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11/08/01 朝日俳壇、歌壇より
 今日の朝日新聞に 家庭の電力需要が20%も多めに推計されていたとの記事が出ていました。
 
家庭でも15%の節電を求める東京電力が基にしていた政府推計は実測値より2割も過大に設定されていたとのことです。
 「家庭の電力、2割過剰推計 『15%節電』厳しすぎ?」(朝日新聞 11/08/01)

 このように政府や東電のやっていることはいい加減なのです。
 「節電キャンペーン」のためにクーラーを必要としている人たちが、どれほど肩身の狭い思いをしているか、熱中症の危険に晒されているか、よく考えてほし いものです。

 先ほど、福島第一原発で毎時10シーベルトもの放射能が放出されていると報道されていました。「福島第1原発:排気塔配管で10シーベルト 事故後最高値」(毎日新聞 11/08/01)

 また原子力保安院が福島第一原発の作業員が不足することを懸念して、労働者に生涯で1シーベルトまでの被曝を認めるように厚生労働省に働きかけていると いいます。「福島事故の被ばく、別枠要請=保安院、作業員不足を懸念−東電側試算、厚労省に提示」(時事通信 11/07/28)
 一般の人間が許されている被曝料が年間1ミリシーベルトですから、一般人の千年分の被曝をさせるという鬼畜のようなことを「保安」院は言い出すもので す。

 京都大学の小出さんは「一生の間にそんなに被曝をするということは実際にはありえないことであって、この事故の収束のためにそこまで働けと言ってるので すね。それを決めた人にその限度で働いて欲しいです」(7月28日 作業員の被曝上限を一生に1シーベルトと要請していたことについて

 なんだかなあーの世の中です。


  今日(8月1日)付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇大夕立にはかに生れし潦(にわたずみ)(大阪市・真城藺郷:稲畑汀子選)
 難しい感じがあるものです。「潦(にわたずみ)」とは水溜りのことだそうです。なんということのない句です。

◇夕立の匂ひが先にやつて来し(さいたま市・齋藤紀子:金子兜太選)
 先日、外出中に夕立と晴れの境目に立つことができました。通り雨の通過に出遭ったということでしょうか。
 噴水の水が落ちてくるような雨の壁が、土の匂いとともに近づいてきて、足元の乾いた土をみるみるぬらして行きました。
 夕立の匂いとは土の匂いのような。

 端居の句を二つ。
◇端居して忘れられたり忘れたり(海老名市・川上益男:長谷川櫂選)
 そこに居ることを忘れられたり、物思いに耽っていると何かを忘れてしまうようなこと、ありそうです。

◇吾ながら亡父に似たる端居かな(霧島市・岩元林:長谷川櫂選)
 私も加齢とともに色々と亡き父に似ているような思いがします。

◇雪渓は青春のごと輝けり(尾張旭市・古賀勇理央:長谷川櫂選)
 歌壇にも登山の歌がありました。
 梅雨明けからお盆頃までの期間は、天候も比較的に安定していて最高の夏山シーズンです。今はもうそんな気力も体力もありません。

◇さりげなく婆に席立つサングラス(茅ヶ崎市・清水呑舟:長谷川櫂選)
 最近の若い人のサングラス姿は格好いいと思います。先日はお腹の大きな女性がサングラスをかけて闊歩していました。つい「よう、カッコイイぞ」なんて <おゝ妊婦サングラス掛け闊歩せよ>なんて駄句を詠んでしまいました。
 句の席を譲ったサングラスの人は若い女性と勝手に読んでしまいました。

◆朝日歌壇
◇四等寝台と座席の下を呼びし頃われら生き生きと山へ向いき(岡山市・宮田義昭:永田和宏選)
 私の高校生の頃の登山スタイルはチロリアンハットに長袖 のチェックのシャツ、ニッカーボッカーに重い皮の登山靴、背中には帆布生地のキスリングザック。
 北アルプスへの登山は年に1、2度のこと「遠征」などと呼んでいました。関西から信州へは夜行急行の満員の自由席で移動したものです。

◇「がんばれ」は書かず「元気で」と書き添えて帰国の生徒 へカードを閉じる(アメリカ・西岡徳江:永田和宏選)
 「がんばれ」が日本中に溢れていますが、この言葉を好きになれません。ほかに適切な言葉はないのでしょうか?

◇この花を求め登りし幾百の目に純白のオオヤマレンゲ(名張市・山下雄市:馬場あき子選)
 今では車で山に登ること、観光バスで高地まで、ツアー旅行の延長としての登山など色々とありますが、古い人間は足で登ってこその頂上だと思います。

◇油揚げひじき人参とうがらし買物メモが姉の絶筆(宇治市・山本明子:高野公彦選)
 若くても、まして年寄りは、いつ事切れるかしれません。
 身辺を整理しておかねばなりませんが、中々そうは行きません。お使いのメモが絶筆になる、こんな文章も絶筆になるかも知れません。心して書き置きましょ う。

◇わが父は一線五厘でかり出されビリオンダラーの原爆で死す(アメリカ・大竹幾久子:高野公彦選)
 もうすぐ原爆忌。
 被曝した人たちはアメリカに実験材料として戦後も扱われたそうです。
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