11/05/26 朝日俳壇、歌壇より
23日に、京都大
学原子炉実験所の小出裕章さんが参議院の行政監視委員会に参考人として出席されました。
参議院のホームページから聴きました。当日の録画はこちらです。
政治に絶望し政治と関わりたくないといわれている小出さんですが、ウランの埋蔵資源の量的にも決して「未来」ある資源でないことなど鋭く指摘されていま
した。
最後にガンジーの「七つの社会的罪」という言葉を引いて政治家や東電、学者を戒めておられました。
・理念なき政治
・労働なき富
・良心なき快楽
・人格なき知識
・道徳なき商業
・人間性なき科学
・献身なき崇拝
1967(昭和
42)年といえば私が高校を卒業して働き出した年、その年に強盗殺人事件の容疑者として逮捕された青年の無実が44年経って明らかにされました。
あいまいな目撃証言と逮捕時の自供(裁判では一貫して無罪を主張)が証拠とされた冤罪事件でした。
未だに冤罪事件が絶えません。「疑わしきは被告人の利益に」の原則が活かされる時代がくることを願います。
23日付けの朝日
新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
感度が鈍っていて句や歌が飛び込んできません。
◆朝日俳壇
◇万を越す人春泥に埋まるまゝ(京都市・饗庭洋:長谷川櫂選)
春泥(しゅんでい)とは春のぬかるみ、きれいな季語だと思っていましたが、この句のように詠まれると趣が違います。
◇人棲まぬ誉れの家や昭和の日(北九州市・伊藤信昭:大串章選)
子どものころの在所の家の門口には「遺族の家」と書かれた小さなアルミ?の短冊状の板が貼られていました。
私の父は若いころに大病をして身体障害者であったために徴兵されず、従って戦死もしていません。勝気な祖母は貧しさとともに肩身の狭い思いをしていたこ
とだろうと思います。
「誉れの家」とは戦死者を出した家のことでしょうか?昭和の時代にいくつの命が無為に奪われたことでしょう。
◇吾も妻も尖がつている昭和の日(朝倉市・太田正之:金子兜太選)
続いて昭和の日、夫婦揃って「尖がっている」とはどんなことでしょう。何に尖がっているでしょう?
◆朝日歌壇
◇原発の安全うたうスローガン掲げて封鎖さるる町並(ひたちなか市・猪狩直子:佐佐木幸綱選)
「節電せよ!」と呼びかけるのが電気無しではただの箱のテレビだという皮肉、原発は安全と掲げた看板もいまとなってはブラックジョークでしかありませ
ん。
◇ふるさとは無音無人の町になり地の果てのごと遠くなりたり(福島県・半杭蛍子:高野公彦選)
立ち入り禁止となった福島第一原発から20キロ圏内の町はゴーストタウンと化しているのでしょう。
チェルノブイリ並みに住民を避難、立ち入りを禁止すると福島県すべてに人が住めないと言います。ソヴィエトを嗤うことはできません。
◇買い手なき小女子(こうなご)身を打ち身を反らす漁港に直射日光受けて(埼玉県・小林淳子:高野公彦選)
京都大学原子炉実験所の小出さんは「放射能に汚れた食べ物は捨てることなく老人が食べよう。子どもたちにはきれいなたべものを食べさせよう。そんな仕組
みを作ろう」と訴えておられます。
小女子も無駄にせず食べる、そんな仕組みができるといいですね。
◇ビンラディン殺して狂喜するアメリカ静かに警戒レベル上げる沖縄(沖縄県・和田静子:馬場あき子)
アメリカのメディアも日本のメディアも、ワシントンやグランドゼロの「USA!USA!」と叫んでいる人たちを報道していました。ほとんどのアメリカ人
は冷静だったというのに。
暴力に暴力で応えては憎悪の連鎖は断ち切れない。 |
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