11/09/23 朝日俳壇、歌壇より
野田首相は馬鹿な
のでしょうか?経団連の会長に誉められるだけのことはあります。財界、原子力業界の使い走りになりきって世界に恥を晒しました。
東京電力福島第一原発の事故原因も究明されていないのに、国連で「原子力発電の安全性を世界最高水準に高める」などと演説したそうです。停止中の原発は
再稼動、輸出もするという。
◆インターネット句会
ブログを読ませていただいている方が投句されていると知り、久しぶりに現代俳句協会のインターネット俳句会に投句しました。
投句は5句まで、毎月20日締め切り、選句は互選で5句まで月末締めと決められています。今月の投句数は私のグループで約1000句、もう一つのグルー
プで約900句、相当な数の俳句を読むことができます。
選句は手間もかかりますが、色んな句に出会える楽しい作業でもあります。
誰かが選んでくれると1点のポイントになります。私などは5句投句して、2ポイントか3ポイントが関の山です。
さて、今月は何ポイントいただけますやら。
9月19日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇廓走る音にはじまる帰省かな(高槻市・会田仁子:稲畑汀子選)
我が家には廊下と呼べるものはありませんが、帰省の孫たちは目敏く遊び場を見つけてドタバタと愉しんでおりました。
◇人と居て無名を恥じる残暑かな(熊谷市・時田幻椏:金子兜太選)
難しい句です。無名を恥じるとはどういうことでしょうか?選者は「プライドのある男の素直な気持ち」と評されていますので益々分からなくなります。私は
無名であることを誇るような気持ちはありますが。
◇何もかも九月になれば新しき(小平市・平田映充:長谷川櫂選)
この句は月が変われば新しい何かが始まると前向きですが、私は<良きことの始まる予感ない九月>などと後ろ向きの句を読んでしまいました。
◇夕焼へ砂を掃き出す海の家(香川県土庄町・高橋和子:長谷川櫂選)
海水浴場の秋、色々の思い出と一緒に砂も掃き出されていくのでしょう。
◆朝日歌壇
◇休み明け友の転校知った子の言葉少なしひぐらしが鳴く(福島市・新妻順子:高野公彦選)
東京電力福島第一原発の被災地のことでしょう。
福島県からの県外へ避難している人は5万人以上に上るそうです。住民票を移さないで県外に避難している人あり実態は相当な数のようです。
今週は福島市の美原凍子さんの歌を読むことはできませんでしたが、上の新妻順子さんの句の他にも福島市に住まわれる方作品が入選していました。
◇目に見えぬベクレル案じて暮らす日は空の奥処に黒い旗舞う(青木崇郎:高野公彦選)
◇夕日射すえのころぐさの花穂の先ふんわりむっつりかたつむり一つ(伊藤緑:永田和宏選)
◇江戸期より水を抱きて田に分けし助宗堤(すけそうづつみ)も五キロ圏内(福島市・新妻順子)
◇またひとつ更地が増えてまたひとつ まちの記憶が抜け落ちてゆく(米倉みなと:佐佐木幸綱選)
◇アカネ来て震災半年息つけば咲きながら散る萩のせわしさ(澤正宏:佐佐木幸綱選)
◇十五分待てばさよならが言えたのに頑固な父は看取られず逝く(佐世保市・近藤福代:永田和宏選)
頑固な父上は逝くときでさえ、その一徹さを示したということ。天晴れなこと。
◇夫病むゆえに妻という文字を書くこと多しわれのひと世は(能代市・中村弘子:永田和宏選)
「われのひと世」とありますから、長く病む夫を看て来られたのでしょう。女性はある部分「妻」という字に憧れがあるのでしょうが、その妻という字を書く
ことは殆んどないのでしょう。
◇通夜の明かり路へこぼるる一角を花野のごとくとおりぬけたり(和泉市・長尾幹也:馬場あき子選)
通夜の家から通りにこぼれる明かりが花野のようだとはうまいですね。
◇五感ではとらえられないセシウムをDNAは深く刻めり(福岡市・有田裕子:佐佐木幸綱選)
放射能は遺伝子を傷つける。だから成長期の嬰児、赤ちゃんや子どもは放射能から守らねばならない。それは原子力を認めてきた大人の責任です。
◆難解な文章
俳壇、歌壇と同じページの「うたをよむ」というコラム欄に歌人の桑原正紀さんがこんなことを書かれていました。
「短歌や俳句という定型詩に認められる特長のひとつに、内面の混沌(こんとん)に秩序を与え、また、得られた表現世界からの逆照射によって、内面の危機
や混乱を相対化し得るといった機能がある」
と書かれ、妻で歌人の河野裕子さんを亡くされた永田和宏さんが歌を紹介されていました。私は引用した文章をまったく理解できませんでした。
こういう難解な文章に出会うと、井上ひさしさんの次の言
葉を思い出します。
<むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/ふかいことをゆかいに/ゆかいなことをまじめに書くこと>
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