11/05/21 柴田トヨ「く
じけないで」
3.11以降、体
調を崩されている人(特に老人)が多いそうです。
少なくなったとはいえ連日放送される悲惨な被災地の映像ばかり見ていると憂鬱な気分になります。
地震・津波の被害は発生した時から少しずつ復興に向かって進むものですが、原発の事故は現在も進行しています。政府や東電からの発表はどんどん悪くなるば
かりです。
いつになったら収束するのかまったく見通しが見えません。こんなことが人々のストレスとなっています。
京都大学原子炉実験所の小出さんが23日(月)に参議院の行政監視委員会に参考人で出席されます。国会では「言いたいことを言って来る」とおっしゃって
いるので楽しみです。
23日13時からこちらで中継を見ることができます。
西村滋さんの「お菓子放浪記」が「エクレール・お菓子放浪記」と
して映画化されていましたが、大震災により公開が伸びていました。今週末からやっと公開されます。(関西では梅田、神戸元
町、京都四条烏丸で順次上映されます)
子どもに読ませたい本、子どもに観せたい映画です。
今年
百歳になられる詩人、柴田トヨさんの処女詩集「くじけないで」を
新聞の書評を読んで母への手土産にと買って読みました。
著者の柴田トヨさんは1911(明治44)年、栃木県生まれで今年100歳になられます。1992年にご主人が亡くなられてからは宇都宮市で一人暮らし
をされています。
2003年、90歳を過ぎて趣味の日本舞踊が踊れなくなったときに、文学趣味の一人息子・健一さんから進められて詩を作り始められたそうです。新聞の投
稿、詩人の新川和江さんの目にとまり一躍有名になられたそうです。
今度の大震災では宇都宮市も震度6強だったそうですが、トヨさんは自宅で入浴中で無事、被災者に向けたメッセージが詩集の発行元のサイトに掲載されてい
ました。
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「被災者の皆様に」
あぁ なんという
ことでしょう
テレビを見ながら
唯 手をあわすばかりです
皆様の心の中は
今も余震がきて
傷痕がさらに
深くなっていると思います
その傷痕に
薬を塗ってあげたい
人間誰しもの気持です
私も出来ることは
ないだろうか? 考えます
もうすぐ百歳になる私
天国に行く日も
近いでしょう
その時は 日射しとなり
そよ風になって
皆様を応援します
これから 辛い日々が
続くでしょうが
朝はかならず やってきます
くじけないで!
柴田トヨ
--------------------(飛鳥
新社ホームページより)
「先生に」という医者に向けたメッセージでしょうか、なかなか辛らつな一編です。
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「先生に」
私を
おばあちゃん と
呼ばないで
「今日は何曜日?」
「9+9は幾つ?」
そんな バカな質問も
しないでほしい
「柴田さん
西条八十の詩は
好きですか?
小泉内閣を
どう思いますか?」
こんな質問なら
うれしいわ
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歳を重ねないと分からない事です。私の母もデイサービスで子ども扱いされ
るされるのが嫌だと言っています。
歳をとっても、身体がいうこと利かなくなっても、人間としての尊厳があります。
もうひとつ、トヨさんのユーモアを解する柔らかい頭を覗
いてみます。
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「二時間あれば」
世間には
まだ解決していない
たくさんの事件がある
コロンボ警部
古畑任三郎警部
二人が協力してくれたら
犯人をきっと
つかまえてくれる筈
二時間あれば
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世の中のヒーローたち、日本に福島に集まって放射能の飛散を防いでおく
れ、悪魔たちは是非永田町や霞ヶ関、内幸町に集まって嘘吐きどもを懲らしめておくれ。
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