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11/10/10 朝日俳壇、歌壇より
 震災復興を口実に 弱者苛めの消費税増税が企まれています。
 先日のテレビ討論では共産党の市田さんが「320億円にものぼる政党助成金の返上を」と各党をに求めましたが、各党の出席者はだんまりでした。税金を注 入されなければ政党として成り立たないのでは「政党」ではないと思いますが?

 今日の東京新聞(中日新聞)の社説は「官房機密費 せめて使途を明らかに」と題して、官房機密費の使途を明らかにせよと書いていました。
 菅内閣の15ヶ月間で15億3千万円、民主党政権になってからも月平均1億円のペースは変わらないそうです。税金が何の根拠も示されずに湯水のように使 われていることは許せません。
 税金を、必要があって使うなら使い道を明らかにすべきです。野党もマスメディアも受け取った方からも明らかにすべきです。

 9.19の6万人、反核集会を意図的に小さくあるいは無視してきたこの国のマスメディアが、アメリカのウォール街を取り巻くデモを報じている不思議なこ とです。


  10月10日付けの朝日新聞の俳壇、花壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇颱風の去ってうれしき人来たり(岐阜市・阿部恭久:長谷川櫂選)
 台風一過の安堵感のなかに親しい人の来訪、二重の喜び。。。
 「颱」って漢字は一字で「台風」をあらわしています。不思議な字です。

◇花の名の手帳に余る九月かな(横浜市・猪狩鳳保:長谷川櫂選)
 きれいな句です。
 今日は近場を散歩しましたが、ずいぶん花が少なくなりました。近くの大山崎山荘美術館の庭園には写真に撮るべき花はひとつもありませんでした。

◇遠目にも案山子(かかし)とわかる案山子かな(東かがわ市・桑島正樹:大串章/稲畑汀子選)
 案山子とわかっては、案山子の役目を果たさないのではないでしょうか。

◇萩芒いつも小さな風連れて(姫路市・上原康子:稲畑汀子選)
 今週の俳壇の中では私の一押しの一句でした。

◇鼻の穴大きく描かれ敬老日(秋田市・山田恵子:金子兜太選)
 幼い子どもの書く顔は、鼻の穴が大きく黒く描かれていることが多いですね。敬老の日に贈られた似顔絵の鼻の穴が大きくて苦笑いされたのでしょうか?

◆朝日歌壇
◇福島に住むこと忘れ穏やかな日なかとなして障子貼る病妻 (つま)(本宮市・廣川秋男:佐佐木幸綱選)
 やるせない歌です。
 いつ帰れるか、いつ帰れるかと待ってもう7ヶ月です。
 マスメディアから、犯人、加害者・東京電力の責任を追及する声は大きくなりません。だってグルだったのですから。

◇満月の光の中にわたくしの影が土塀にくの字に映る(名古屋市・松尾利男:佐佐木幸綱選)
 先週、浴室の鏡に映る姿を詠んだ歌がありましたが、今週はロマンチックに月光に映される己の姿です。
 嫌なこと、嫌なこと、そんな醜い自画像は見たくありません。

◇少しづつ母のどこかがこはれゆく歌壇俳壇ひらかずなりぬ(長野市・縣展子:佐佐木幸綱/永田和宏選)
 健康に生きていても、毎日、毎日、細胞が壊れていっています。老いた人間はもう壊れるばかりなのでしょう。
 わが母は、新聞、本と読むものや針仕事が好きな人ですが、白内障とかで読書量は少し減っています。少しづつ壊れている証でしょうか?

◇植ゑて来しひまはり除染はせぬと聞くされどひまはりことしのひまはり(埼玉県・小林淳子:高野公彦選)
 「ヒマワリは成長するときに放射能を吸収し、その種を絞ればきれいな油が採れる、チェルノブイリの汚染地域でヒマワリでの除染が有効だ」とのデマもどき の話が流布されていました。
 被曝地に除染ができるとヒマワリの種を蒔いてきたが、それが嘘だったと知ったけれどヒマワリはヒマワリ、ヒマワリに罪はないといううたでしょうか?
 自然界に撒かれた放射能は無くなりません。ヒマワリの幹や葉に吸収されても、油を絞った後の絞り粕には濃縮された放射能が含まれているのだから何の解決 にもならないことは子どもでもわかる理屈だったのです。

◇「休み中渋谷などに行かぬよう」そこは私のふる里ですけど(東京都・上田結香:永田和宏選)
 子どものころには長い休みの前に「○○はするな」「○○には行くな」とたくさんの「べからず」を聞かされました。
 東京近辺の子どもたちには渋谷は刺激的な憧れの町なのでしょう。だから、教師も注意せねばならないのでしょうが、注意している教師の故郷だという皮肉。

◇九十五歳あんな年まで生きたくないわいつもの声がついて来る廊下(札幌市・横川満:永田和宏選)
 「あんな年まで行きたくない」と憎まれ口を叩くのは誰でしょうか?95歳なのは誰でしょうか?
 95歳の母を見舞った帰り際、背中に母の憎まれ口が追いかけてきたという歌でしょう。
 選者は「いつもの事だと聞き流して悠然と」と評されています。

◇千年の月が仮設の屋根屋根をひそと照らして秋を降らせり(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 最後は美原凍子さんの歌です。
 「秋を降ら」すとは良いですね。月が家々の屋根を照らしているとは美しい光景です。その家々が福島の仮設住宅でなければ。

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