11/02/08 朝日俳壇、歌壇より
少々酒びたりのような日が続いています。
日勤の日は職場の最寄り駅の立ち呑みで一杯、明けの日は盛り場に出て一杯、休みの日は昼飯で一杯と酒とは縁が切れません。飲んでは自己嫌悪に陥る毎日を
過ごしています。
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前略、路上より
日に日に太陽の顔が長く楽しめるようになりましたが、この冬は各地で例年にない冷えこみと乾燥でインフルエンザが猛威をふるっています。
私もうがいと手洗いをしてなるべくあたたかい所で過ごしたいと思います。
3年ぶりで体調をくずしたので特に気をつかっています。皆様も気をつけて下さい。
大切なお客様へ
「吉富」より
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ほろ酔いで買った「ビッグイシュー」
に挟まれてあった手書きのメッセージです。
「ビッグイシュー」は「ホームレスが売る雑誌」で、売価300円のうち「160円が販売
者の収入にな」るというホームレスの自立支援のための雑誌です。
このメッセージを読んで一層落ち込んでしまいました。
酒でしか体を温められない自分、偽善たらしい自分、、、
さて、2月7日
付け
朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇古希過ぐも母奔放や去年今年(船橋市・斉木直哉:金子兜
太選)
70歳を過ぎて未だに「奔放」な母とはどんな女性でしょう?
「奔放」の意味が知りたくなりました。
選者は「『母奔放』が生生しい。この母に息子は頼り切っている」と書かれていますが。
◇玉子酒やるべき時はやる男(京都市・藤野雅彦:長谷川櫂選)
「男たるものやるべき時にやらねば」と思っているのですが、やるべき時をぼんやりとやり過ごしたり、やらねばならぬ勇気がなかったりと軟弱こと甚だしい
男を60数年やってます。
選評に「実はたのもしい男なのだが、いつもは玉子酒でもなめて養生しているような人物。『昼あんどん』というべきか」とありましたが、私は自戒を込めた
ユーモラスな句と読みました。
◇別人のごとき妻の句初句会(浜田市・田中静龍:長谷川櫂選)
夫婦揃って句作とはうらやましいことです。
同じ句会に出席し誰の句であろうかと注目していたら妻の句であった驚きを詠んでおられるのでしょうか。
人間とは複雑なもので夫婦といえどもそう簡単に分かり合えるものではないような、少なくとも夫から見た妻は。
◇眠らざる街を抱きて山眠る(鹿児島市・古川俊六:大串章選)
眠らざる街と眠る山が対比されるような風景が想像できずに少し違和感を感じました。
過疎の村あるいは人通りのない街を抱いて山も眠る<人気無き里を抱きて山眠る>では平凡すぎますね。
◆朝日歌壇
◇引っ越してもう居ないけどベランダに洗濯物がゆれた気が
する(大津市・山口マリ子:永田和宏選)
どんな風景でしょう?私の頭では想像できませんが気になりました。
引っ越して行ったのは誰なのか?ベランダは自分の部屋か?
◇家ありし証に残る藁打ちの石の凹みに雪はふり積む(宮城県・須郷柏:馬場あき子選)
幼いころに、縄や草履を作る母の手伝いで石臼の片割れに藁を置いて木槌で藁を打ったことを土間の暗さや匂いとともに思い
出しました。
都市近郊にも人住まぬ朽ち果てた家を見ることができます。人気はなくても壁に落書きが残っているなどそこに住んでいた生活を思い起こさせる何かがあるも
のです。
◇皮手套脱げば流暢手話の女(ひと)真紅の爪の指しなやかに(高石市・木本康雄:馬場あき子選)
「手套」は「しゅとう」と読むのか「てぶくろ」と読ませるのかいずれにしても手袋。赤いマニキュアをした手話通訳者なの
か思いましたが違うようです。
◇引き揚げは遠き日となり娘らに「帰国子女」などたわむれ呼ばる(郡山市・志村幸子:佐佐木幸綱選)
「ヒキアゲシャ」という言葉が使われなくなったのはいつ頃からでしょうか?
◇原発を目(ま)のあたりとし三十八年さくら咲く日も雪積む朝も(福井県・大谷静子:高野公彦選)
福井県に旅すると山中で原発を意識しないでいても、例えば公民館に立ち寄ると立派な建物は原発建設の見返りに建てられたものであること、そして災害(も
ちろん原発事故)時の避難場所に指定されていたりします。
桜咲く日も雪降るも事故の恐怖から解かれることはありません。電気を少しでも使わない生活を心がけたい。
◇冬の夜素足にて君にからみつく吾は熱帯のつる科の植物(神戸市・野中智永子:高野公彦選)
艶かしい歌、幸せな歌です。足を絡ませながら寝ることなど遠い昔のこと羨ましいことです。
植物ではなく絡みつく動物のように思えますが。
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