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11/01/25 朝日俳壇、歌壇より
  世の中が狂っているような気がします。
 法人税減税、消費税増税、米軍への思いやり予算の据え置き等々、庶民からなけなしの金を収奪し金持ちやアメリカに貢いでいます。財界や官僚、アメリカの やりたい放題の世の中、いつからこんな世の中になったのでしょうか?その原因の一つに小選挙区制とそれが生み出した二大政党制にあると思います。

 1974年、田中角栄内閣が小選挙区制を導入しようと企んだとき、私の加入していた軟弱な労働組合でも田中内閣のたくらみを
カ クマンダーと呼んで「カクマンダーを許すな」と運動をしていました。反小選挙区制反対の運動は大きな大衆運動となりたくら みは失敗しました。
 ところが、1994年には社会党も参加した非自民の細川内閣では政治改革の名の下に政党助成金制度とともに小選挙区制がすんなりと導入されました。自民 党が何年もかかってできなったことができたのです。

 何ごとも唐突に現れることはありません。鍋に入れられ下から焚かれる蛙のように逃げ出す切っ掛けを失い茹であげられるようなものです。
 ひょっとして、もう戦前ではないかと思うこのごろです。


 さて、24日付け 朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇

◇職ありて子は戻り行く三日かな(岐阜市・阿部喜八:長谷 川櫂選)
 職があるだけましな世の中、帰省先でもゆっくりせずに戻る子どもを見送る親の気持ちでしょうか。

◇開戦日即ち人を殺せよと(倉敷市・森川忠信:長谷川櫂 選)
 先の戦争もある日突然始まった訳ではないでしょう。
 茹で蛙のように徐々に徐々に、人殺しが正義のように洗脳され続けた結果が戦争だった。今も「戦前」のような気がします。

◇顔映し心映して初鏡(伊万里市・萩原豊彦:大串章選)
 最近、鏡を見ることが少なくなりました。老いた顔もその上に心まで映されてはたまりません。この句の作者はてっきり女性だと思いましたが。

◇底冷えの更なる町へ帰りけり(八王子市・わたなべ華風:稲畑汀子選)
 年末年始の帰省でしょうか?
 更に寒い町でも帰るべきところがある人が羨ましいことです。

◇牛殺し鶏も殺すか去年今年(福生市・松崎佐:金子兜太選)
 今年もまた鳥インフルエンザで何万羽もの鶏が殺されています。
 殺処分しか方法がないのでしょうか?火消しの破壊消防のような原始的な方法です。

◆朝日歌壇
◇家刀自なき家(や)はいかに寒むからむただいまを二度言 ひたまふとふ(福岡市・宮原ますみ:高野公彦選)
 「家刀自」は「いえとじ」と読み主婦を指すようです。
 選者の評では「妻を亡くした人の孤独を思いやる歌。作者も夫を亡くした人」だそうです。
 知り合いの男は「妻より先に逝きたいものだ」と勝手ことを言っておりました。私も少し同調しましたが。

◇町に出しついでに一本紅買うて春が近くに来てゐるやうな (杵築市・長野なをみ:高野公彦選)
 女の人にとって口紅は特別なものなのでしょうか。俳句にもよく詠まれています。
 寒紅や二夫にまみえて子をなさず(吉屋信子)
 月見草見つめられゐて紅さしぬ(杉田りゅう)
 夜学果て口紅颯とひきにけり(
岩永佐保)

◇帰る人居残る人に分かれたり晦日夕べの老人ホーム(町田市・冨山俊朗:永田和宏選)
 帰れる人は幸せ、居残る人の心根はいかばかり。老いとは寂しいもの。

◇瀬となりて程よき水の流れおり水の音あり石の音あり(福岡市・柳正寿:永田和宏選)
 リズムのある綺麗な歌です。

◇明るきて積極的で前向きな若者になる面接試験(山形市・渋間悦子:永田和宏選)
 こんな試験があるのでしょうか。
 なぜか気になる歌でした。
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