11/07/25 朝日俳壇、歌壇より
福島第一原発事故
発生直後から枝野官房長官は深刻そうな顔をして事故を解説していましたが、彼の言っていたことはすべて嘘、ウソツキ枝野だったのです。
それを証明するデータがあります。
原子力安全基盤機構(経
済産業省所轄団体)が作っているアニメに、
冷却水が漏れれば、30分後に炉心溶融(メルト)、
事故発生から1時間後に溶融した燃料が圧力容器の底に落下(メルトダウン)、
そして3時間後には圧力容器を貫通(メルトスルー)が起こると想定しているのです。
※こちらのサイトにある解説が詳しい。
「想定外」などと言い逃れをしていましたが、「想定」していて国民を騙していたのです。
25日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇香水をつけ若人の列に入る(大牟田市・祖父江和子:大串章選)
「若人の列」をデモの隊列と読みました。この時期、反原発のデモでしょうか?
作者の気合を感じました。と、書きましたがまったくの的外れだったらどうしよう。
◇夏服の二の腕眩し見舞客(八尾市・梶本佳世子:稲畑汀子選)
茄子紺の半袖ブラウスから出た白い二の腕にドキッとします。
病床にある作者にとっては同性の白い二の腕はどのように見えたのでしょう?
◇瀧音のいつか静かと思ひをり(高槻市・会田仁子:稲畑汀子選)
滝の音、せせらぎの音がフッと消える、聞こえなくなるときがあります。人間の脳は興味のある情報を強調しているのでしょうか?ゴォーと落ちる滝の音が、
周りの緑の木々を見回しているうちに静けさへと思いがいくのでしょうか?
◇みちのくの放射能降る半夏雨(はんげあめ)(いわき市・金成榮策:金子兜太選)
放射能が降るのは陸奥だけではありません。海に流された放射能は水蒸気に混じり天空へと昇りやがて雨となって広い地域を汚染することでしょう。
◇他の老いのごと我も見えるや青簾(交野市・遠藤昭:金子兜太選)
先日、同年齢の女性と話すことがありました。同級生はみな彼女のように老けているのだろうと思いました。同時に自分の老いもご同様に見えていたことで
しょう。
「他の老いのごと我も見えるや」、いいですね。
◇自信といふ言い訳ほどの水着つけ(国立市・太田ひろのぶ:金子兜太選)
最初は女性の句で、スタイルには自信があるのと自分に言い訳をしてビキニ水着をきていると読みました。
しかし、作者は男性ですから句意はまったく違ってきます。隠すべきところを申し訳程度に隠しただけの水着の女性、マネキンでしょうか、海水浴場の生身の
女性でしょうか?
◇止まれば犬も入りたる日傘かな(東京都府中市・天地わたる:長谷川櫂選)
数歩前を歩く犬も主人が止まれば日傘の影の中にあるという。犬を飼わないのでわかりませんが、犬の肉球は焼けたアスファルトを歩いても大丈夫なのでしょ
うか?
昼日中の犬の散歩は連れている人間より、犬の虐待ではないかと思ってしまいます。
◇二駅も三駅も続く青田かな(ひたちなか市・永田昇:長谷川櫂選)
子どものころの故郷は青田の中に緩々と微妙に曲がったレールの上を二両編成の私鉄が走っていました。二駅も三駅も田んぼの中でした。今は稲作だけでなく
野菜畑や牛舎、鶏舎、それに次三男坊のための家が建って田んぼだけではなくなりました。
◆朝日歌壇
美原凍子さんの歌が三首も入選していました。まずは美原凍子さんの歌から紹介します。
◇県の木ネモトシャクナゲ、県の鳥キビタキ、県の××ゲンパツ(福島市・美原凍子:高野公彦選)
県の木、県の鳥の次に県の××とは、県の苦難、県の絶望と入るのでしょうか?
◇みちのくの七夕の夜を翔けりゆく千羽鶴いま万羽となりて
(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
七夕に天に昇る千羽鶴はもう万羽にもなった。哀しみは深い。
◇気がつけば被曝していたそんなことあってしまったこの国のいま(福島市・美原凍子:佐佐木幸綱選)
この歌がもっと哀しい。
後から後から事実が明らかにされ、その時にはもうすでに多くの人の口に入ってしまった後です。
憲法25条を実現させなければ。
東電やこの国は凶悪犯のようだ。証拠を隠して、何もない、安全だ、安全だと言うばかり、証拠を示されると渋々その一部を認めるだけ。もうこの国に汚染さ
れていない食べ物はないのだから、汚染の度合いを明らかにすること、そして「この食べ物は妊婦と0歳児には絶対食べてはいけない」などとしなければならな
い。
◇日常の会話も悲し線量と逃げる逃げない堂々めぐる(郡山
市・渡辺良子:高野公彦選)
「線量」という非日常の言葉が日常会話に使われること。逃げることは故郷(くに)を棄てること、こんな決断を国民に迫っているという自覚があるのか、こ
の国に。
◇一切を流されし娘が嬉しげに「安かったのよ」と骨董皿見す(仙台市・斎藤澄子:永田和宏選)
津波に流された家財道具を一つづつ買いたしていく娘の健気な姿を頼もしく見る母、目に浮かびます。
◇「原発は明るい未来」と静
寂の人消えし町に掲げあり今も(本宮市・廣川秋男:馬場あき子選)
「原発は明るい未来」と寄って集って田舎の人間を騙して、悪魔のような施設を作ってしまった。この場合、騙された人が悪いとは思わない。目に入るもの耳
に入るものすべてが「安全」「明るい未来」「平和的利用」と叫んでいたのですから。
でも、京都大学の小出さんたちのグループや共産党のようにずっと原発に反対して来た人もいたことは忘れてはなりません。
戦争に突き進んで行った戦前と似ている。反対したのは良心的な人たちと共産党だけ。
◇山麓に巣をかけふたり子を為して手をひき蛍を見せて育てる(つくば市・横井久美:佐佐木幸綱選)
こんな生活に憧れます。「巣をかけ」が良いですね。
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