Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back Haiku  Photo Mail Archives Twitter Next→

11/06/30 朝日俳壇、歌壇より
 猛烈な暑さだった 6月も終わる。そしてもっと暑い7月が来る。

 節電なんてくそ食らえだ!暑ければクーラーをつければ良い、死ぬよりは停電の方が良いだろう。と、ほざきつつ私は金欠のために昨夏よりエアコンを使って いません。
 みんなが節電に目覚め、不要不急のものは買わない、自動車に頼らないなど、30数年前の原発はなかったけれど、それなりに豊かだった生活スタイルを取り 戻せば良いだけのこと。何も困難なことではない、私の20代後半から30代の子育ての時代を思い起こせばいいだけのことです。

◆国民投票
 反原発、脱原発の人たちの一部?に国民投票で原発の是非を問おうという意見があります。
 個別の重要な政策は、間接的な代議員制度ではなく直接的に決めようというもののようです。イタリアのように国民投票をすれば圧倒的多数の意見として反原 発が決められるのでしょうか?私にはそうは思えません。

 反原発の声は一部の人たち(政党では共産党だけ)が主張してきましたが、福島第一原発の事故まで京都大学の小出裕章さんへの処遇に見るまでもなく大勢は 無視され続けてきました。
 事故後に行われた福井、青森県知事でも原発容認の知事が当選しています。いつまで続くかわからない事故を経験した程度で「民意」が変わるとは思えませ ん。

 それより「民意」を正しく反映していない一票の格差をなくすことや小選挙区制を止めることが大事な気がします。

◆老老介護
 続けさまに親の介護のために仕事を辞めざるを得ない人の話を聞きました。介護するほうも私と同世代ですから「老老介護」と呼ばれる人たちです。
 長生きする方が悪いのか、自らが老いてなお老いの先達の介護をしなければならないとは大変なことです。社会の仕組みに問題があるように思います。

 共産党の山下芳生参議院議員が11年3月7日の参議院予算委員会で質問していました。詳細は新聞記事で。「特養待機解消 国責任で増設図れ」(しんぶん赤旗 11/03/09)

 右のグラフは特別養護老人ホームの定員と待機者の人数です。特養に入りたくても入れない人が全国に42万人もいること、今の特養と同じだけの特養を建設 しても未だ足りないとは国は42万人の老人とその家族に「老人は早く死ね」と言っているようです。

 介護をするために仕事を辞めなければない、結婚できないなどほとんどの場合女性にしわ寄せが来ています。ここでも国の政治は弱いもの物言わぬものに冷た いのです。


  熱毒と酒毒に頭をやられて脳がぷよぷよです。
 さて、 6月27日月曜日の新聞(朝日新聞)の俳壇、歌壇の紹介が木曜日になるなどなんとも情けない話ですが、他に気になることが多過ぎます。他人様の俳句や短歌 を良い読み手でないものが紹介するのも気が引けることですので、このシリーズもそろそろ終わりにしようかなと考えたりしています。

◆朝日俳壇
◇万緑を行く躁となり鬱(うつ)となり(東京都・小出功:大串章選)
 ぱっと目が行く漢字というものがあります。躁鬱の鬱は書けないくせにすぐ目に付いてしまいます。それは自身が鬱気味であるゆえでしょう。

 さて、万緑の森の中を行く人、風か光の縞を断ち切る度に躁となり鬱となっ て行くのでしょうか。

◇竹皮を脱ぐ間なきまま聳(そび)えけり(安中市・五十嵐和子:大串章選)
 句の光景は私も見たことがあります。小さい服から伸びた手足をニォキと出してる成長期の子どものようです。竹の成長は1日に80〜100Cm、約2ヶ月 で20mも伸びると言われているそうです。

◇不束(ふつつか)な人間ですが蟇(ひきがえる)(八王子市・額田浩文:金子兜太選)
 選者は「『が』で軽く切れて、自分という人間と蟇が重なる」と評されています。
 この句は作者が蟇に「不束な人間ですがよろしく」と挨拶をしているのでしょうか?

◇福島の日傘は重し放射能(福島市・渡部健:金子兜太選)
 福島に住む方には毎日、毎日、日傘も気分も重いことでしょう。
 「放射能」と直接的な言葉でなくてもとも思いました。

◇老猿といふ他はなき端居かな(埼玉県皆野町・宮城和歌夫:長谷川櫂選)
 老猿というと笠智衆より花沢徳衛の顔を思い出します。
 端居(はしい)も一度使ってみたい季語です。

◆朝日歌壇
◇孤育(こそだ)てとシングルマザーは似てるけど いるのにいない方が寂しい(調布市・西野千晴:高野公彦選)
 嫌な言葉が生まれるものです。亭主も親もいるのに一人で子育てをしなければならない人のことをいうそうです。
 周りに人がいっぱいいるのに寂しいと思うことと同じように「いるのにいない方が寂しい」とは悲しいです。

◇丘畑は雲低く垂り廃棄せしキャベツ五千に花咲きたりと(ひたちなか市・篠原克彦:高野公彦/永田和宏選)
 五千個のキャベツから芽が伸びて蕾が付き花が咲いている光景は、その五千個のキャベツが放射能に汚染されたために出荷できずに棄てられたものと知れば美 しさが深い悲しみに変わります。

◇名古屋まで水を持ち来る出演者アメリカからのオペラ公演(名古屋市・福田万里子:高野公彦選)
 もう日本で売られている水も信用されていないのですね。
 福島の事故を小さく小さく見せようとする国と東電の策謀により情報が秘匿されているために、子どもたちも平気で外で遊んでいますが、外国からみた日本は 福島は大変な状況にあると見られています。
 多くの外国人が帰国していることが噂されていますがその実態は明らかにされていません。

◇ふくしまのもも、なし、りんごちさき実のひとつひとつが抱いている不安(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 「ふくしまの もも なし りんご ちいさきみの ひとつひとつが だいている ふあん」、リズムの良い美原さんの歌です。
 国と官僚、民自公他の政治家、マスコミ、学者らは寄って集って生きとし生けるものに対する罪を犯しました。

◇老いてなお仕事の手ほどき受ける夢吾は一生何をしてのか(塩尻市・百瀬享:馬場あき子選)
 一読では、この歌の状況が良くわかりませんでした。
 私のように老いて再就職をした人が、職場の若い人にあれこれ指示をされ夢にまで出てくる、今までそれなりの仕事をしてきた私がこの年になってと述懐の歌 と読みました。
 ハローワークの職員は「今までのプライドを捨てなければ再就職はできない」と就職「指導」をする。ああ情けない。

◇襟白き少女のごとく六月の蕺(どくだみ)の花山かげに咲く(城陽市・山仲勉:馬場あき子選)
 ドクダミの花は日陰にあって真白に咲いています。花びらから光を発光しているように見えます。
 ドクダミの白い花を少女の制服?の白い襟に見立てるとはさすがです。

◇放射能を怖れ今年は食べずをり背戸の筍ただ見守(まも)るのみ(福島県・目黒美津英:佐佐木幸綱選)
 背戸の竹の子を是非いただきたかったですね。
 子どもたちには放射能の汚染のないきれいな食べ物を、放射能に汚れた食べ物は放射能感受性の低い老人がいただきましょう。
 作家の室井佑月さんがテレビ番組で福島県の学校給食で地場の野菜が使われていることに対して「子供たちに福島の野菜を給食で食べさせるなんてかわいそ う」と発言したそうです。
 これを「爆弾」発言と評する人もいますが、子を持つ母親とすれば当たり前の発言です。

inserted by FC2 system