民主、自民、公明の3党は10日、税調会長会談を再開し、東日本大震災の復興増税案で、増税対象からたばこ税を除外することで合意した。足りない財源は、
所得税と個人住民税で徴収する。最後の懸案だったたばこ税の扱いが決まったことで、本格的な復興事業を盛り込んだ11年度第3次補正予算案と復興増税の関
連法案が月内に成立する道筋がついた。
政府・与党は当初、所得税、法人税、個人住民税とたばこ税を増税することなどで11・2兆円の調達を計画。たばこ税は1本あたり国税分1円、地方税分1
円の計2円を増税し、2・2兆円を確保する方針だった。しかし、葉タバコ農家への影響を懸念する自民党が強く反対。3次補正成立などへの影響が出ることを
心配して民主党がたばこ増税の撤回を提案、公明党も了承した。
たばこ増税を見送ることで2・2兆円足りなくなるため、その分は所得税と個人住民税の増税に上乗せする。所得税増税(13年1月から25年間)の増税幅
は2・1%になる見通しで、当初案(同10年)の4%に比べて単年度の負担は減る。給与収入500万円の世帯(夫婦と子ども2人)なら、増税額は年
1700円となる見通しで、期間10年の年3100円より少ないが、たばこ増税を実施した場合の年1200円よりは増える。また、個人住民税の均等割り部
分の増税(14年6月から)は、当初案の「5年間、1人あたり年500円」から「10年間、1人あたり年1000円」になり、負担総額は4倍になる。
法人税については、11年度税制改正法案に盛り込まれた減税をいったん成立させて、12年4月から3年間、減税の範囲内で増税する。【小倉祥徳】
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