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11/08/19 朝日俳壇、歌壇より
 民主党の代表戦を はじめ、敗戦記念日に靖国参拝をする国会議員たち、原発の収束など程遠いのに原子力学会は「事故調査・検証委員会」に対し個人の責任を追求しないように要 求し、高橋はるみ北海道知事は泊原発3号機の運転再開を認めたし、、、、いったいこの国はどうなっているのだろう。

 夏バテに追い討ちのニュースに溢れる今日この頃です。

  8月14日の朝日新聞の俳壇、歌壇を19日になって紹介する体たらく、とりあえず気になった句や歌を紹介します・

◆朝日俳壇
◇扇風機ここぞと回る定食屋(東京都・吉竹純:長谷川櫂選)
 下町の定食屋にはガタガタと首を振る扇風機が似合う。

◇原発が風上にある夏祭(福井県池田町:下向良子:長谷川櫂選)
 池田町は、原発銀座の敦賀半島から北東3、40キロの町、福井の原発にことあれば直接の被害を受けてしまいます。
 なんとも憂鬱な立地です。

◇終戦の日の蝉たちの鳴きじゃくり(岐阜県揖斐川町・野原武:大串章選)
 半島では1945年8月15日を日本の侵略から開放された日として光複節、開放記念日としています。終戦などとあいまいな表現ではなく敗戦の日と私は呼 びたい。

◇まづ汗を拭かねば何も始まらぬ(さぬき市・原道子:稲畑汀子選)
 暑い中、訪れた人は用件を切り出す前に汗を拭き、冷たいものを飲まなければ始まらない。クーラーの効いた家ではなく扇風機がのんびりと回る家の風景で しょう。

◇放射能まみれでひかる蛍かな(流山市・尾形ゆきお:金子兜太選)
 3月11日すべてが変わった。この国は隣国や公海にまで放射能を撒き散らし始めた。
 蛍の仄蒼い光は放射能が発する光のように思えてしまう。

◆朝日歌壇
◇逞しく母は呆けてくれました気弱な娘鍛えるために(津市・森島雪:佐佐木幸綱選)
 「逞しく呆ける」とはどのようなことでしょう。
 困難な介護を自分を鍛えるための試練と思い、母上と接しておられるのでしょうか。

◇久々に生活保護者のわれけふは昆布漁のアルバイト得る(函館市・竹田光彦:佐佐木幸綱選)
 厳しい生活環境の中、労働の喜びの歌は切ない。

◇しゃべりたくない日もあってじゃがいもの皮ていねいにむいている午後(摂津市・内山豊子:高野公彦選)
 こんな歌が好きです。

◇「生」という文字(もんじ)の中に牛がいて牛が地に立ち生きるとありぬ(福島市・美原凍子:永田和宏選)
 美原凍子さんの作品。感じの「生」という字を分解すれば「牛」と「_」に分かれることを歌に詠まれている。
 難しい、冒頭の「生」は「なま」と読むのだろうか?

◇風鈴より先に風を捉えたる水引草の紅のほつほつ(岐阜 県・棚橋久子:永田和宏選)
 正統派の短歌とはこういうテーマを詠んだ歌をいうのだろうか?

◇放射能まだ来ぬ我家のベランダにナスも胡瓜も花つけ明日待つ(平塚市・熊沢雅晴:馬場あき子選)
 放射能は濃淡はあれど全国に撒き散らされている。ベランダ菜園の野菜が無害なことはありえない。
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