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11/08/26 映画「一 枚のハガキ」
 ラジオ(ポッド キャスト)で聞いた若い人の羨ましい行動を一つ。
 文化放送の水谷加奈アナウンサーの長男は高校一年生、クラブ活動もやめて夏休みをダラダラと過ごしていたそうです。そんな彼が突然「(テレビ番組の)鳥 人間コンテスト常連の東北大学のクラブの部室を訪ねる」と言い出してクロスバイクで家を出たそうです。
 水谷さんが番組の中でチラッと話した名前は仁(じん)、茶色い自転車、赤いヘルメットという情報が広まって、長男を見かけた人から「ジンがんばれ!」と 声をかけられているそうな。
 昨日の放送では福島の相馬辺りを北上中とか、被災地を見るのもいい経験になるだろう。青年の行動力は羨ましいこと。

 島田紳助が暴力団 との関係を指摘されて引退するそうな。嫌いなタレントの一人が消えたことは喜ばしいことであるが、大手新聞が一面扱いにするほどのことだろうかと強く思い ます。

 胡散臭い「引退」会見を何度も流すテレビ局、それに実しやかにコメントするマスコミ芸者たちにうんざりです。
 だが、見方を変えれば、彼らのコメントが彼らの立ち位置を表しているようで興味深いことです。
 例えば、小倉智昭氏は「警察だとか、弁護士だとかで、どうしても解決できないときには、何らかの圧力を発揮して解決させることがある」「切羽詰って、闇 社会の人にそれを解決してもらうことはある。そのとき本人に責任はあるのか」(要旨)等々。

 また、こんな輩が選挙に出て大量の票を獲得すれば「大阪の人間はバカだ」と言われるのでしょう。彼は京都出身だから選挙に出るなら是非京都からお願いし たい ものです。
 コラムニストの小田嶋隆さんが、政界に出るくらいなら「なるべく早く芸能界に復帰してください」と辛いエール?を送っていました。

  先週末、帰省していた孫娘とスタジオジブリの作品「コ クリコ坂から」を観ました。ジブリ作品は初めて、アニメは久しぶりでした。
 夏休みの子ども映画かと思って出かけたのですが、場内は20歳代から中年まで、小学生を連れたのは他に1組だけでした。60年代の横浜の高校生たちの物 語、内容は 単純なものでした。60年代は私も田舎の高校生、木造校舎と民主主義とか懐かしい言葉でした。小学1年生の孫には少し難解だったかもしれません。


 さて、今日は99歳で監督をされた新藤兼人さんの
一枚のハガキ」を観てき ました。
 梅田の映画館は50、60、70歳の老人がほとんどでした。

 物語は新藤兼人さんの自伝的なもの。
 中年兵として召集された新藤たち100人の内、60人はフィリピンに向かう船が撃沈され全員死亡、残る30人は潜水艦に、、、宝塚航空隊で敗戦を迎えた のは6人だけだった。生き残ったものが伝えなければならないものがあるという信念で作られた映画です。

 中年兵として召集された松山(豊川悦司)は、籤引きでフィリピンに向かうことになった森川(六平直政)から妻・友子(大竹しのぶ)からの来た一枚のハガ キを 見せられます。そのハガキには「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないので、何の風情もありません」と書かれていました。
 森川は松山にハガキを託し「生きて帰ったら、妻にハガキは読んだと伝えてくれ。死んだら霊魂になってお前を守ってやると」と伝えてくれとフィリピンへ向 かいます。

 戦後、復員した松山は森川の妻・友子を訪ねます。
 この辺は有馬頼義さんの「遺書配達人」を思い出させます。

 
女郎屋に売られかけた友子を娶るためにたった一枚の田んぼを売った森川、森川の戦死の後 は森川の弟と再婚さされ、その弟も戦死、義父、義母も亡くし一人きりとなった友子、金がないから電気も水道も引けず、ランプと谷川の水を汲んで生活してい ます。
 夫の伝言を伝えに来た松山に「なぜ、あなたは生きているのだ」と罵ります。大竹しのぶさんの迫真の演技でした。大竹しのぶさんは大物女優だということを 実感しました。

 友子の暮らしは貧乏という設定なのに何故か茅葺の屋根がきれい葺かれていて気になっていましたが、番組後半でセットだったと思わせるシーンがあり納得し ました。

 松山がたった一枚書いたハガキは敗戦で除隊が決まった時に「帰る」と知らせたものだった。
 ところがこのハガキを読んだ妻は舅と駆け落ちしてしまうのでした。松山は大阪のキャバレーで働いている妻を尋ね「親父を捨てたら殺すぞ」と言い捨てて帰 ります。
 短い出番でしたがなぜか印象に残る川上麻衣子さんでした。

 もう一人、脇を固めていたのが、寡婦となった友子に言い寄る村の顔役・吉五郎をコミカルに演じてた大杉漣さんです。

 ぜひ、観てほしい映画です。それも若い人には。

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