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11/04/29 天王山散歩
 ラジオはテレビよ りは未だマシとポッ ドキャストでいくつかのラジオ番組を聴いてます。
 ところが、そのラジオも国の免許を得なければならないこと、広告主の金で 運営されていることに変わりはないようで、ある程度信頼してきた番組が本性を現したようです。

 TBSキ ラキラは、記者クラブ制度を批判し続けていたフリ−ジャーナリスト上杉隆さんを下ろして、その枠に週替わりでコメンテーターを呼んでいます。
 4月26日のコメンテーターは東大病院放射線治療チームの中川恵一準教授が出演していました。
 彼の論旨は、数百ミリシーベルトの放射能を浴びてがんの発症率が数パーセント増えても「普通の人の人生には意味がない」ということです。

◇150ミリシーベルト以下の被曝では
がんの発症率が増えるとの例はない。
◇200ミリシーベルト被曝した場合に、がんの発症率は1%増加する。
◇日本人のがん発症率は50%だから、200ミリシーベルト被曝してもがん発症率は51%になるだけだ。

 きっこのブログの きっこさんはこういう学者の言うことを「100mSv以下は安全というトンデモ学説」と断じています。
 御用学者というのはこういう人のことでしょう。
 発症の影響を少なく、喫煙などの他の要因と切り分けできないようにする、即ち東電の加害責任を小さく見せるために一役買っているのです。

 もうひとつ繰り返しになりますが、
少数者の意見を抹殺するこの国のマスメディアは金儲け が第一のジャーナリズムとは程遠い存在です。

  久しぶりに天王山に登ってきました。

 コースはこのごろ定番になっているサントリー山崎蒸留所の間の道を椎尾谷に沿って登って行き、天王山を経てハイキングのメインルートを大山崎山荘美術館 に 下るコースです。

◇花水木
 サントリー蒸留所の庭には白と赤の花水木が咲いていました。
 花水木は大好きな花です。「ハナミズキ」という音が印象が良いようで料亭、旅館などにこの名がついたものが多くあります。

 花水木で思い出すのは、
高校生の時に読んだ雪の研究で著名な物理学者・中谷宇吉郎さんの 随筆集「花水木」です。
 本棚の奥にあるのか、みつからなければネットの古書店(日本の古本屋)で買って読んで見たくなりました。

◇新緑
 サントリー蒸留所から数分、椎尾神社は5月5日が春祭りのようです。鬱蒼とした森はすっかり新緑で覆われていました。新緑とは言え緑にもいろいろ種類が あって1年のうちで好きな季節です。雨上がりだったからか緑が滴るほどです。
 数週間前は桜の桃色に肺が染まりそうだったのに、この季節には肺が薄緑に染まりそうです。

 毎日読ませていただいている俳句のブログの筆者は、病気療養?で天王山の見える場所に1月ほど滞在されているとのこと、山桜から新緑の遷り変わりを楽し んでおられるでしょうか?

◇著莪
 椎尾神社の裏手には名神高速道路のトンネルの一部が大きなドームのように横たわっています。
 その周辺の沢筋には今年も著莪(シャガ)の群生が花盛りです。日当たりの良くない湿地を好むのでしょうか?

 尾根に取り付くハイキング道はよく整備されていて壊れかけていた沢に架かる小さな橋は補修されていましたが、大きな橋は未だ整備されておらず濡れた踏み 板をゆっくりと踏みしめて渡ります。

◇筍畑
 山の中腹は筍畑(筍を採るためによく整備された竹林は畑と呼ぶに相応しい)が広がっています。出発時刻が遅めだったので筍堀りの人の影はありません。
 ハイキング道には悪戯に筍を折った跡が見られますが、世の中に色々な人がいるようにハイカーにも色々な人がいるというのは当たり前でしょう。

◇花と命
 沢沿いには小さな花が何種類か咲いています。私が名前を判るのは菫だけです。自然とは私などの計り知ることができない不思議で素晴らしいものなのです。 時期が来れば芽を出し花を咲かせ実を結び、その実は土に眠り時期が来れば芽を出す。そうしてその種を次の世代に繋げて行くのですね。

 私の命も私の身体の中では僅か六十数年、でも人類としての命は数十万年前から繋がっているのです。
 不思議ですね。

◇ハイカー
 天王山ハイキングコースの裏道から道幅が2mもあるメインコースに出るとハイカーに出会います。
 女性ばかりのグループ、男女のグループ、男性、女性の単独行者と様々ですがひとつの共通点は皆さん中高年(高に近い)者です。
 金もなければ山歩きでもしてみようということでしょう。

◇楓若葉
 トントンと快適な道を大山崎山荘美術館まで下ります。
 美術館の客も中高年が中心ですが、ここは女性の割合が多いのと年齢が少し若い人が多いようです。
 楓の若葉が薄緑のフィルターがかかったように、日差しに透けて見えます。
 身体中の筋肉が解れて行くようです。


 美術館を下ってくるとJR東海道線山崎駅東側の踏み切りに出会います。
 踏み切りを渡ると鉄道の敷地内にタンポポの綿毛が未だ飛ばされずに残っていました。
 ふわりと弱い風にも乗れる綿毛が小さな種を適地へ運んで行く、これも自然の営みです。

 山崎駅のKIOSKは廃業していました。近くにコンビニができたとはいえ駅の売店にはその良さもあったのにと残念な思いでした。
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