党の前原誠司氏に会ったとき「山路さんは外務省から嫌われているから」と言われたとのこと、その後彼が外務大臣になったときに、これで長
井さんの遺品が返ることは遠のいたと思われたそうです。
次に今年11月のビルマの総選挙時の取材の様子が話されました。取材に同行された僧籍を持つカメラマン岸野亮哉さんも加わられました。
バンコク東部のビルマ国境にある難民キャンプは30数年前にできていて映像で見る限りは山村の風景でしかありません。でもここに住む人はこの村から外に
出ることはできません。軍事政権は民族浄化と称して百数十もある少数民族を排斥していて未だに国境を越えてくる人たちが絶えません。子どもたちの笑顔が印
象的でした。
最後に山路さんが拘束された事件の様子が語られました。
総選挙当日、ビルマ領ミャワディ
(Myawaddy)で民主勢力が蜂起し政権樹立を宣言するとの情報があったのでミャワディに通じるタイの町からビルマに進入しようとするが国境の橋は両
国の軍隊で固められていて無理だが、川には大きなチューブに人を乗せて国境を行き来する商売があり山路さんは華僑に扮してチューブボートで入国に成功、胸
ポケットに入れられたペン型のビデオカメラの写す映像の臨場感は抜群です。
投票所付近を歩いているときに秘密警察に拘束され警察署に連行され文字どおりのブタ箱に入れられます。
警察署のブタ箱は留置場でもあり刑務所でもあるようです。懲役20年の政治犯が15年も収容されている男性が英語が話せたので色々情報を得られたそうで
す。
捕まった夜には市街戦があるなど、ホモの看守の話、強面の秘密警察の話、なぜか裁判官も現れるなど映画を見るような話でした。ようやく3日目に解放され
今度は船でタイ側に送り返されます。
帰りにも建物の玄関にはワイドショーの取材でしょうか大勢が山路さんの出てくるのを待っていました。知ったかぶりの女タレントの色恋沙汰を飯の種にして
いる人たちが哀れに見えました。
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