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11/10/04 朝日俳壇、歌壇より
 公務員宿舎の建設 をめぐって騒動がおきていますが、もともとは鳴り物入りで行われた「事業仕分け」で「凍結」とされていたのものが、いつの間にか「解凍」され工事が始まっ ていたのです。
 いったい、あの「事業仕分けとは何だったのでしょうか?一時は国民に期待を抱かせ、もう忘れた頃だろう「解凍」するとはあまりにも国民を舐めた態度と言 わざるを得ません。民主党とはこの程度の政党です。

 10月3日付けの朝日新聞の投書欄「声」に66歳の女性の「野田首相が千円の理容店を使っていると報じられていた。どうか庶民感覚を忘れずに・・・」と いう投書が掲載されていました。
 新聞に何を投書しようが、新聞社がどんな意見を掲載しようがそれは自由なことですが、こういうのを情報操作というのでしょう。
 テレビの街頭インタビューでもいろんな意見の中から製作者の意図にあった意見を採用しているのは当たり前のことです。

 このように私たちは毎日毎日騙されています。


  10月3日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇尾を止めて金魚もすなり大欠伸(新潟市・岩田桂:金子兜太/長谷川櫂選)
 パクパクと口をあけている金魚も、時には大きく口を開いて欠伸をするのでしょうか。
 早速、観察しなければ。

◇利尻昆布空路廃止の島に干す(牛久市・清水秋生:金子兜太選)
 利尻昆布を干すのですから利尻島のことでしょうか。貧乏旅行で利尻を訪れたのは19か20歳くらいのこと。もう40年も前のことでした。
 離島と空港、航空路線、それは豊かさをもたらしたのでしょうか?

◇禿頭の物知りなるや敬老日(岸和田市・大内純子:金子兜太選)
 10年来薄い髪を剃ってスキンヘッドにしていますが、とても物知りの顔には見えていないと思います。立派な禿げ頭の選者は「初めて気付いたような表情に 諧謔(かいぎゃく)」と評されています。

◇無花果(いちじく)の煮立つ小鍋の香りかな(宮崎市・飯島忠夫:長谷川櫂選)
 先週の朝日俳壇に<ひつそりと無花果(いちじく)を煮て店を閉づ>(吉田敦子)という句がありましたが、イチジクとは煮て食べるのが普通なのでしょう か?甘いイチジクを砂糖を入れて煮るとは贅沢なことです。
 甘いもののなかった時代に育った私は、イチジクは木からもいでそのまま食べるものだと思っていました。

◇ゴキブリの打たれて更に叩かるる(昭島市・田島浩:長谷川櫂選)
 姿を見せるだけで嫌われ、打たれ、叩かれ、散々なことです。

◇大根を蒔くだけの雨を希(ねが)ひしに(田川市・山田千恵女:稲畑汀子選)
 山頭火にも<朝焼け雨ふる大根まかう>という句がありました。
 大根を蒔くに必要なお湿り程度の雨で良いものを田も畑も山も家も流してしまった。

◇軍歴のあるは減りけり敬老日(神戸市・日下徳一:稲畑汀子選)
 戦後66年、戦争を体験した人たちもどんどん少なくなっていきます。軍隊を経験した人はもう90歳以上でしょうか?
 ついでに私は敬老という言葉が好きになれません。「老人を敬う」と言われても、現実は社会が老人虐めをしているようです。その最たるものが「後期高齢者 医療制度」、民主党は政権公約(マニフェスト)で「後期高齢者医療制度の廃止」を謳っていたはずです。民主党政権は約束を守れ。法律を守れ。嘘を吐くな。

◆朝日歌壇
◇浴室の鏡に老いし身を映しおもむろに白き髭をそりたり(八戸市・山村陽一:馬場あき子選)
 自分の体も顔も鏡で見るのは嫌なものです。老いた顔や体は醜いものです。
 せめて顔は人生を語るくらいの味のあるものになってほしいと思うのですが。

◇木に木の実草に草の実抱かせて秋はまあろきものらを愛す(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 「きにきのみ くさにくさのみ いだかせて・・・」といつものことながらリズムのよい美原凍子さんの歌です。

◇虫除けの缶スプレーは空となりむらさきしきぶに青みさし初む(鎌倉市・下田和夫:高野公彦選)
 虫除けを使いきった頃に、ムラサキシキブの実が青みかかってきたという見逃しそうな二つの事実を並べると歌になのですね。
 「缶スプレー」と「スプレー缶」、普通は「スプレー缶」と呼ぶようですが、この場合は「缶スプレー」がしっくりくるようです。

◇何とまあいとしいいとしと言ふ鳥の鸞(らん)といふ名の焼き鳥屋さん(水 戸市・檜山佳与子:高野公彦選)
 親鸞上人の「鸞(らん)}という字は、確かに歌のように鳥の上に「糸言 糸」が被っています。字面を見て「愛しい愛しい言う」と思いつくのは非凡なことです。
 鸞とは鳳凰のように想像上の鳥だそうです。ネットで検索すると小倉に鸞という焼鳥屋がありました。昨日からアクセスが増ええびっくりされていることで しょう。

◇この身しばし傘立てにでも刺しおきたし放ちしのちは消えぬ失言(和泉市・長尾幹也:永田和宏選)
 人間は時として失言をするものです。私もよくあります。そして自己嫌悪に陥っています。
 政治家と言われる種の人間は言葉を大事にしなければなりません。仮に失言をしたら謝ればよいのです。
 口を拭ってはいけません。過ちを認めないのもいけません。

◇けんかしたわけじゃないけど気づまりなそんな野菜のひとつにセロリ(瀬戸内市・児山たつ子:永田和宏選)
 こういう歌がよくわかりません。
 俵万智さんの<「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日>という歌以来、「俵万智風」と呼ばれる歌が多く詠まれてきました。
 気詰まりな若い二人の関係とセロリが結びつきません。短絡的に結びつくこともないのでしょうが。鑑賞も難しい。

◇水溜り青空深く広がりて子らが輪となりかがみておりぬ(ひたちなか市・篠原克彦:永田和宏選)
 子どもたちにとって水溜りは小さな宇宙、1uほどの広さ、数cmほどの深さの中に青い空が白い雲が電線が覗き込む顔がすっぽりと収まっています。

◆ネット句会
 現代俳句協会のインターネット俳句会に久しぶりに投句しました。
 結果は散々なもの。<秋暑し出会ひ頭の大欠伸>に1点をいただきました。
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