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11/06/17 無能経営者のふざけた要求
 手品やマジックで 人を騙すには、右手を高く挙げて客の視線が右手にあるうちに左手でネタを仕込むことようなことをします。
 福島第一原発の事故を千載一遇のチャンスとばかりに、沖縄で国民新党の下地幹郎衆議院議員が暗躍しているとの記事がありました。「北沢防衛大臣は、 陸軍大臣気取りなのか?」(マガジン9条・岡留安則「癒しの島・沖縄の深層」)

 下地議員は普天間基地の代替に辺野古の北に位置する名護市国頭村安波地区に2500mの滑走路を作る計画を巧妙に仕掛けているそうです。下地案は既に政 府にも持ち込まれ、21日からの日米交渉前に訪米しアメリカ政府に説明するという段取りの良さ。
 いつの世にも人の不幸を我がチャンスという輩がいるものです。

 テレビで流される節電のキャンペーンもそのひとつ、何もしないことが最大の節電ということに気づいていないふりのマスメディア、テレビの放送時間を6時 〜22時くらいにしてみたら。。


◆ 原発で手足ちぎられ酪農家
 福島第一原発の事故の影響で生乳が出荷できずに、搾っては捨て搾っては捨て挙句に三十数頭の乳牛を手放して自殺した50代の酪農家が牛舎の黒板に書き残 した辞世の 句だそうです。
 福島第一原発事故が原因で自殺した人は何人目でしょうか?また、何人目の犠牲者でしょうか?

 プロレタリア川柳作家・鶴彬が70余年前に詠った句が思い出されます。
 <手と足をもいだ丸太にして返し 鶴彬>

 そうそう、この句は戦争に駆り出され、丸太のようにされて返された兵士の話、福島第一原発の事故の状況を「戦争状態だ」と言われています。「今は戦争状態だと認識すべき 小出裕章」 (MBS)」(11/05/14)
 今は戦時なのです。子どもたちを「疎開」させようというような死語と思っていた言葉も復活しつつあります。

 福島第一原発の事故は天災でも人災でもありません。自民、公明、民主など歴代政府と経済産業省などの官僚、東京電力、御用学者そしてマスメディアによる 未必の故意による殺人事件なので す。

◆大きな投資をするほど利益が拡大する電力会社

 世の中のほとんどの商品やサービスは、原 価を削り利益を削って他社との競争原理(需給バランス)の中で価格が決められていますが、電気料金は需給のバランスで決め られるものではな いようです。

 発電、送電にかかる総費用を原価と見做し、その総費用に 一定の報酬率を掛けたものを利益とする総括原価方式で決められているのです。

 このような料金(価格)の決め方であれば、数百億円とも数千億円ともいわれる原発の建設費も原価と見做されるため大きな投資をすればするほど大きな利益 を得ることができるという仕組みです。

 因みに福島第一原発4号機の建設費用はが3,244億円ともいわれていま す。

 このような電力会社に甘い汁を吸おうと集まるのは、東芝、三菱、日立、GEなどの原発メーカー、建設ゼネコンなどの各種産業、研究費を得ている御用学 者、CM収入を得ているマスメディアとほとんどが電力会社によって「潤」っているのです。
 経団連をはじめとする産業界も、御用学者も、マスメディアも電力会社に都合の悪いことはいえない仕組みです。

◆ふざけた要求
 関西電力が企業、家庭に対して15%の節電を要請しました。(関電のニュー スリリース
 原発事故を起こした東電への電力の融通をするため電力不足になるというなら百歩譲りましょう。関電は福井県内の原発の運転再開を福井県が認めないために 電力が不足する。従って節電に協力してくれないと停電になると、原発と停電とどちらを取るかとふざけた選択を利用者に押し付けてきました。

 
関電は福井県内にある11基の原子炉のうち定期点検中の4基の運転再開の要請を福井 県に要請、海江田経済産業相も同様の要請をしていたが、福井県の西川知事は「節電と運転再 開は別の話、安全性が保障されていない」と運転再開を拒否しています。関電では7月から新たに2基が定期点検に入るそうです。

 福島第一原発の事故を受けて福井県が運転再開に慎重にな るのは当たり前のこと、定期点検をしなければならないことも当たり前、地元自治体の理解を得ることは事業者としての責務の はずです。決して「想定外」のことではありません。独占で事業を行うことを認められて事業者である関電は企業責任として節電の要請などをすることは経 営者の無能を世間に晒したことでしかありません。

 電気事業法第18条には概ね次のように定められています。
 「事業者は、正当な理由がなければ、電気の供給を拒んではならない」と。

 関電の「節電のお願いについてのご説明」という資料がありますが、未だ読みきれていません。
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