11/07/15 3・11で世界は変わった
菅首相が「脱」原
発を表明したそうです。
菅首相の記者会見を聴いていると、やはりカンはアホカンだという確信を持ちました。ステップ1は予定どおりに進捗して
いるなどとのの認識はどこから来るのでしょうか?彼は理系の出身だと自負していたのでは。
また、東京電力の福島第一原子力発電所の事故を「原発事故」といわないでなぜ「原子力事故」と言うのでしょうか?「原子力事故」をGoogleNews
で検索してみると菅発言しか見つかりません。東電を庇っているとしか思えません。
カンのエンメイサクの一つでしょう。
九州電力の玄海原発2、3号機の再稼動要請を早々に了承していた佐賀県玄海町長
の実弟が経営する建設会社が九州電力や電源立地地域対策交付金などの「原発マネー」にまみれていたと報じられています。(九電の「やらせメール事件」など
で世論が逆風に転じたためか、その後了承を撤回しています)
西日本新聞の報じるところでは、岸本英雄・玄海町長の実弟が経営する「岸本組」が、町長に就任した06年8月以降、町が発注する「原発マネー」工事と九
電発注の玄海原発工事を少なくとも17億円受注していて、町長自身も大株主として株の売却益や配当金1千万円を得ていたそうです。「玄海町
長実弟企業に原発マネー 工事受注計17億円」(西日本新聞 11/07/10)
判り易いといえばこれ以上ない権力と金力の癒着の構造です。多かれ少なかれ全国の原発立地の自治体では夜な夜な金の取り合いの密談がされているのでしょ
う。
彼らにとっては、原発は金蔓以外の何物でもないことでしょう。
福島第一原発の事故後、講演の壇上から「事故を防げなかった。謝ります」と聴衆に向かって頭を下げられる京都大学原子炉実験所の小出裕章さんを見てこの人
の言葉は信じられると思いまし
た。
大阪の毎日放送(MBS)のラジオ番組「たね蒔きジャーナル」では、ほとんど毎夜小出さんへのインタビューを流しています。
中々、生放送を聴けないので小出さんの「非公式まとめ」というWebサイトに公開されている音声を聴いています。
7月11日と12日の放送から、3月11日に世界が変わったこと、この国には国民の命よ
り大事にすべきものがあること、この国には最早安全な食べ物はないことなどをあらためて認識しました。
「7月11日 南相馬の牛肉から規制値6倍の放射性セシウム検出について 小出裕章(MBS)」
「7月12日 食品安全委員会が決めた基準値の科学的な客観性について小出裕章(MBS)」
◆世界は変わった
南相馬市で飼育されていた肉牛が放射能に汚染されていたこと、加工された牛肉が大阪にまで流通していたことについて、が意見を求められたのに対して小出
さんは次のように答えておられます。
◇私は多分この番組でも聴いていただいたと思いますけれども、3月11日を境に世界は変わったのです。もう私たちは放射能まみれになって生きるしかな
いわけで。大阪が例外だとは思っていただきたくはありません。必ず汚染食料は流通することになる、なりますし、私たちはそれを受け入れるしかないのです。
ただし私は子どもにだけは食べさせたくないので、そういうシステムを作らなければならないと、この番組でも聴いていただいたと思います。わからないままそ
の流通させてしまっているという、それを何とか乗り越えなければいけないと思います。(◇に続く部分は小出さんの発言、以下同じ)
3月11日以前の生活を維持できない状況に追い込まれていることを共通の認識としなければなりません。
小出さんが繰り返し言われていることで私が最重要と思うことは、子どもたちには安全な食べ物を、そのためには汚染のデータを公開しなければならないとい
うことです。
◆全頭検査は東電の責任で
厚労副大臣が牛の全頭検査を実施しようと言っているそうですが、検査すればどの牛が子どもに与えていけない牛か分かるのかとの質問に対して。
◇わかると思います。
◇体の中に含まれているわけで、外側から計るということ
は、まあおおよそのことを知るぐらいのことを知ることしか出来ませんので、1頭
1頭やはりその、肉にしたときに調べてどのくらいの汚染があるということを調べなければいけませんし。大変な作業なのですこれは。
◇それは私自身がその国がやるよりは、東京電力が自分でや
るべきだと思いますし、えー、私は東京電力に責任を取らせたいと思っています。で、東
京電力に責任を取らせたいとおっしゃる人の中には汚染したものを買い取らせろと、東京電力にですね、言う方ももちろんたくさんいらっしゃるのですけれど
も。私は買い取らせたところで東京電力はそれを捨ててしまうだけですので、そんなことをしたらばやはり一次産業は成り立たないので、買い取らせるよりは、
きちっと検査をさせてそれを大人が引き受けるべきというのが私の主張なのです。
丹精込めて育てた物を粗末にしてはいけない。
大人とりわけ私たちのような老人が引き受けましょう。一日も早く「無農薬野菜」の表示のように「非汚染野菜」などとの表示をしてほしい。
◆事故後に決められた「基準値」
食品の放射能汚染の報道でよく「基準値の○倍」とか言われていますが、その「基準値」に科学的な根拠はあるのかとのといに。
◇全く意味がありません。
◇放射線に被曝をするということは、どんな意味でも危険です。たくさん浴びれば危険です。どんなに微量でも危険です。ですから・・・どこまでで・・・安全
なのかどこまでで危険なのかということで線を引くのはサイエンスの側から言えば出来ません。ですからそれは社会的に、そこまでなら我慢ができるか、あるい
は我慢をさせるしかないかというそれだけの線引きです。
また、この「基準値」は、内閣府の食品安全委員会で水素爆発やメルトダウン後の3月17日に決められているが、作為を感じるのだがとの問いに。
◇おっしゃったとおりだと思います。要するに全てわかったままでこういう基準で行くしかないということを多分彼等は認識したんだと思います。
◇ですから私はその基準はもっと厳しくなければいけないし、特に責任のない人たちを守らなければいけないと思いますので、もっと極め細やかに政策を作らな
ければいけないと私は思います。
こんな作為もろだしの「基準値」を「基準」と信じて「基準値」以下は安全と、国民の生命を危険にさらしている国やマスコミに腹が立ちます。
◆未だに「安全だ」という輩がまず食べよ
1日に汚染された牛肉を何グラムたべると1年間に○○にしかならないので心配ないと言う
人たちがいますが。
◇はい。もしそう思われる方がいたらそのかたが食べてください。で私は東京電力の社員食堂は是非ともそういう食材でやって欲しいと思いますし国会議員の議
員食堂もそういう食材でやって欲しいと思います。
◇元々だから放射線に被曝することが危険だということが分かっているんですから、放射性物質を含んだ食べ物を食べること自身は、本当はやってはいけない、
のです。でそれでも安全だというのであればその方が、やっぱり食べたほうがいいわけだし、責任がある東京電力、国会議員の方々、その方々がまず食べてか
ら、そういう発言をしたほうがいいと思います。
いちいち、もっともなことばかりです。
地産地消などという奇麗ごとに包んで福島県の子どもたちの給食に放射能に汚れた食べ物を出すなどを許してはなりません。
放射能、原発事故、被曝などに対する危機感が薄れて行きつつあるように思います。
個人も、企業も3・11以前の世界観では生き残れない、3月11日に「世界が変わった」のです。
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