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11/06/22 朝日俳壇、歌壇より

 今日は夏至、夏至 のころの食べ物の思い出はなんだろうと考えますが、何もありません。
 土用のウナギも縁遠く、半夏生のタコの味も知らずに過ごしてきました。
 落ちた梅の実を食べると腸チフスになるときつく言われたものです。ナツメやグミ、ユスラウメなどは大きな屋敷を持つ家のもの、何を食っていたのだろうと 思います。

 さて、あの石原東京都知 事は毎度お馴染みのとんでも発言をしていました。(「日本は核を持て、徴兵制やれば良い」石原都知事 テレビ朝日 11/06/2)

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 「日本は核を持たなきゃだめですよ。持たない限り一人前には絶対扱われない」
 「日本が生きていく道は軍事政権をつくること。そうでなければ、日本はどこ かの属国になる。徴兵制もやったら良い」
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 核を持っても持たなくても日本はアメリカの属国、傀儡の政治家
役人が 自分の魂と国民の命を売り渡しています。

 その石原都知事の息子で自民党幹事長の石原伸晃氏東京電力福島第1原発事故後に広がっている脱原発運動を「アナーキー(無政府的)で、代替エネルギー のことを考えていない」などと発言、この親にしてこの子ありとはよく言ったものです。

 このような馬鹿な人たちの発言とは別にちょっと考えさせられる発言がありました。

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 「脅威」から生まれる「熱狂」は、やはり、どうしても、 気持ちが悪い。
 それが、反原発という「正義」であっても。
 「戦争」が「正義」になってゆくプロセスと、どうしても、だぶる。
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伊勢崎賢治・東京外大教授のツイッターでの 発言です。
 反原発のデモなどに積極的に参加できないでいる私の中にも「集団の熱狂」への怖れがあるのかも知れません。

  20日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇田の神の遊ぶ植田の水輪かな(長浜市・東野了:長谷川櫂選)
 風が作るのか、ミズスマシが作るのでしょうか水田には波紋ができます。不思議です。作者は田の神の仕業だと詠んだのですね。

◇石州の瓦美し早苗籠(広島市・安永達生:長谷川櫂選)
 朱色の石州瓦の映える町並みは関西圏で育った私には異国のような雰囲気にみえます。朱の瓦と緑の早苗のコントラストが目に浮かびます。

 阪神淡路大震災の時に「重い日本瓦が家を壊した」という風評が出て、震災後建てなおされた家屋に瓦屋根をほとんど見ることがありませんでした。
 阪神淡路大震災の教訓からか、全国陶器瓦工業組合連合会などが被害状況を公表しています。「東日本大震災の瓦屋根被害について」 (11/6/9)

◇国防色といふ色ありし更衣(堺市・奥村英忠:大串章選)
 子どものころには我が家にも父親の国防色の上着がありました。今はあの忌まわしい国防色からファッションとしての迷彩柄が闊歩しています。
 アウトドアに、子どもの普段着に、若い人も分別のあっても良いおじさん、おばさんまで着ています。私は嫌い。

◇ハンモック見るほど楽でなかりけり(武蔵野市・水野李村:稲畑汀子選)
 確かに風に揺られているハンモックの絵はゆったりと眠気を誘うものですが乗り降りは大変です。
 また、同様に簡単そうに見えて難しいのは縄梯子、アクション映画でホバリングしているヘリコプターへ縄梯子で登る主人公の姿を良く見ますが大変な力とバ ランスが必要でしょう。

◇村中の匂ひとなりし椎の花(姫路市・黒田千賀子:稲畑汀子選)
 椎の花、つまり団栗の花も栗の花と同様に独特の匂いを出しています。
 栗の花を詠んだ句は良く見かけますが、椎の花は珍しい。

◇夏来る言葉は勇気言葉は愛(横浜市・井村浩司:金子兜太選)
 言葉は勇気も愛も表現しますが、人を殺す凶器にもなります。

◆朝日俳壇
◇起こし田に水張られゆくじわじわと青空の地図拡がっていく(山口市・平田敬子:佐佐木幸綱選)
 ごろごろとした土塊の原に水が入っていくごとに空が拡がる。子どものころの実感です。
 水が不足がちの地域だったので、井戸からポンプで汲み上げた水が狭い水路を巡って田んぼに入れられる。その水の尊さを知っていたので水に映る空がいとお しかったものです。

◇天上の人らのために花桐のうすむらさきは咲きにけるかも(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 野の花、山の花、すべての花が震災の犠牲者のために咲いているという思い。桐の花の紫は悲しい色。

◇魔界めく警戒区域の慰霊祭僧侶でさえも防護服着る(名古屋市・山田静:高野公彦選)
 この歌の映像はテレビのニュースで見ました。
 まさに魔界としか思えませんでした。

◇避難所の非日常が日常になりゆく悲し三月(みつき)の過ぎて(中央市・前田良一:永田和宏選)
 非日常であった避難所の生活も三ヶ月も経つと良くも悪くも日常となるのは当然のことです。仮設住宅に早く移りたいけれど避難所を出れば三食は自前で摂ら ねばなりません。日常になってしまったことは難しい問題です。

 作者の住所「中央市」が気になりました。ご多分にもれず平成の大合併で誕生した山梨県の町のようです。愛媛県には「四国中央市」というのがありますが、 「中央市」とはまた大きく出たものです。

◇一番茶刈り捨てをする茶農家に宙(そら)は真っ青な八十八夜(野田市・川瀬玄忠:馬場あき子選)
 手塩をかけて育てたものを棄てる悲しさはいかばかりでしょうか。京都大学の小出さんが言うように被曝した食べ物を棄てないで放射能の感受性が低い私たち 年寄りが食べましょう。そんな流通システムが出来ないのでしょうか?
 その代わりに子どもたちには汚染のないきれいな食べ物を確保してほしい。

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